発達障害のある人が社会で活躍できるよう、札幌市が支援のポイントをまとめた「虎の巻」が、インターネットで話題を集めている。「職場」「暮らし」「学校」「子育て」など5編あり、イラストをふんだんに使っていることで「わかりやすい」と評価されている。 「職場で使える『虎の巻』」は、ベーカリーに勤める「虎夫」と事務職の「巻子」が登場する。虎夫さんは自閉症、巻子さんはアスペルガー症候群とそれぞれ診断されている。 虎夫さんは先輩から「『てきとう』にクリームを塗っといて」とパンを渡されるが、あいまいな言葉が苦手。どの程度塗っていいか分からずにたくさん塗ってしまい、先輩から「あんなに塗るなんて、普通に考えてありえない」と思われてしまう。 「虎の巻」は、こうした「ギャ…
■もっと優しく、音声案内など整備を 道分からず混乱…「困った」 全国的に導入例が増えている信号機のない円形の「環状交差点(ラウンドアバウト)」。県内では平成27年3月に千葉、市原両市の3カ所で運用が始まっている。出合い頭の交通事故の減少や災害時の渋滞回避などに効果がある一方で、視覚障害者には「円形にそって横断歩道を渡るのが難しい」「地形を事前に把握していないと道を間違えやすい」との声も上がる。「千葉県視覚障害者の生活と権利を守る会(県視生会)」のメンバーとともに、千葉市稲毛区のラウンドアバウトを歩き、周辺の課題を探った。(大島悠亮) ◇ 満開の桜を散らせてしまいそうな雨に見舞われた4月初旬のある日。同会の松川正則さん(61)=船橋市、山崎裕章さん(65)=千葉市稲毛区=に加え、2月に同市美浜区内の視覚障害者にとって危ない場所を案内してくれた弱視の尾内サイさん(79)=同市美浜区=とともに京
「バリアフリーお花見ランチ」を企画した櫻井純さん(左上)、太田啓子さん(右下)と参加者ら=4日、大阪市都島区 神経系の指定難病と闘う患者2人が、大阪市内に旅行会社「櫻スタートラベル」を立ち上げた。入退院を繰り返し、将来への不安を抱えながら私費を投じてまで起業したのは、「何とか社会とつながっていたいから」。今月には大阪市内で「バリアフリーお花見ランチ」を2日間開催し、難病患者ら22人が参加。「誰もが、できることをできるうちに」楽しんでもらおうと、日々奮闘している。(石橋明日佳) 学会で意気投合 起業したのは、大阪市浪速区の櫻井純さん(29)と奈良市の太田啓子さん(42)。櫻井さんは指定難病の「慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)」を、太田さんも指定難病「シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)」を抱える。 2人が出会ったのは、昨年8月。病気について医療関係者に知ってもらおうと、難病患者仲間
「障害」って何? そんな問いかけを通して新たな気づきを促すイギリス発祥の研修がある。「障害平等研修」と呼ばれ、日本でも障害者差別解消法が昨年4月に施行されたのを契機に自治体や大学などを中心に広がっている。 ドラマの主人公の男性は「健常者」。女性に手話で話しかけられても、わからない。会社の採用面接に急ぐためにタクシーに乗ろうとしたが拒否された。すべて車いす専用だった。面接会場で渡されたのは点字の資料で読めなかった――。 このドラマは名古屋市役所で2月にあった障害平等研修の教材として上映された。男性は夢の中で、何らかの機能障害がある人ばかりの社会に迷い込んだという設定だ。障害があることが当然の社会では、「健常者」の男性は少数派となり、不自由や差別、偏見に苦しんだ。 障害平等研修に正解はない。自分で何かに気付くことが大切だ。名古屋市の研修には2日間で計70人が参加。ドラマ視聴後、参加者同士で話し
日本有数の観光地でありながら、宿泊施設の客室数が全国最下位(平成27年度)の奈良で、障害者や高齢者も安心して利用できるホテルを立ち上げようと、介護タクシーを使った旅行サポートなどを行う会社「ヒューマンヘリテージ」(奈良市)の社長、山本善徳さん(42)が計画を進めている。山本さんは「障害者の悩みを解決する仕事がしたい」と話す。 奈良市で生まれ育ち、高校2年生の時、福祉ボランティアをしていた母の影響で、ボランティアサークルに入った。「障害のある人の生活を支えているという実感があり、『こんな世界があるんだ』と感じた」と福祉活動に取り組んだ。 卒業後、障害者支援を行う「たんぽぽの家」(奈良市)でアルバイトとして働き、24歳で正職員となってからは、障害者の旅行サポートなどを行っていた。 「障害のある人の旅行はなぜこれほど大変なのだろう」。車イスでの移動、多機能トイレの有無、バリアフリーなホテル探しな
人混みの中で、白い杖をまっすぐに掲げて立ち止まる視覚障害者。「白杖(はくじょう)SOSシグナル」と呼ばれるこの独特のポーズがTwitterで話題になっています。東京新聞の記事を引用しつつ、「(このサインを)見かけたら声をかけてあげてください」「この記事をシェアするだけでだれかの『困った』を解消して助けるコトができます」と呼びかけるツイートは、現在までに5万7000回以上リツイートされています。 この「白杖SOSシグナル」はもともと福岡県盲人協会が考案したもので、視覚障害者が「今、助けてほしい」と思った時に、白杖を掲げることで周囲に助けを求めるというもの。実は40年ほど前から存在していましたが、残念ながら今のところ世間一般ではあまり知られていない、というのが実情でした。 白杖SOSシグナル(佐伯区視覚障害者の集い「白い三輪車の会」サイトより) 一方、この「白杖SOSシグナル」については以前か
■「互いに支え合う社会を」 1月の戸田市議選で初当選した、聴覚障害を持つ佐藤太信(たかのぶ)さん(36)が6日、市議会2月臨時会のため初登庁した。全日本ろうあ連盟によると、聴覚障害を持つ地方議員は全国4例目で、県内では初めて。選挙戦で「心の声が聴こえる街へ」を標語に掲げた佐藤さんは、「戸田市からのバリアフリー社会」実現に向けて一歩を踏み出した。(菅野真沙美) ◇ 「今まで体験したことのない雰囲気なので、とても緊張しました」。同日午後、佐藤さんは慌ただしい打ち合わせの合間を縫って取材に応じてくれた。 同市出身で2歳のときの高熱が原因で失聴したが、補聴器と訓練で読唇術や発声を身に着けた。県立浦和商業高校を卒業し、平成11年に東京電力に就職した。 健常者とともに生活してきたが、「友人とは耳が聞こえないことでけんかになったり、職場でも不安のある業務があったりと、決して順風満帆ではなかった」と振り返
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