トラフィックが増えると,ISPは二つの面でコストをかけなければならなくなる。一つは自らのネットワーク設備の増強にかかるコスト。もう一つは,他のISPとつなぐ帯域を広げるためのコストである。 ISPのインターネット接続形態は大別して2通りある。上位ISPからルートを買う「トランジット」と,ISP同士が個別に相互接続する「ピアリング」である(図4)。 トランジットは,インターネット上の各ISPとユーザーの間のトラフィックを中継するインターネット接続サービス。一つのISPは上位のISPが提供するトランジット・サービスを利用すると,インターネット上の他のISPに接続したことになる。ただし,トラフィックが増えるほどトランジットのための費用は増えていく。一方のピアリングは,ISPが自らほかのISPへのルートを確保する形態で,多くの場合,相互接続に料金はかからない。 ISPの立場によって苦しさは違う 実