[ルリハインコ属のひとつ]という鳥は、歌声を覚えるより早く、個体認識のための固有の音声を親から教わっている。要するに、親鳥はひなに名前をつけるのだ。 人工飼育されている鳥たちが、つがいや近縁の個体を識別するために、「コンタクトコール」という音声を用いることは以前から知られている。[は個体固有のさえずりだが、ほかの鳥は意識的にそのさえずりを真似ることでその鳥に「呼びかける」。そういう意味で「名前」的なものといえる] こうしたコンタクトコールは、生まれつき備わっているものなのだろうか、それとも親鳥から教わるものなのだろうか。そして、野生環境ではどうなのだろうか。 こういった疑問を解明するべく、コーネル大学の鳥類学者、カール・バーグらのチームは、1987年から研究対象となっている野生のテルリハインコの個体群に対して、巣の間での卵の取り替えを行った。[Science Nowのによると、科学者たちは