近年、日本でも格差の拡大が問題となっていますが、その格差をエリートたちはどのように捉えているのでしょうか? 本書は、そんな疑問をエリートに対するサーベイ調査を通じて明らかにしようとしたものになります。 このエリートに対する調査に関しては、1980年に三宅一郎・綿貫譲治・嶋澄元の3人が実施し、分析から蒲島郁夫が加わった「エリートの平等観」調査という先行する調査があり、今回の調査(2018−19年調査)はそれを引き継ぎながら比較も試みています。 1980年と現在では個人情報に対する意識が違いますし、また当人の「エリートとしての自負」のようなものも違うはずで、調査票の回収にはかなり苦労したようですが、現在に日本の平等観を考える上で興味深い知見がいくつも示されています。 目次は以下の通り 序[竹中佳彦] 第Ⅰ部 平等をめぐる理論と文脈 第1章 平等をめぐる理論と文脈[竹中佳彦・近藤康史・濱本真輔]