「鉄とコンクリート」で固めた安全保障 前略 皆様には、穏やかな春の日をお過ごしのことと拝察します。 「私たちは、自分たちが選んだ歴史的な道をともに歩んでいる」 3月21日、プーチン大統領は、大統領選挙後の国民に宛てた声明でこう述べました。 国民は、「プーチンの戦争」に反対せず、プーチンに投票さえしておけば、その限りにおいて自由で、安定した日常が続くだろうと信じています。 オープンでリベラルな考えを持つ人々も含めて、大多数の国民は、自分たちが生きるロシアという国の現実を世界中の誰よりもよく知っています。彼らにとり、他に選択肢はありません。かくして「プーチンの戦争」は「ロシアの戦争」になりました。 他方、3月22日にモスクワ郊外のクロッカス・シティで起きたイスラム国による銃乱射テロは、プーチン大統領の威信を貶め、モスクワ市民の平安を不安に変えました。 それでも彼には、外敵の脅威を利用して統制を