その多くは降伏を許されず最後まで戦ったが、捕虜となった者は米軍に「貸し借り」にこだわる心性を見抜かれて、あるいは自分がいかに役に立つかを示そうとして、己の知る軍事情報を洗いざらい喋ってしまった。 日本兵は病気になってもろくな待遇を受けられず、内心不満や病への不安を抱えていた。戦死した者のみを大切に扱うという日本軍の精神的風土が背景にあり、捕虜たちの証言はそれへの怨恨に満ちていた。これで戦に勝つのは難しいことだろう。 にもかかわらず兵士たちが宗教や麻薬(!)に救いを求めることはないか、あっても少なかった。それがなぜなのかは、今後の課題とせざるをえない。