このコラムについて 世界中で100万部を超える異例のベストセラーとなっているフランスの経済学者トマ・ピケティの「LE CAPITAL AU XXIe SIECLE」が『21世紀の資本』(山形浩生他訳、みすず書房)のタイトルで日本でも発売された。ピケティは本書で膨大な世界各国の税務データの歴史的分析から、放置すれば、資産を持つ人と持たない人の所得格差は拡大する一方であるという分析結果を導き出している。 世界で最も所得格差が大きいのは米国である。では日本はどうか。ピケティの手法と同様の税務データの分析から「ほぼ同じ傾向がある」と結論付けたのが、筆者である岡直樹氏だ。日本と米国の税務データに観察され見える「富の集中化」の比較分析について3回にわたって解説する。 記事一覧