中国の船が浚渫(しゅんせつ)作業を進めるスプラトリー諸島のミスチーフ礁(2015年3月16日撮影)。(c)AFP/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe〔AFPBB News〕 今回と次回は、カルピオ判事が指摘した「南シナ海の歴史問題」と「南シナ海において中国の行動をいかにすれば止められるのか」という専門家の議論についてさらにご紹介したいと思います。 国連海洋法条約では「歴史的事実」は無意味 中国はこれまで南シナ海について言及する際に、中国の過去の歴史を持ち出して、中国の領有権を主張してきました。例えば、2014年5月のシンガポールにおける「シャングリラ対話」(アジア安全保障会議)において、中国人民解放軍の王冠中・副総参謀長が「中国は漢の時代に早くも南シナ海、特に南沙諸島や関連海域の管理を始め、徐々に完備していった。漢