「やさしそう」 この5文字がどれだけの男女を傷つけてきただろうか。 初対面なのに、値踏みされ、コメントに窮した相手に、ひねりだされるこの5文字。 私自身の人生を振り返っても、小さい頃は親の知人、最近になっても彼女や妻の知人に言われ続けてきた。 「やさしそう」 そもそも、やさしくないしと言う言葉を飲み込み、愛想笑いでかわし続け、愛想笑いがこびり付いて35年。そんな非イケメン、非美女にとって待ちに待った一冊が本書だ。 タイトル通り、ほとんどすべての人の利害に関わる美醜に経済学で切り込んでいる。誰にも覚えがあるだろう。美形は得をしているし、美形はひいきされると。ミクロ経済学者の著者は、美形とブサイクでは収入にいくらの差がつくのか、それは一体誰のせいなのかに迫る。 恐ろしいことにブサイクだと十人並みの人に比べて一生で14万ドル稼ぎが少なくなるらしい。ブサイクだといわれ、心をえぐられるだけでなく、ブ