父親による姉弟への悪魔のような性虐待と精神支配の末、弟は自ら命を絶った。亡くなった弟のため、そして自分のために立ち上がった塚原たえさん(51)は実名告発を決心。性暴力の実情を長年取材するジャーナリストの秋山千佳氏が徹底取材した。 【写真】父親の性虐待について覚悟の実名告発を行った塚原たえさん(51) ◆◆◆ 2021年10月。塚原たえ(51)は、知人にいない「中村」姓の人物からの手紙を受け取った。相手の住所にも見覚えがない。 封を開けると、1枚の便箋が出てきた。 ◆ 前略 元気でいる事と思います 私も終活の年となり子供の相続意志確認したく 連絡をとりたいと思います 人でなしの親のせいで貧乏し皆気が狂ってしまいました 皆深い傷を負いました よく生きていてくれたと思います ◆ 20年以上連絡を絶ってきた実の父親(73)からだった。なぜ今の住所がわかったのか。混乱、恐怖、怒り……体の震えが止まら