全国犯罪被害者の会(あすの会)創設に携わり、代表幹事などを務めてきた元日弁連副会長、岡村勲弁護士(88)の妻、真苗(まなえ)さん=当時(63)=が、筋違いで岡村さんを恨みに思った男=無期懲役が確定=に刺殺された事件から、20年が経過した。「自分の身代わりになった妻に申し訳ない」という岡村さんの思いが消えることはなく、今も闘いの手を休めることはない。 「犯罪被害者の権利は、われわれあすの会がほとんど訴えて得てきたもの。決議には反対だ」 10月6日、大津市で開かれた日弁連の人権擁護大会。犯罪被害者支援の充実を目指す決議に、岡村さんをはじめ、あすの会を支援するなどしてきた弁護士が声を上げた。「犯罪被害者の刑事司法参加に日弁連は反対ばかりしてきた」(高橋正人弁護士)「決議をする資格が日弁連にあるのか」(後藤啓二弁護士)という思いからだった。 日弁連は、刑事裁判への被害者参加制度導入が決まった平成1