【ニューヨーク=後藤達也】国際決済銀行(BIS)は9月に米短期金利が急騰したことについて「構造要因が金利の動きを増幅させている」とし、問題が長引く可能性を示した。主な資金の出し手だった米大手銀が市場に資金を出さなくなっていると指摘。四半期末などに資金が逼迫し、金融市場全体にも悪影響が広がる恐れがある。 BISは8日に四半期に1度の報告書を公表し、米短期市場の動揺を特別に取り上げた。米短期金利は9月後半に急上昇し、ニューヨーク連邦準備銀行が緊急の資金供給で対応した。年末にかけても金利上昇圧力はかかりやすく、NY連銀は資金供給を拡充している。 ■米大手銀、資金手放さず BISは米短期市場で「資金の出し手の役割が4つの米大手銀に強く依存している」と指摘した。2019年上半期の短期市場をならしてみると、4銀行だけで3000億ドル(約33兆円)以上の資金をほかの金融機関や機関投資家に融通していた。こ