はい、ご要望が多かったものですから。13分で視聴できます。 動画全体は90分近くになるのですが(記者からの質問が途絶えるまで続けたもので)、これもご要望が多そうだったら、いつでもアップします。 記者会見後も、いろんなメディアにこの問題が登場していますね。順次紹介しますが、まずは、「毎日新聞」の2面右肩の山田孝男さんのコラム「風知草」です。この全体が私の本の論評になっているのですね。「国防リアリズム元年」と題されていますが、国防がリアリズムをもって議論されるきっかけになってほしいと願っていたので、ありがたい論評でした。
政治学者のスティーブン・ウォルト氏(ハーバード大学)が、興味深いエッセーを外交専門誌「フォーリン・ポリシー」に寄稿している。タイトルは「リアリストの世界だったなら、どうなっていたか」である。 リアリスト(現実主義者)とは、国際関係をパワーと利益から読み解く学派の総称だ。その一人であるウォルト氏は、「リアリズムの予測は冷戦後の米国の外交政策を支配してきたリベラルの主張より明らかにマシだ」と言う。 NATO拡大への後悔 リアリストがワシントンの外交政策立案者であったならば、ロシアのウクライナ侵攻は起こらなかった可能性がある。リベラル派が主張した北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大がなければ、ロシアと欧米との関係、ひいてはロシアとウクライナの関係は異なっていたからだ。 NATO拡大を進めたのはクリントン政権だ。クリントン元大統領は最近、「そう、NATOはロシアの反対にもかかわらず拡大したのだ」
文・中野剛志(評論家) 中野氏「すでに進んでいたグローバリゼーションの溶解」 世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンクは、3月24日付の株主宛の書簡に「ロシアのウクライナ侵攻で、我々が過去30年にわたり経験してきたグローバリゼーションは終わりを迎えた」と記した。EU(欧州連合)のジェンティローニ欧州委員は4月21日の講演で「この危機(ウクライナ戦争)は、我々の知っているグローバリゼーションの終わりを意味する」と発言した。著名な経済学者ポール・クルーグマンも、ニューヨークタイムズ紙(3月31日付)で、「我々は、1914年(鉄道、蒸気船、電信による第一次グローバリゼーションが終焉した年)の経済的な再現を見ていると言ってよい」と指摘した。アダム・ポーゼンのようなグローバリストの経済学者ですら、ウクライナ侵攻とそれに伴う経済制裁は「すでに進んでいたグローバリゼーションの溶解とい
はじめに 少し前に書いた「河野談話検証で手詰まりとなった日韓両国」と、その補足説明をした「みなさん!現実主義って用語、誤解してませんか?」という記事を思いの外、たくさんの人に読んでもらえて感謝している。 いくつかそれに対する反論の投稿もあったのだが、それを読んでもやはり現実主義という考え方を理解してもらえていないなと感じる。 「攻撃的現実主義はネオコンと同じだ」とか、「現実主義にたつと紛争介入しか選択肢がない」とか、そういった誤解は勘弁してほしいよ。まったく。 そこで今日は、「慰安婦問題」のような一つの問題をクローズアップするのではなく、攻撃的現実主義とはどういう考え方なのか説明し、攻撃的現実主義に立つと国際関係がどのように見えるかというのを説明してみようと思う。つたない説明ではあるのだけど、国際関係論でいう現実主義というものの理解の一助となればうれしく思う。 ミアシャイマー教授の大国政治
今日の横浜北部はよく晴れまして、ほとんど初夏のような陽気でした。 さて、個人的にいくつかの対外的なイベントが一段落しましたので、少し落ち着いて気になっていた学術論文の要約を。 これは最近ナショナル・インタレスト誌に発表された、ミアシャイマーの台湾に関する論文です。日本でも一部のメディアでは取り上げられてましたね。 === 台湾に「さようなら」を言おう by ジョン・ミアシャイマー 「中国の台頭が続いている」という事実は、台湾にとって何を意味するのだろうか? ただしこれは今日や来年の話ではない。台湾が本物のジレンマに直面するのは数十年先の、経済成長が(確実とはいえないが)続いて、今日よりもはるかに強力になった中国に直面した時の話だ。 現在の中国は、軍事力の面ではそれほど強力であるというわけではない。軍隊は粗悪であり、米軍にははるかに及ばない存在だ。現在の状態で米国に軍事的に闘いを挑んでしまえ
今日の横浜北部は朝こそ梅雨空でしたが、午後から気持ち良く晴れました。 さて、前々回の番組の時にも触れた、スティーブン・ウォルトがフォーリン・ポリシー誌に掲載した優れた記事の要約です。 結論からいえば「リアリズムの視点を忘れるな」ということですが、たしかにウォルトをはじめとするリアリスト系の学者たちは、全員ではないにせよ、本文の後半に書かれていること(中国の台頭、NATO東方拡大の間違いなど)に関して、90年代の後半から一貫して否定的でしたね。 その証拠は本ブログでも試訳として公開したこのエントリーにありますので、ご参照ください。 以下の意見記事も、ちょっと長いですが勉強になりますのでぜひお読みください。 === 世界はあなたに「リアリスト」のように考えることを求めている by スティーブン・ウォルト 18-5/30 現在のアメリカにおける対外政策の考えにおいて皮肉なものの一つは、リアリズム
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