コロナパンデミックで壊滅的な打撃を受ける前は、動員数、市場規模ともに右肩上がりだった音楽フェス。いつしか音楽ファンでも把握が困難なほどに数が増え、数年で姿を消すイベントも珍しくない。そんななか、独特の存在感を示しているのが野外ダンスフェス『GLOBAL ARK』だ。 大自然の中でテクノ、ハウス、アンビエントを楽しむこのフェスは、スポンサーを募らず、利益も積極的に追求しないスタイルで今年10周年を迎える。フェス運営は収益確保の難しさが指摘されるが、継続させる秘訣とは? 『GLOBAL ARK』の運営の裏側に迫る。(取材・文=宮崎敬太) 「フェスビジネス」への違和感 日本を代表する音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL』/2003年7月26日、新潟県湯沢町の苗場スキー場、朝日新聞社僕が初めて音楽フェスに行ったのは24年前。1997年に開催された第1回の『FUJI ROCK FESTI