ウクライナ侵攻以来、西側諸国はロシアを厳しく糾弾しているが、欧米にも他国を侵略してきた帝国主義の歴史がある。そんな欧米の「欺瞞」を、米ワシントン大学の歴史学者ジョン・ムンホ教授が、太平洋戦争中の日米関係から分析する。 アメリカに忠誠を誓った日系アメリカ人 1941年、日本軍による真珠湾攻撃について知ったカール・ヨネダは、行動を起こそうと決意した。彼は日系アメリカ人の新聞社を代表し、フランクリン・ルーズベルト大統領宛ての電報を即座に起草した。 「民主主義国家の勝利を確かにするため、あらゆる取り組みに全面的に協力する」と伝え、「日本の悪辣な軍事的ファシスト」との戦いに参加する気だった。 しかし、その電報をヨネダが打つ前に、FBIの捜査官は彼の家を取り囲んで彼を逮捕してしまった。ヨネダは共産主義者であり、労働運動を率いていた。FBIは、さらにその人種的背景から、彼が「日本政府の秘密工作員」であろ