「お互いさまのまちづくり」が人口減少社会を押しとどめる――。そんな信念を持って地域社会と医療現場の距離を近づけようと活動する看護師らが埼玉県草加市にいる。老若男女、誰でも駆け込んで来られるようにとグループ名は「みんなの保健室 陽(ひ)だまり」。健康とおしゃれを考えるファッションショーや昭和の歌コンサートなど、活動の幅は広い。 代表は草加市在住の看護師服部満生子さん(73)。宮城県生まれで、都内や埼玉県内の医療施設に勤務。医療大学で看護教員をした経験を持つ。2015年に退職した後、経験を地域の活動につなげたいと考えた。東大公共政策大学院で地域包括ケアシステムなど医療政策の研究も重ねた。並行して草加市立病院勤務時の元同僚らの協力を得てスタッフを集めた。 そのさなか、服部さんに転機が訪れる。乳がんになった。全摘手術を受け、抗がん剤治療を始めた。自分が患者になって初めて、医療従事者と患者の意識のギ
各務原市の蘇原第二小2年の福田こまちさん(7)=同市蘇原旭町=はこの夏休み、母かすみさん(31)と、小児がんや白血病などで髪の毛を失った子どもに人毛のかつらを寄付する「ヘアドネーション」に協力した。多くの人に知ってもらおうと、自分の経験を自由研究としてまとめた。 こまちさんがヘアドネーションを知ったのは、二〇一六年十月の中日新聞の記事「がんの子に私の髪あげる」で、美濃市の藤吉胡歩(こあ)さん(当時小学一年)が髪の毛を寄付した記事を読んだことがきっかけだった。「私も病気の子のために寄付しよう」と決意したこまちさん。お母さんにも一緒にやろうと声をかけた。かすみさんは「こんなに考えてるなんてすごいなと思って、一緒にやることにした」と振り返る。
ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)の後藤正文さんがメンバーの総意として、次のツアーから親子客へ防音用イヤーマフを貸し出す意向を公式ブログで明かしました。子どもの聴覚を守るための、温かい配慮。 公式ブログより、「アジカンからのお願い」 同バンドのライブでは、最近小学生以下の子どもを見かけることが増えていたとのこと。バンドとしては「子どもたちの参加は基本的にウェルカム」「年齢制限は設けたくない」としつつも、大音量が子どもの耳へ及ぼす影響を懸念しています。 それでも「子育て世代に仕事や育児のすきまでどうにか作った時間を楽しんでもらえる場でありたい」「子どもたちの耳を守る必要性を知ってもらいたい」という思いから、イヤーマフの貸し出しは決定されました。 ただし、これはあくまでもイヤーマフを忘れた人や、その存在を知らなかった人への対応。子どもと一緒に来場する場合は、会場の種類
日本精神保健福祉士協会(PSW協会、柏木一惠会長)は6月25日、旧優生保護法による不妊手術強制問題に関連し、被害者の掘り起こしと救済支援に取り組むよう求める文書を協会の構成員に発信した。「多くのPSWが旧法時代、この問題を看過してきたのではないか」とし、今できることをしようと呼び掛けている。 旧法は1948年に制定され96年に優生手術の規定は廃止された。日本弁護士連合会によると、精神障害などを理由に旧法下で行われた不妊手術は約2万5000件で、うち約1万6500件は本人の同意がなかった。 しかし、手術記録のない人や、手術されたのを隠したい人もいることから、被害の全体像は見えにくい。国に損害賠償を求め提訴する動きが相次ぎ、与党が救済法案の国会提出を検討していることから、同協会は「私たちがなすべきことは一人でも多くの被害者に情報を届けること」としている。 (福祉関連書籍)
最近「ブラック校則」として注目度が上がっている「置き勉禁止」。岐阜市立岐阜小学校の保護者が、校則を変えるため荷物の重量調査をしてほしいと学校に掛け合ったところ、校長が調査を待たずに「置き勉自由化」を即決した対応に称賛が集まっています。 保護者の久津輪さんが「置き勉自由化」を提案するため学校に提出した資料 自由化を提案したのは、小学4年生の娘さんを持つ久津輪 雅さん。久津輪さんは、ある日娘さんの「授業科目が多い日は重くて大変」という言葉を耳にし、荷物の重さを測定してみました。すると、娘さんの体重が24kgであるのに対し、荷物の重さは6kg(体重の25%)もあることに気付きました。 久津輪さんはまず、PTAの役員仲間にメールで他の家庭の意見も聞いてみることにしました。すると「重すぎる」という意見が多数。また、授業参観日の懇談会で話題にしてみたところ、「忘れ物をしたくないので、全部詰めて通ったほ
子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」について、日本産科婦人科学会は23日、接種の積極的な勧奨を早期に再開するよう求める声明を発表した。勧奨の中止から5年が過ぎ、国内外でワクチンの有効性と安全性を示す科学的な根拠が多く示されたとして、科学的な視点で議論するよう求めた。 記者会見で藤井知行理事長は「ほかのワクチンに比べて危険性が高いということはない。しかも、女性の命や妊娠に関わるがんを防げる。勧奨の再開については科学的に考えてほしい」と話した。 HPVワクチンは2010年11月、公費助成が始まり、13年4月に定期接種になった。だが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、厚生労働省は6月、対象者に通知を出して接種を促す「積極的な勧奨」を中止。16年には、被害を訴える人たちが国と製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟を起こした。
優生保護法(1948~96年)の前身で、ナチス・ドイツの断種法をモデルにした国民優生法(40~48年)の法制化を積極的に進めた日本民族衛生学会(現・日本健康学会、渡辺知保理事長)が、法案作成への関与やその後の対応について検証を始めた。年内をめどに資料などの調査を終え、見解をまとめる。「優生」に関わった国内の学会のうち、自らの関与を検証する試みは初めて。他の学会にも影響を与えそうだ。(社会面に「科学の名の下に」) 民族衛生学会は30年、東京帝国大教授で生理学者の永井潜氏を中心に創設。世俗的な優生思想を学問的な優生学に高めることを目指し、「遺伝性疾患」を不妊手術の対象とする断種法の制定運動も展開した。議員提案された法案を起草し、障害者らを対象にした不妊手術を推進する国民優生法の成立につながった。
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6月の「結婚式」を楽しみに、闘病を続ける梶原さん=熊本県阿蘇市で2018年5月21日午後5時42分、佐野格撮影 来月、手作りの結婚式 2016年4月の熊本地震で被災し、熊本県南阿蘇村の仮設住宅に暮らしながら乳がんと闘う主婦、梶原瑠美子さん(33)を支援しようと、長男が通学する小学校の保護者らが募金活動を始めた。結婚式を開かず、ウエディングドレスも着ていない梶原さんのために、寄付を活用してカメラマンやドレスを手配し、村内で6月8日に手作りの結婚式を計画している。 梶原さんは、地震後の16年9月、美容師の夫豊三さん(38)と長男蒼佑(そうすけ)さん(6)、次男琉心(りゅうしん)ちゃん(4)、三男碧志(あおし)ちゃん(2)の家族5人で仮設住宅に入った。入居前の16年6月に右胸にしこりを感じたが、産科で母乳のつまりとされるなどした。その後は避難生活と子育てに追われ、自分のことは後回しになった。
「ホスピスという響きは死のイメージが強いから、『こどもホスピス』という名称はやめた方が良いのではないかということを何度か言われました。でも、ホスピスの語源は巡礼者が疲れから回復する場所。子どもとその親にとって『第二の家』のように安らげる楽しい場所をつくり、イメージを変えていこうと思いました」(NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト代表理事、田川尚登さん) ◇ コラム「がん 当事者のことばから」26歳でがんになり、2度の再発も経験した朝日新聞記者の上野創(46)のコラム「当事者のことばから」。これまでに出会った、様々な患者やその家族らの言葉を紹介してつづります。 約3カ月前の2月11日、横浜で「第1回、全国こどもホスピスサミット」が開かれました。(記事はこちら https://www.asahi.com/articles/ASL2D2DB7L2DUBQU001.html)。医療者を
愛知県調理師会(名古屋市)は6月から、子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」の運営に乗り出す。子ども食堂の運営主体は、ボランティア中心からNPOや社会福祉法人などに幅が広がっているが、同会などによると「食のプロ」の集団である調理師会の参入は全国でも例がない。培った技と知識を生かして食文化や料理の楽しさも伝えていく考えだ。 計画では、調理師会員の「ニチエイ調理専門学校」(同市中区)内にあるレストランフロアを再現した実習室で月一回、土曜日に地元の小学生-高校生ら四十人ほどを招いて夕食を振る舞う。参加対象を貧困家庭の子どもに限定せず、両親が共働きで一人で食事をする子どもにも広げる方針。 会には県内の調理師七百人が所属し、和、洋、中の有名料理人がコース料理を提供。テーブルマナー講座も同時開催する。礒村義安会長(77)は「おいしく、楽しく食事をしてもらいながら、食の文化的な価値を感じてほし
社会問題について発信するWebメディアを運営するチャリツモ(東京都荒川区)は4月23日、数字とイラストで社会問題を伝えるかるたのクラウドファンディングを「Ready for」で開始した。目標金額は100万円で期限は6月7日。 LGBTやシングルマザーの貧困、40代以上の引きこもりなど、さまざまな社会問題を扱う。表面は数字とイラストで構成し、裏面に説明文を記載する。 例えば、「あいしてる ただそれだけを いいたくて どうしてこんなに むずかしいんだろう」(LGBT)、「いくつもの しごとかけもち せわしない よういくひもなく そだてるははよ」(シングルマザーの貧困)、「つきひたち ますますそとに でられない そろそろあたらしい ゲームほしいな」(40代以上の引きこもり)──といった具合だ。 チャリツモによると、イラストやデザインは自前で用意できるが、3000セットのかるたを作る印刷費が100
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