ドル/円相場の続落を受け、円安局面の終焉を唱える声が強まっている。購買力平価(PPP)を見ても、消費者物価指数(CPI)ベースのPPPは108円と、実勢相場が過剰な円安だとする見方も根強い。 もっとも、PPPを反映した水準にまで円高が進むためには、円安による輸出数量の増加と、それに伴う貿易黒字の拡大、そして実需の円買いが不可欠だが、円安による輸出数量の増加という経路は機能していない。 日本のデフレが終わったのであれば、PPPも円安・ドル高方向に修正される可能性がある。「実勢相場が過剰に円安なのではなく、PPPが過剰に円高だった」との視点を無視するべきではない。 (唐鎌 大輔:みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト) PPPで見ると、足もとは過剰な円安 ドル/円相場の続落を受けて、円安局面の終焉を囃し立てる声が大きくなりつつある。 過去のコラムでも言及したことはあると思うが、米連邦準備理事