日本はゲーム産業でトップに立ち続けている。だが、その裏側では日本から多くの資金や人材が海外に移っているという。そんな弱体化しつつある日本のゲーム産業に目をつけたのが、中国企業だ。 2023年9月、過酷な日本の残暑をものともせず、幕張メッセには25万人が詰めかけた。彼らのお目当ては「東京ゲームショウ2023」だ。 参加者たちは発売前のビデオゲームを先行プレイするチャンスに群がり、業界関係者は新作ゲームの売り込みやゲームの販売仲介に望みをかけていた。 エントランスを抜けると、たちまち過剰な刺激にあふれた別世界が広がった。数万人の観客の声、それに負けじとビデオゲームの予告編を告げるティンパニロールがぶつかり合う。開場からわずか10分で早くも定員を超え、待機列が締め切られたゲームの展示ブースもあった。 この手のビデオゲームの祭典に参加していること自体が奇妙でもあった。それは、東京ゲームショウがいま