外国人技能実習制度に昨年11月に追加された介護職種で、監督機関「外国人技能実習機構」が初めて実習生の受け入れを認定した。第1号は中国人女性2人で、手続きが順調に進めば6月にも入国する見通しだ。日本の多くの介護施設は人手不足にあえいでおり、今後、中国や東南アジア各国からの介護実習生の受け入れが加速しそうだ。 認定は5月1日付。受け入れ窓口の監理団体で1カ月間の研修を受けた後、宮崎県延岡市の「メープルウェルフェアーサービス」が運営するグループホームと、介護付き有料老人ホームで働く。現制度では来日後1年以内に、日本語能力試験N3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)に受かれば、最長5年働ける。不合格なら帰国となる。 同社の小野真介社長(39)は「将来の中国での事業展開を見据えて受け入れた。中国事業の幹部になってほしい」と話す。 国内の介護人材不足は深刻だ。厚生労働省の推計では
群馬県南東部に位置する人口約4万2千人の地方都市、大泉町。SUBARU(スバル)をはじめ大手メーカーの工場が立地する同町は、バブル期の人手不足を機に外国人の受け入れを拡大し、現在は住民の約18%を外国人が占めている。一方、同町の生活保護受給者のうち外国人は23%と人口比率を上回る。リーマン・ショック後の景気悪化などで解雇された後、日本語能力がないため仕事につけないといったケースも多いとみられる。現地をルポした。(山口暢彦、写真も) 「日本人は優しいよ。うちの娘も大好き」。町内のブラジル料理店に入ると、来日20年という店員の女性は、ニコニコ笑いながらこう話した。 町を歩くと、南米系とおぼしき男女に何回もすれちがう。飲食店、小売店、教会…。至る所にポルトガル語の看板があり、中心部の大通りには「TATTOO(タトゥー=入れ墨)」ショップが立ち並んでいた。 同町の中小企業などが外国人労働者の受け入
周知のとおり日本の介護現場は、人材不足が顕著となり深刻な状況である。とくに、雇用状態が良好であるため、さらなる人材不足が加速化しており、介護施設ではニーズがあるものの、入居者への対応がかなわずベットを空けた状態となっているケースが珍しくない。 そこで、大きな期待が寄せられているのが外国人介護士の採用である。これまでEPA(経済連携協定:Economic Partnership Agreement)による外国人介護士受け入れ実績はあったものの少数の枠組みであった。しかし、2017年11月1日の「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)の施行によって、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加された。これによって多くの外国人介護士が日本で働く可能性が高くなる。 その意味で、日本よりも先行して介護保険制度を実施しているドイツの現場を視察することで、筆者は外国
外国人技能実習制度で来日したベトナム人男性が東京電力福島第一原発事故に伴う除染・解体作業に従事していた問題で、環境省は6日、男性の実習先だった盛岡市の建設会社が、男性に支給するはずの特殊勤務手当の大半を未払いにしていたと発表した。 同省によると、男性は2016年と17年に、ほかのベトナム人男性2人とともに、避難指示解除前の福島県川俣町で国直轄の解体作業に従事。本来は1人につき1日あたり6600円の特殊勤務手当が国から会社を通じて支給されるが、実際には1日あたり2000円程度しか受け取っていなかった。 建設会社は手当を満額支給したように装うため、賃金台帳などの書類に虚偽の記載をして同省に提出していた。 建設会社の社長は読売新聞の取材に「未払い分は、会社運営上の色々な経費に充てた」と話した。
施設での事例などが報告された 昨年11月に介護分野での外国人技能実習生の受け入れが始まったが、施設では実習生が日本の言葉や文化に対応できるか、不安を感じている。そこで、日本語教育を含めて施設に求められることを学び合う座談会が7日、都内で開かれた。主催は東京都社会福祉協議会の高齢者福祉施設協議会。 技能実習制度で入国時の要件である日本語能力試験N4レベルの留学生を受け入れた2施設が事例を報告した。 特別養護老人ホーム台東(社会福祉法人聖風会)の前島雅紀・介護主任は、留学生から付き添って教えてくれないと介護も日本語も学べない、利用者の見守りが一番の心配といった意見があったことを紹介し、「受け入れ側の立場で考えがちだが、お互いに大変だと理解する必要がある」と話した。 グループホームさんいくの家あずま(社会福祉法人賛育会)の並木実・管理者はN4レベルについて「語彙ごいの多さにより会話の理解や話す力
山谷-。住居表示にはないが、南千住駅周辺(東京都荒川区、台東区)にある日雇い労働者向けの簡易宿泊所が並ぶ街だ。もちろん一般住民も住んでいるし、観光客、特に外国人旅行者が安いホテルを利用するため訪れるようになった。 そんな山谷で、多様性を生かした街づくりを進めているのが、一般社団法人「結 YUI」だ。現在、2軒の観光客向けホテルと1軒の簡易宿泊所を運営。ホテルは外国人が多く、簡易宿泊所は「見守り型」として、社会福祉士や精神保健福祉士が支援している。 代表理事の義平真心さん(44)は、山谷は地域の人と労働者が対立しがちに見えるという。 「路上にごみを捨てて汚い」という住民と、排除されて不信感を持つ労働者。そこに外国人旅行者が来ても交流はない。距離を感じることで誤解が生じることもある。 考えたのが、住民と労働者、旅行者が交流し関係性をつくるカフェの建設だ。 運営しているホテルの1階にカフェを造り
視覚障害を持つ三菱東京UFJ銀行の田畑美智子さん(53)が、国境を超えた視覚障害者の能力開発や支援に取り組んでいる。国際NGOの世界盲人連合(WBU)アジア太平洋地域協議会会長を務め、9月にはミャンマーに赴き、東南アジア各国での支援組織作りを協議する。 田畑さんは生まれながらの弱視で、左目は色の判別しかできない。所属する「国際オペレーション統括部」は複雑な知識と語学力が要求される。視力0・01の右目とルーペを頼りに業務をこなす。 銀行勤務と並行し、WBUの活動も続ける。国連での政策提言や、視覚障害者への支援活動を巡る各国政府との折衝、会議の準備と多忙だ。銀行からの帰宅後や週末にテレビ電話会議に出席し、報告書などを作成する。
日本国内で働く人のうち、外国人の割合が2016年10月末時点で59人に1人となり、09年(112人に1人)と比べ、「外国人依存度」が約1・9倍に増えたことが、民間シンクタンク「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の試算で分かった。調査した全産業で増加し、建設業は3・8倍、卸売業・小売業は2・5倍になった。30年までの約15年間で700万人超の働き手が減るとされる中、外国人材の担う役割が重みを増している。 総務省の労働力調査と、外国人を雇う事業所から厚生労働省への届け出を基に、同社の加藤真研究員が就業者数と外国人労働者数を集計、外国人の割合を「依存度」として示した。 厚労省への届け出が義務化され産業別の外国人労働者数の集計が可能となった09年と、外国人労働者が初めて100万人を突破した16年を比較したところ、人手不足が深刻な建設業が3・8倍と最も依存度が上昇し、120人に1人が外国人労
自民党の1億総活躍推進本部(本部長・川崎二郎元厚生労働相)は11日、日系4世の受け入れや高齢者の就労機会の拡大などを盛り込んだ政府への提言書を、担当する加藤勝信大臣に提出した。少子高齢化が進む中、働き手を増やす狙いだ。 ブラジルやペルーなどの日系人は、3世までは日本国内の就労活動に制限のない在留資格を持てるが、4世は大きく制限されている。そのため日本語を学びながら働ける、4世向けのワーキングホリデー制度をつくるよう提言。在留資格の拡大も議論するよう求めている。 元気な高齢者には、「支えられる側」から社会を「支える側」に回ってもらえるよう、希望すれば70歳まで働ける場を整える。農業、地域活動への参加を促すほか、シルバー人材センターの機能強化や、公的年金の受給開始年齢の71歳以降への先延ばしも検討するよう求めている。 政府は昨年決めた「1億総活躍プラン」の実施状況を近く検証する。自民党の提言内
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政府は6日、国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、国家戦略特区法と構造改革特区法の改正案をまとめた。10日に閣議決定して国会提出する。農業分野での外国人労働者の就労解禁や、小規模認可保育所の対象年齢の拡大が柱。特区を活用した規制緩和で、人手不足の解消や働き方改革の実現を図る。 母国の大学で農学部を卒業するなど、一定水準以上の技能があることを条件に、外国人による就農を解禁する。また2020年の東京五輪・パラリンピックを念頭に、在留資格の取得条件を緩和することで、外国人が飲食業や観光業などサービス分野で働きやすい環境を整え…
群馬県内の外国人住民数(2016年12月末時点)は4万8521人で、前年比8.3%増加したことが分かった。県人口の2.4%を占める。4年連続で増え、記録が残る1985年以降では過去最多。ベトナムなどの伸びが顕著で、外国人技能実習生の増加が押し上げているとみられる。県内市町村のデータを群馬県がまとめた。国別では大泉町で多いブラジル人が1万1636人で最多。中国(7348人)、フィリピン(6679
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