日本航空産業の復活を期待され、希望に満ちたMRJの開発開始から10年、トラブルに次ぐトラブル、遅延に次ぐ遅延。いったい何があったのか。三菱重工業単体のプロジェクト管理がもちろん最大の問題だが、そのような管理を行った背景、根底には、日本の航空機産業自体の構造的な問題が横たわっているのではないか。航空・宇宙ジャーナリストの松浦晋也氏が、識者から“深層”を掘り起こす。 危なくても「空飛ぶ自動車」を作れる国であれ 「新しいものは怖い」と官僚の「利権が欲しい」が手を取り合って形成してきた日本の社会制度では、新技術を前に進めるために必須の、多種多様かつ急速な試行錯誤を行うことができない――これがオシコシでの見聞で感じた、最大の焦燥感で… 2018.10.12 オシコシで見た、未来はEVよりも電動飛行機? おそらく、いくらコンソーシアムを立ち上げ、いつものように審議会を開催し、補助金でナショナルプロジェ