「韓国ケミ号」がイラン革命防衛隊に拿捕された事件以降、韓国の2つの銀行に凍結されているイランの原油代金約70億ドルと、韓国の銀行に預けられているイランのメラット銀行の支払準備金約20億ドルに注目が集まっている。 米国のトランプ政権による対イラン制裁で、各国の金融機関に凍結されたイランの原油決済代金の中で、韓国に足止めされている金額が最も大きい。日本に凍結されたイラン資金は15億ドル規模だとロイター通信は報じた。中国内のイラン原油決済資金は200億ドルという報道もあるが、中国はイラン産原油を輸入し続け、貿易も行っているため、凍結状態の韓国とは状況が異なる。 なぜ韓国にはこれほど多くのイランの資金が凍結されているのか。逆説的に、米国の制裁以前にイランと韓国の貿易が非常に活発だったためだ。特に、イランの対アジア政策において、韓国は重要な位置にあった。1979年のイスラム革命以降、米国と対立するよ
イランで韓国に対する非難が広がっている。米国の制裁に沿って国内のイラン資産を凍結したままの韓国政府が、新型コロナウイルス対策としてマスク2千枚をイランに寄付したとアピールしたことが理由。市民からは「マスクは既に十分ある。それより金を返せ」と怒りの声が上がる。 韓国で凍結されているのは約70億ドル(約7900億円)相当のイラン資産。イラン政府は4月、テヘランを訪問した韓国の丁世均首相(当時)に早期の凍結解除を求めたが、問題は未解決。 そうした中で在イラン韓国大使館は10月下旬「新型コロナと闘うイラン国民を助けるためにマスクを病院に寄付した」とツイッターに投稿した。これに市民が一斉に反発。「マスクを与える一方で、資産を凍結するのがうれしいのか」などと書き込みが相次いだ。(共同)
[ベイルート 13日 ロイター] - レバノンの政治家や銀行関係者は、サウジアラビアが、カタールにしたことと同じことを自分たちの国にもするつもりだと考えている。つまりそれは、自国の要求が通らない限り、アラブの同盟諸国を使って経済封鎖の包囲網を敷く、ということだ。 11月13日、レバノンの政治家や銀行関係者は、サウジアラビアが、カタールにしたことと同じことを自分たちの国にもするつもりだと考えている。写真は突然、サウジで首相辞任を表明したレバノンのハリリ氏。レバノン首都ベイルートで12日撮影(2017年 ロイター/Jamal Saidi) 世界最大の液化天然ガス輸出国であり、人口わずか30万人のカタールとは異なり、レバノンにはそれを切り抜けるための天然資源も財源もなく、同国の国民は心配している。 レバノン人最大40万人が湾岸地域で働いており、彼らによる自国への送金は年間で推定70億─80億ドル
ベイルート(CNN) レバノンのハリリ首相が訪問先のサウジアラビアで突然辞任を表明した件に関連し、レバノン政府は、サウジ側がハリリ氏の行動や通信を制限しているとみていることが11日までに分かった。高位閣僚筋がCNNに明かした。 ハリリ氏はレバノン政府に「自分の考えを自由に伝えていない」状態で、通常はサウジの国益と足並みをそろえるハリリ氏の政治勢力も「何が起きているのか分かってない」という。 ハリリ氏は4日、サウジ首都リヤドからのテレビ演説で辞任を表明。これを受け今週、サウジがハリル氏自身の意に反して同氏を拘束しているのではないかとの臆測が広がっていた。 一方、サウジはハリリ氏の辞任を強制したり、同氏を自宅軟禁下に置いたりしていることを否定。ハリリ氏はレバノンとサウジの2重国籍を保有しており、リヤドに住宅を所有している。 ハリリ氏の事務所は10日、同氏の所在をめぐり疑問が提起されたことを受け
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアイランカタル 公開日:2017/06/09 6月7日にテヘランで国会議事堂とイマーム・ホメイニー廟に対する襲撃事件が発生した件につき、イラン国内ではサウジアラビアへの批判が高まっている(襲撃事件については「イスラーム過激派:テヘランでの襲撃事件」『中東かわら版』No.50(2017年6月8日))。 イランの革命防衛隊は、「このテロ攻撃が米国の大統領と後方の指導者(サウジ)とが会談したわずか1週間後」に起きており、「彼らが残忍な攻撃に関与していることを示している」との声明を発出し、報復を行うことを誓った。また、イランのザリーフ外相はTwitter上で、「テロを支援する独裁者は我々の本土に戦いを持ち込むと脅迫している」と述べ、事件の背後にサウジがいると暗に示唆した。 こうしたサウジへの疑惑は、事件前日の6月6日、パリ訪問中だったサウジのジュベイル外相
5月21日にサウジアラビアで開催されたアラブ・イスラム・アメリカ・サミット(右2人目から、サウジのサルマン国王、トランプ、アブダビのムハンマド皇太子、カタールのタミム首長) Jonathan Ernst- REUTERS2 <サウジアラビアなど6カ国が突然カタールとの国交断絶を発表。小さなカタールがここまで目の敵にされる背景にはテロ支援などの他に、父を退けて首長の座を奪ったり、女性が自由に運転できる文化など、湾岸諸国の体制を危うくしかねない要素があるからだ> 2017年のドーハは、1914年のサラエボのようになるのだろうか? セルビア人青年がオーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者を暗殺したサラエボ事件は、第一次大戦の引き金になった。今、万一衝突が起きるとすれば、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を中心とした中東諸国対イランという構図だ。アメリカは、戦争を食い止めるために一刻も早く
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルエジプトバハレーンイエメンオマーンリビアイラントルコクウェイト 公開日:2017/06/06 6月5日にサウジアラビア、UAE、バハレーン、エジプトの4カ国がカタルとの外交関係を断絶したことを受け、周辺国は様々な動きを見せている(4カ国の外交関係断絶は「カタル:サウジ、UAE、バハレーン、エジプトが外交関係を断絶」『中東かわら版』No.45(2017年6月5日))。 サウジ等4カ国に続き、イエメン、モルディブ、モーリシャスの3カ国、そして東西に分裂するリビアでは東部政府がカタルとの外交関係断絶を発表した。また、カタルと外交関係のないイスラエルでは、リーバーマン国防相が「これがテロとの戦いにおける多くの協同の可能性を開くものであることは疑いない」と述べ、事態をイスラエルの国益に適うものと見なしていることを明らかにした。
サウジとその緊密な同盟諸国はカタールと断交し、カタールがテロ組織を支援してイランに融和的になっていると非難した。世界の石油供給の20%を占める地域であっという間に、長く尾を引く敵対の構図が出来上がってしまった。 サウジとカタールの関係は常に緊迫化の火種を抱えていたが、今回の外交関係断絶に至った直接のきっかけは、カタールの国営メディアがいったん伝えた後、公式に否定されたタミム首長の発言だった。報道によると、タミム氏は中東でイランが果たす役割に支持を表明し、トランプ氏を弱虫呼ばわりした。これについてクウェートが仲裁に動いた甲斐もなく、サウジとアラブ首長国連邦(UAE)など同盟3カ国はカタールに対する事実上の経済封鎖を宣言した。 カタールはこれまで頻繁にサウジの鼻を明かしてきた。湾岸協力会議(GCC)で他の加盟国が賛同しない理念を支持するような態度はその最たる例だ。サウジがエジプトのシシ政権を支
米・イラン対立の激化 2017年02月06日 10:37 アメリカの外交政策イラン 米国とイランの対立が激化いていることは周知の事実ですが、本日のアラビア語メディアも、両者の言葉がますます激しくなりつつあることを報じています。 言葉の戦争であるうちは、まだ良いのですが、このような状況が続けば、何らかの過誤で両者間の軍事衝突も起きかねません。 また、米副大統領がイランに対して警告した中で、イランの核合意について、米政府は再検討をしており(大統領と自分は、「悪い合意」だと思っていると付言)、数日中にも大統領が新しい決定をする可能性があると述べていて、これまでのトランプのやり方から見ても、核合意について「過激な決定」をする可能性があり、まさに要注意です。 アラビア語メディから取りまとめたところ次の通り ・米・イラン間の言葉の攻撃はますます激しくなっており、イランの関係者がイスラエルとバハレンの米
Michael T. Flynn, left, the national security adviser, before boarding Air Force One on Friday. He accompanied President Trump and Japan’s prime minister, Shinzo Abe, on a visit to Mar-a-Lago, Mr. Trump’s club in Palm Beach, Fla.Credit...Al Drago/The New York Times Over the weekend, The Times published this investigation into the agency that Michael T. Flynn was leading before he stepped down. Rea
ロシア停戦監視団のバルダ入域阻止?(シリア) 2017年01月05日 16:56 シリアロシア ロシアとトルコが共同して、停戦監視っをする合意については朝方報告し、その際イランの立場について問題を提起しておきましたが、早速この問題を象徴する事件が起きました。 事件としてはロシア監視団のバルダ入域をヒズボッラーが阻止したというものの様ですが、ロシア系のスプートニク通信が、ロシア軍権威筋の話として、この話を否定したと報じているとのことで、そもそも事実関係からして、どちらが正しいのか不明な話ですが、シリアと言わず、イエメンと言わず、今後とも中東ではこの種怪しげな話が絶えないことだろうと思います。 仮に、ヒズボッラーが阻止したことが事実であったと仮定した場合、ロシアがスプートニク通信でこれを否定したのは何故なのでしょうか? 矢張り、イランとその手先のヒズボッラーとの対立をあまり公にはしたくないとい
バハレン内務省のイラン非難 2017年01月03日 15:37 イランバハレン 先日バハレン南部の刑務所が襲撃され、テロ容疑で服役中の囚人10名が逃走した事件が起きましたが、案の定というべきか、バハレン内務省はそのネットで、イランのテロ支援の証拠だと非難したとのことです、 aljazeera net は、イランが資金を出し、イラクのカルバラから放送されている、ahl al beit 放送が「逃走は成功した」と報じたのは、イランがこのテロ事件に直接関与した証拠で、イランはバハレンの内政に干渉していると非難した由。 http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/1/2/البحرين-تتهم-إيران-بدعم-الأعمال-الإرهابية イランがバハレンに対する領有権主張をしていて、バハレンはしょっちゅう、イランがその情報機関やテロ組織を使っ
湾岸でのサウディ海軍の訓練(イランの警告) 2016年10月06日 20:42 イランサウジアラビア これまで湾岸(ぺルシャ湾のことだが、イランはペルシャ湾と称し、アラブ諸国はアラビア湾と呼ぶことに固執し、ややかしいので湾岸とすることが一般的)で海軍同士の問題が生じるのは、米海軍に対してイランの、特に革命防衛隊海上部隊との間ででしたが、今度はイランとサウディの間です。 サウディは4日から湾岸からホルムズ海峡、オマーン湾にかけて、その東方艦隊(おそらく湾岸地域の艦隊の名前と思う。サウディはこのほか海軍を紅海地域に維持している)の「最大規模」の演習(湾岸の盾No1と称する)を始めていますが、イラン革命防衛隊は声明を発し、このような行動は地域の安定を害する挑発的な行動であるとして、これを強く非難して、イランの領海に入ったり、これの意脅威を与える場合には、断固たる行動をとると警告したとのことです。
イラク情勢(トルコとイラクの対立等) 2016年10月05日 21:26 イラクIS イラクでは何度かお伝えしているように、モースル解放作戦が間近のようですが、相変わらずトルコとイラクの間でのもめ事が続き、また有志連合軍の誤爆で地元民兵が死傷する等混乱が続いています。 断片的ですが、アラビア語メディア等から取りまとめたところ次の通り ・イラクとトルコは、それぞれの大使を召還して、、トルコ兵のイラク駐留に関して、抗議をやりあった(この話は新しい話ではなく、モースル近郊のbashiqa 基地でトルコ軍がペッシュメルガを訓練していることについて、過去何度か両国間で、イラクの主権侵害とかイラクまたはクルド政府との合意に基づくものだ、等のやり取りがあったことは何度か報告している)。 直接のきっかけは、トルコ議会がトルコ軍がシリア及びイラク(要するにトルコの外部で)軍事行動を行う権限をもう1年延長した
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Analysis of global strategic issues, including nuclear non-proliferation, from Survival – the IISS journal of politics and strategy.
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