刑務所を出所した人など、生きにくさを抱えた障害者を支える福祉・司法関係者がこのほど、連携の輪を広げるための一般社団法人を立ち上げた。支援者が問題を抱えて孤立しないよう事例検討会や研修会を開く。 発足したのは「生きにくさを抱えた障害者等の支援者ネットワーク」。代表理事には石川恒・障害者支援施設かりいほ(栃木県)が就いた。顧問は炭谷茂・済生会理事長(東京都)、清水義悳・更生保護法人清心寮理事長(さいたま市)が務める。
アートは社会を変えられる。ヤンキー、死刑囚、障害者などアウトサイダー・アーティストに光を当てる専門ギャラリー「クシノテラス」が目指すもの 2016.10.13 クラウドファンディングのその後 クラウドファンディングのその後 TanakaTerumi TanakaTerumi 瀬戸内海に面した広島県福山市。観光名所の「ばら公園」から歩いてすぐ、6階建てのビルに、アウトサイダー・アートを専門に展示販売する「クシノテラス」があります。アウトサイダー・アートとは、障害者や犯罪者、幻視者など正規の美術教育を受けないつくり手が自己流に表現した作品群のことです。 「未だ世の中から正当な評価を受けていない表現を紹介していきます。気に入った作品は購入することもできますよ」と語るのは、オーナーの櫛野展正さん。 櫛野さんは2012年から「鞆の津ミュージアム」(広島県福山市)で、社会の周縁で表現を続ける人たちに焦
「刑務所に戻りたかった」と、JR下関駅(山口県下関市)に放火した男性(84)は8月に刑期を終え、福岡県内の施設で暮らしている。司法と福祉が連携して支えることで「もう刑務所には戻りたくない。好きな人に囲まれて最期を迎えたい」と笑顔も見せる。社会に居場所がないために罪を重ねる「累犯障害者・高齢者」の問題を浮き彫りにした事件から10年、男性の笑顔は罪と更生の在り方を問うている。 男性は74歳だった2006年1月7日未明、下関駅に放火して焼失させた。被害額は5億円以上で、懲役10年の判決を受けた。判決は「軽度知的障害で、かつ高齢でありながら、刑務所を出所後、格別の支援を受けることもなかった」と指摘した。 当時、男性は放火の前科が10件あり、22歳以降の40年以上を刑務所で過ごしていた。過去の裁判で6回も知的障害などを認められたが、一度も障害福祉サービスにはつながらなかった。 下関駅の事件は、
公判で弁護側「心神喪失」 交通事故の後遺症で「高次脳機能障害」を負った後、窃盗を繰り返すようになった東京都内の女性(37)が、常習累犯窃盗罪に問われて起訴された。東京地裁の公判で弁護側は障害の影響で記憶力の低下や欲求を抑制できない「心神喪失状態」だったと主張し、「介護や見守りなど福祉的支援が必要」と訴えている。外見からは分かりづらく「見えない障害」とも呼ばれる同障害の責任能力が法廷で争われたケースは少なく、地裁の判断が注目される。【蒔田備憲】 起訴状などによると、女性は今年4月20日夜、都内の書店で書籍2点を盗んだとされる。過去に窃盗を繰り返しており、常習累犯窃盗が適用された。
厚生労働省は都道府県などに対し、心神喪失といった刑事責任を問えない状態で殺人や放火などの重大な他害行為を行った人が対象となる「医療観察法」の診療方針や療養費用の留意事項について、市町村の関係者や関係団体に周知するよう通知した。今月から療養費用の算定方法の一部改正が適用されたことを踏まえ、厚労省は算定方法などの留意事項に関する通知の一部を改めた。【新井哉】 【関連記事】 スピード解説!報酬改定【精神・認知症】(2016/02/18) 後回しにしがちな医療者のセルフケア(2015/12/02) 本気の対策、きっかけは職員の自殺未遂(2015/12/01) 総合病院の精神患者受け入れ、報酬で推進へ(2015/10/27) I・II群の精神病床、保護入院を評価へ(2015/10/26) 自殺未遂者の救急搬送、地域連携で減らせ!(2014/07/27) 精神科救急医らプロ集団、被災地に迅速展開(20
知的障害などを抱え、犯罪を繰り返してしまう「累犯障害者」を地域で支えようと、弁護士と社会福祉士が手を組む試みが動き出している。福祉的なケアをまとめた「更生支援計画」を裁判所が認め、刑が軽くなった例もある。「ただ刑務所に入れるのではなく、背景に障害があることを理解して関わらなければ解決しない」と関係者は話す。 「刑務所には絶対に戻りたくない」。川崎市にある知的障害者のためのグループホームで、男性(40)は暮らしている。知能指数(IQ)は49。厚生労働省によると、70以下は知的障害とされる。前科・前歴は20を数え、実刑判決を6回受けた。「お酒を飲むと気が大きくなってしまう」。幼いころに両親に捨てられ、児童養護施設で育った。成人になってからは、ほとんどの時間を刑務所で過ごしてきたという。 徳田暁弁護士=横浜弁護士会=が5年前に担当になり、知的障害と犯罪の関係に着目。社会福祉士に相談し、精神鑑定を
横浜弁護士会と県社会福祉士会が知的障害や発達障害のある容疑者や被告に対する弁護活動のサポートに乗り出す。障害者が取り調べを受ける際、状況説明がうまくできないケースもあるが、障害者支援の専門職である社会福祉士の協力を得ることで、障害者と弁護士のコミュニケーションを円滑化する。東京、大阪でも同様の取り組みが進んでおり、「障害者の更生支援にも役立てたい」(同弁護士会の徳田暁弁護士)と話している。(川上朝栄) ◇ 先月上旬に、両団体が協定を締結した。 弁護士が被告や容疑者に接見し、障害者である可能性を認知し、福祉的支援が必要と判断した場合、県社会福祉士会からの派遣を受け入れる。 社会福祉士は弁護士と接見に同行したり、公判の際に証人として出廷することもある。犯罪を繰り返す障害者の更生計画策定にも役立てる方針だ。 規則正しい生活を促す取り組みなど、罪を犯した障害者に対する支援としては、これまで刑期中や
知的障害や発達障害などがある容疑者や被告の弁護活動が円滑に進むよう、横浜弁護士会と県社会福祉士会が、こうした障害者の刑事裁判に際して情報を共有する協定を結んだ。今月から取り組み、障害者の更生を支援するため協力して弁護に当たる。(鬼頭朋子) 同弁護士会によると、知的障害などがある容疑者や被告は、取り調べの時に事情をうまく説明できなかったり、必要な否認が出来なかったりし、量刑が重くなる可能性があるという。刑務所を出所してからも、必要な生活支援が受けられず、経済的問題や人間関係のトラブルなどをきっかけに軽度な犯罪を繰り返すケースがみられるという。 協定では、弁護士が被告らの様子などから福祉的支援が必要だと判断した場合、同福祉士会に依頼し社会福祉士の派遣を受ける。弁護士は本人の同意を得た上で、障害者手帳の有無や家族構成、事件の概要など具体的な情報を開示。社会福祉士は接見にも同行し、障害の影響を弁護
法務省が高齢者・障害者の出所者を受け入れる更生保護施設の福祉スタッフを倍増するなど体制強化を検討していることが26日、分かった。更生保護施設の稼働率向上を柱の一つとして、政府が目標とする出所者2千人分の居場所創出を目指す。東京五輪までに再犯防止を進め、「世界一安全な日本」を国際社会にアピールする狙いだ。 政府は昨年12月、東京五輪が開催される5年後までに居場所のない出所者を全体の3割(約2千人)減らす目標を決定した。居場所がないまま釈放された出所者が再犯に至るまでの期間が短いためだ。平成21年の犯罪白書によると、約6割が出所後1年たたずに再び犯罪に手を染めている。 これを受け法務省は、高齢者や身体障害者、知的障害者などを受け入れ、社会福祉士などの資格を持つ福祉スタッフを配置する「指定更生保護施設」を現在の57施設から全国の全更生保護施設(103施設)にほぼ倍増する財源を28年度予算で概算要
前科28犯と聞けば、どんな凶悪犯を思い浮かべるだろうか。 更生保護施設「雲仙・虹」(長崎県雲仙市)が平成23(2011)年に受け入れた60代の男性。刑務所を出所するたびに食料品などの万引を28回繰り返していた。「社会に出るのが怖い」という動機だったという。 男性は軽度の知的障害がある「累犯障害者」。軽微な犯罪だからこそ、1回当たりの刑期は短い。「罪ではなく人を見て、対等に向き合おう」。前田康弘施設長(59)は決意した。 更生保護施設は、法務省の機関である保護観察所から、刑務所を出た元受刑者や、保護観察付き執行猶予判決を受けた元被告の保護を委託されている。原則半年の入所期間中に自立に向けた準備をする。 雲仙・虹は全国103カ所のうち唯一、社会福祉法人が作った更生保護施設だ。運営するのは「南高愛隣会」。約20人の入所者は、退所後も51事業所の福祉サービスを受けられる利点がある。男性もそうめん工
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