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ブックマーク / note.com/tamakisaito (4)

  • 「意思疎通できない殺人鬼」はどこにいるのか?|斎藤環(精神科医)

    7月19日に公開された藤本タツキ漫画「ルックバック」は傑作だった。CSM以来の藤ファンとしては、この作家の底知れない引き出しの多さに驚愕したし、予告されているCSM第二部への期待感がいやがうえにも高まった。とはいえ、私は自分がこの作品のほんとうの素晴らしさを理解できているとは思わない。作は「漫画家についての漫画」であると同時に、これまでになく藤の個人史を投影したとおぼしい作品だ。それゆえ、実際に漫画制作に関わった経験のある人ほど、その素晴らしさを深く理解できるであろう。 私は特に物語後半の「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いかけに続く無音のシークエンスがことのほか好きで、そこだけ何度も読み返している。藤野のネームを読んだ京のうれしそうな笑顔、涙ぐむ京にティッシュを渡す藤野、ただ京を喜ばせたかった、という想いが画面全体から溢れ出してくる。藤作品は良く映画的、と言

    「意思疎通できない殺人鬼」はどこにいるのか?|斎藤環(精神科医)
    rgfx
    rgfx 2021/07/24
    はぁ。あの役、というか主題に関係ないモブを「前景」として視てしまう、よくある勘違いこじらせモブをそのように捉えるの、色々と読解が個性的な事になってて理解がちょっと及ばない感。
  • 「鬼滅の刃」の謎 あるいは超越論的炭治郎|斎藤環(精神科医)

    ※ 論は12月9日に開催されたゲンロンカフェのトークイベント「伊藤剛×斎藤環×さやわか 『鬼滅の刃』と少年マンガの新情勢」で述べたいくつかの論点の備忘録として書かれた。ネタバレについては一切配慮をしていないので、原作未読・アニメ未見の方には注意を促しておく。 「鬼滅の刃」のわかりやすさ 「鬼滅の刃」(以下「鬼滅」)が空前のブームを巻き起こしている。アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は公開三日目にして興行収入48億円という空前の記録を樹立し、12月12日までの興行収入が299億2千万円、観客動員数が2152万人に達した。国内興収記録歴代1位の「千と千尋の神隠し」を抜くのももはや時間の問題であろう。原作漫画はさきごろ最終巻となる23巻が発売されて全巻の売り上げが1億2000万部を越え、11月30日発表の「オリコン年間コミックランキング 2020 単巻別」では、史上初の「1位~22位独占」

    「鬼滅の刃」の謎 あるいは超越論的炭治郎|斎藤環(精神科医)
    rgfx
    rgfx 2020/12/17
  • 人は人と出会うべきなのか|斎藤環(精神科医)

    「というのも、各々は直接的に他者のうちに自分を知るからであり…しかもそれによって、各々が、他者もまた同じように彼の他者の内に自分を知るのだ」(ヘーゲル『イェーナ体系構想』法政大学出版局) 「臨場性」はなぜ必要か コロナ禍の中で、心から消滅して欲しいと思ったのは「ハンコ」である。 大学が入構自粛になっているのに、ハンコを押すためだけに出勤することの徒労感。そういえばうちの大学では、会議からはほぼ完全に紙資料が駆逐されて、タブレットで会議資料を閲覧することになりはしたけれど、「ワープロで作成しプリントアウトした紙資料に押印したものをスキャンしてPDF化」という純和風デジタイズが横行しており、電子署名などまだまだ imagine the future の彼方——内輪ネタですみません——というありさまだ。というか、そもそも現政権におかれましてはIT担当大臣が日はんこ議連議長を兼任、という漫画のよ

    人は人と出会うべきなのか|斎藤環(精神科医)
    rgfx
    rgfx 2020/05/31
    これを我が事として振り返ることができる人が果たしてどれだけ居るのだろうか、と思ってしまうブクマ数だ。。
  • コロナ・ピューリタニズムの懸念|斎藤環(精神科医)

    疫病は倫理観を書き換える。14世紀にヨーロッパの人口の約30%(地域によっては80%)を死亡せしめたペスト(黒死病)は人々の死生観に影響を及ぼし、「メメント・モリ(死を思え)」なる標語を生んだ。一方、18世紀におけるイギリスでのペストの流行は、故郷に疎開して思索に集中できたアイザック・ニュートンに万有引力の着想をはじめとする「三大業績」をもたらした。15世紀から16世紀初頭にかけて急速にヨーロッパに広まった梅毒は、イギリス人の意識と社会的身ぶりとを変え、ピューリタニズムをもたらしたという説がある。 20世紀末から流行したHIVは、当初は罹患者の特徴から、同性愛やドラッグカルチャーに対する神罰、といったニュアンスでとらえられた。粘膜を介しての血液の交換が危険であると理解されてからは、避妊のためではなく、いわば「粘膜への禁欲」としてコンドームの使用が大々的に推奨された。 そして現在、新型コロナ

    コロナ・ピューリタニズムの懸念|斎藤環(精神科医)
    rgfx
    rgfx 2020/04/21
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