慰安婦問題を扱った映画『主戦場』に無断でインタビュー映像を使用され、著作権を侵害されたなどとして、新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝副会長や、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏ら5人が、監督のミキ・デザキ氏や配給会社「東風」に上映差し止めや損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は27日、原告側の請求を棄却した。 裁判で、原告側は、出崎氏から「大学院の卒業作品の制作目的」としてインタビューを依頼されて撮影に応じたのに、商業映画として公開されたとして「撮影時の合意に違反する」と主張した。原告側が「歴史修正主義者」などと紹介されたことが名誉権の侵害にあたるかも争われた。 判決では、デザキ氏が取材申し込みや、承諾書への署名押印を求めるにあたり、「原告らを欺罔(ぎもう)したとは認めるに足りず、各許諾をするに当たって原告らに錯誤があったとも認めるに足りない」とし、名誉権などについても「社会的評
日本学術会議の姿勢を尋ねる国際歴史論戦研究所の杉原誠四郎会長(左)ら=3日午後、日本記者クラブ(奥原慎平撮影) 慰安婦の「性奴隷説」を否定した米ハーバード大のラムザイヤー教授に論文撤回などの激しい非難活動が展開されている問題をめぐり、保守系の民間団体「国際歴史論戦研究所」(会長・杉原誠四郎元城西大教授)が3日、都内で記者会見を行った。学問の自由が侵されている状況について日本学術会議が沈黙を守っているとして、公開質問状を同日付で送ったと明らかにした。 ラムザイヤー氏は昨年12月、慰安婦が公娼であったことを前提に、業者との契約を分析した学術論文を発表。戦地で働く代償として、朝鮮や日本で働く女性より高い報酬を得ていたとも記した。これに、韓国の市民団体や米国在住の韓国系の学者らが「性奴隷説」を否定したと問題視し、論文の撤回を求める署名活動などを展開。同研究所によると、脅迫状のようなものも送られてき
議事堂に侵入したデモ隊について、トランプ支持者と報じる米メディアが多いですが、ネット上には極左集団が紛れ込んでいるとの情報もあります。 https://t.co/PHe7WPD5nL
何とも奇妙な現象ではないか。民主党のバイデン氏の当選が確実になった米大統領選だ。なぜか日本にもトランプ大統領の主張する「不正投票」の存在を信じ、「『投票率90%』の州もある」といった情報を拡散しつつ、「トランプ氏勝利」を叫ぶ人がそれなりに存在するのだ。事実確認をしつつ、その「論理」を考えた。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 相次ぐ「不正投票」の主張 作家の百田尚樹氏、ジャーナリストの門田隆将氏、編集者の有本香氏、政治評論家の加藤清隆氏……。 いずれも安倍晋三前首相を強く支持し、右派メディアでもおなじみの顔ぶれだ。しかし共通点はまだある。 全員がトランプ大統領を支持し、その主張そのままに「不正投票」の存在を公言したり、その情報を拡散したりしているのだ。 例えば、百田氏がツイッター上で「私は米大統領選挙は大規模な不正があったと思っている」(11月13日)と記していた。また、門田氏も「ウィ
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日本学術会議の任命見送り問題に関連して、ジャーナリストの櫻井よし子氏が「防衛大学の卒業生が大学院に行きたくとも、東大を始め各大学は『防衛省の人間など入れない』と断る」などと指摘した。だが、実際には、防衛大出身者や自衛隊出身者で大学院に進学した経歴を持つ人は複数確認できる。(楊井人文)<追記あり> チェック対象 (日本学術会議は)防衛研究をさせないだけでなく、防衛大学の卒業生が大学院に行きたくとも、東大を始め各大学は『防衛大学からきた、防衛省の人間など入れない』と断ってたんですね。… 今回そんな事を変えるきっかけを菅さんが作ったということに尽きるんだろうと思いますね。 (2020年10月14日、BSフジ・プライムニュースでの櫻井よし子氏の発言)
任命拒否問題で大きく注目された日本学術会議をめぐり、誤っていたり、不正確だったりする情報が多く広がっている。 政治家らが関わっているものもあり、ネット上の「まとめサイト」のみならずメディアでも取り上げられ、拡散。本来の問題点とは異なり、学術会議のあり方を批判するような世論形成にもつながった。 学術会議関係のネット上の記事で2番目に拡散していたのが、まとめサイトによる中国の「千人計画に協力」という情報だったことからもそれは明らかだ。いったい、何が起きているのか。改めて、情報の経路を振り返る。 そもそも学術会議の推薦者6人の任命拒否問題が発覚したのは、10月1日のことだ。これは「しんぶん赤旗」がスクープしたことがきっかけで、各社が後追いし、昼過ぎには多くのメディアが報じていた。 また、その翌日には、過去の政府答弁との矛盾点などを指摘する声も広がり、より大きな問題として取り上げられるようになった
差別社会の現実か、表現の自由か-。朝鮮学校に向けられた言動をめぐり、被害者と被告側の双方が裁判所を強く批判している。京都の朝鮮学校へのヘイトスピーチ(憎悪表現)で社会的な評価をおとしめたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた男の公判。1、2審ともに有罪となったが、学校側は「司法は役割を放棄した」と猛反発し、被告側も「発言の萎縮につながる」として最高裁に上告した。怒りの理由は何か。事件と裁判を振り返る。(森西勇太) 認定された「公益目的」 平成29年4月、京都市南区の京都朝鮮第一初級学校跡地近くの公園。判決によると、在日特権を許さない市民の会(在特会)の元幹部の男(51)は拡声器を用い、こう発言した。「この朝鮮学校は日本人を拉致した」。様子は動画サイトでも配信された。 学校を運営する学校法人京都朝鮮学園は、発言をヘイトスピーチだと判断し、被告を刑事告訴。京都地検が名誉毀損罪で在宅起訴し、刑事
昭和天皇の肖像を燃やすような作品などが展示され物議を醸した芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会が、未払いとなっている芸術祭の負担金の一部を名古屋市に支払うよう求めて提訴した問題で、日本国史学会(代表理事・田中英道東北大名誉教授)は9日、提訴を取り下げるよう求める声明を発表した。理由として、実行委の請求に法的根拠がないことや、問題のある展示に公金を支出することの不当性を挙げている。 声明では、実行委が展示内容について名古屋市長に知らせなかったことを「名古屋市民の信頼を裏切る背信性の高いもの」と主張。負担金の交付を取り消す条件に該当しており、実行委の請求を「法的根拠は認められない」としている。 声明は、芸術祭の出品作についても問題視。昭和天皇の肖像を焼いたような動画を「多数の国民の心情を傷付ける表現が意図的に用いられており、こうした表現を公金支出によって奨励した実行委の行為は、こ
【パリ=三井美奈】スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(17)に対抗し、「気候現実派」を名乗るドイツ人女性(19)が登場した。米大統領選を前に、保守系シンクタンクを通じて「気候変動で世界は終わらない」と発信している。 この女性は、独ミュンヘンに在住するナオミ・ザイプトさん。今月半ば、米イリノイ州の「ハートランド研究所」に加わり、「広告塔」として動画に登場。グレタさんの環境破壊の警告は過剰だと批判し、「大勢の若者がパニックを起こしている。彼らを怖がらせるのではなく、環境の現実的な見方が必要」などと主張し、米欧メディアの注目を集める。米紙ワシントン・ポストは「気候問題への疑念を示すため、トランプ派が雇った」、独誌シュピーゲルは「気候変動の懐疑派が、欧州で世論作りに乗り出した」と評した。 ザイプトさんは高校を卒業し昨年、ユーチューバーに転身。メルケル独首相の寛容な移民受け入れ策などを
本質的な反省を伴わない再開の強行である。批判は免れまい。 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が再開された。昭和天皇の肖像を燃やす動画や、慰安婦を象徴する少女像を展示して中止となっていた。 8月に始まった企画展には批判や脅迫があり、3日間で中止となった。脅迫が許されないのは言うまでもない。 再開された8日は、警備を強化し、入場人数も制限された。しかし展示内容は変わっていない。脅迫は論外としても、広範囲に起こった批判を実行委員会が真剣に受け止めたとは思えない。 昭和天皇の肖像を燃やす動画の展示などは、日本へのヘイト(憎悪)そのものである。なぜ多くの人が憤ったか。あまりに軽く考えてはいないか。 企画展再開を支持する側は、憲法21条が定めた表現の自由を引き合いに出す。しかし12条は「国民は自由と権利を濫用(らんよう)してはならず公共の福祉のためにこれを利用
旧日本軍による強制はあったのか――。従軍慰安婦を巡る論争は、いま法廷に舞台を移している。 戦後の歴史観をめぐる「歴史戦」が、論戦から法廷での淡々とした証拠調べ、事実認定へと変わってきた中で、朝日新聞を「記事取り消し」に追い込んだ弾劾の急先鋒だった評論家・ジャーナリストの櫻井よしこ氏や問題の「火付け役」西岡力・麗澤大学客員教授が、逆に裁判で主張の誤りを追及され、不本意な訂正に追い込まれている。 最近でも、「新潮45」が性的少数者であるLGBTへの差別問題で休刊に追い込まれるなど、右派論壇の勢いに陰りが見える中で、歴史戦も右派は最前線で押し戻され気味だ。 ● 産経、櫻井氏の文章を訂正 “孫引き”だった慰安婦「証言」 6月4日の産経新聞の看板コラム「美しき勁き国へ」にこんな訂正が載った。 訂正の内容はこうだ。 「平成26年3月3日の当欄に『この女性、金学順氏は後に東京地裁に訴えを起こし、訴状で、
明治維新150年の今年、文芸批評を通じて皇紀2600年の奉祝曲「海道東征」の復活公演に尽力した新保祐司氏(64)が正論大賞を受賞した。19日に開かれた贈呈式で新保氏は、「この『海道東征』は日本文明の神髄が鳴り響いている曲。これが復活することは、日本文明の根幹が復活すること」と意義を説明し、「正論新風賞をいただいてから10年、この間に亡くなられた恩人の方々から重いものを託された。それを肝に銘じて、今後も言論活動を続けていきたい」と抱負を語った。 戦後について「日本人の核となる精神の喪失こそが、最も深刻な危機」と訴える小川栄太郎氏(50)は「私は今、日本の現状と行く末に、ただならぬ憂慮を抱いています。危機に対する敏感さが日本の知識人、政治家、言論界から薄れたまま、危機の度合が日々、強まっているのではないか」と問題提起。「そろそろ私たちは危機に向かって本当に言うべきことを言い、ウソと建前で社会を
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