「本人確認が不十分だった」──全国の地方銀行などで決済サービス「ドコモ口座」を使った不正出金の被害が相次いでいる問題で、NTTドコモの丸山誠治副社長は9月10日、記者会見でそのように繰り返し謝罪した。本人確認の甘さの一因には、競合他社との回線契約数獲得争いの中で、ドコモ回線契約者(ドコモユーザー)以外にもサービスを開放する戦略へと舵を切った影響もあるようだ。 ドコモ回線利用者“以外”が狙われた ドコモによると、被害にあったのは連携する銀行のうち11行にある66件の口座。被害総額は約1800万円(10日午後時点)。被害者には、銀行と連携して全額保証を行う方針という。 今回の不正出金の流れはこうだ。まず(1)第三者が銀行口座番号、キャッシュカード番号などを何らかの方法で不正に入手、(2)それらの情報を使って被害者になりすまし、ドコモ口座を開設し、(3)ドコモ口座と銀行口座を連携、(4)預金をド