・「前提条件なき首脳会談」、実務協議の進展なければ、政治ショーの危険 ・制裁の枠組みめぐる国際理解が必要、北朝鮮には日本の拉致問題対応に不信感も ・放置される北朝鮮の核・弾道ミサイル開発。対話と同時に有事に備えた議論も必要 ■米も陥った落とし穴 安倍晋三首相は5月、北朝鮮の金正恩(キムジ…
スモール・ディールにこだわったトランプ 朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の北米局長が4月18日、ポンペオ米国務長官を批判し、「今後、米国との対話が再開される場合、我々の話を理解できないポンペオ長官ではなく、我々と意思疎通が円滑に行える人物が対話相手になることを望む」と語った。 ポンペオ氏は4月19日、ワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会(2+2)後の記者会見で、北朝鮮の要求を一蹴したが、なぜこのような批判を受けたのか。 その答えは2月28日、ハノイで行われた米朝首脳会談全体会合にあった。 会談で、金正恩朝鮮労働党委員長は5項目からなる米朝首脳共同声明案を提示した。その中身はざっと以下のようなものであったという。 1:米朝は人道分野での協力や社会文化交流の拡大、連絡事務所の相互設置などを実施して新たな関係構築に努力する 2:米朝は政治的な宣言などを経て朝鮮半島の平和体制の構築を目指す 3:
北朝鮮が義務教育で使っている教科書を朝日新聞が入手した。約300人が死亡した韓国の旅客船セウォル号の沈没事故や、日本の統治時代に制圧された「3・1独立運動」を批判しつつ、自国の体制称賛に使っている。韓国の専門家は、子どもにうそを教えることで、家庭で体制を批判している親をあぶり出す狙いもあると指摘している。 教科書は2015年に発行された「社会主義道徳」や「情報技術」「英語」など計20冊。いずれも北朝鮮が義務教育(17年4月から12年制、それ以前は11年制)とする期間のものだ。 このうち、初級中学3年用の「社会主義道徳」では14年に起きたセウォル号事故を取り上げた。「傀儡(かいらい)政府(韓国政府)は、救助や真相究明を求める人々の声に耳を貸さなかった」と記し、「わが祖国では、素晴らしい病院で無償医療を受けられる」と説明する。さらに「祖国の懐がなければ、我々も海で死んだ南朝鮮の子どものようにな
――金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年のあいさつが放映されました。 昨年に比べて「核のボタン」などの過激な言葉が消えた。軍需工業部門への言及も、例年のような米韓を牽制(けんせい)する表現がなく、民需へ転換する過程を示した。経済部門に集中したい考えではないか。 朝鮮中央テレビは、正恩氏が会場まで歩いたり座って演説したりする姿を映した。最高指導者が演説している背後に国旗と労働党旗を立てたのも初めてだ。トランプ米大統領ら海外の首脳のスタイルをまねたのだろう。昨年までは映像に聴衆の拍手の効果音を入れていたが、不自然だからやめたようだ。「正常な国家の指導者になりたい」との願望を表していると思う。 ――米朝関係への言及をどうみますか。 北朝鮮の2大目標は、米朝の非核化交渉を核軍縮交渉に持ち込んで核保有国の地位を得ること。もう一つは制裁の部分的な緩和を実現することだ。正恩氏は「核兵器を新たに
2016年夏に韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テヨンホ)元駐英公使が1日、朝日新聞のインタビューに応じた。同日に発表された金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年のあいさつを分析したうえで、米朝協議を核軍縮交渉に持ち込んで米国に核保有国の地位を認めさせようとしていることや、制裁緩和を狙う意図が明らかになったと語った。 金正恩氏は1日のあいさつで「(米朝)両国間の新たな関係を樹立し、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制を構築して完全な非核化へと進む」と述べた。太氏は、昨年6月の米朝首脳共同声明を根拠にしていると指摘し、「制裁解除と朝鮮戦争の平和協定が、非核化の前提だという意味だ」と説明した。 そのうえで、金正恩氏が2度目の米朝首脳会談で、共同声明の確認を求めるだろうとの考えを示した。また「トランプ米大統領も1回目の米朝会談がまずかったと理解しているようだ」との見方で、米国は再会談で非核化を迫
北朝鮮の国営メディアは、朝日新聞のソウル支局長を「御用保守論客」などと名指しで非難する論評を相次いで発表した。 朝日新聞は5月、経済改革の停滞へのもどかしさから、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が涙を流す映像が上映されたなどと報道していた。党機関紙の労働新聞は9日付の論評で、「日本の『朝日新聞』が、われわれの最高尊厳を冒涜(ぼうとく)し共和国の現実を悪辣(あくらつ)にこき下ろす謀略記事を掲載した」と主張。「許し難い犯罪行為の張本人」として、牧野愛博ソウル支局長の名前を挙げた。 論評はさらに、「牧野と『朝日新聞』の妄動は、『日本疎外』で不安になりいらだつ安倍一味のそそのかしの下で行われる敵対行為の一環」として、記事が安倍晋三政権の意向を受けているとの見解を披露。8日付の朝鮮中央通信の論評では「半島の民族的和解と情勢緩和の雰囲気を阻もうとする断末魔のあがき」とも表現した。 朝日新聞社
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の専用機と同じ種類の航空機が9日、北朝鮮とロシア極東・ウラジオストクの間を往復した模様だ。ロシアは9月11~13日にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムに正恩氏の出席を要請している。正恩氏が出席する場合に備えた試験飛行の可能性もありそうだ。 航空機の航路を追跡するウェブサイト「フライトレーダー24」によれば、正恩氏の専用機と同じ旧ソ連が開発したイリューシン62型機が9日午前、北朝鮮の日本海側を通過してウラジオストクに着陸。3時間ほど滞在した後、北朝鮮方面に向けて再び飛行した。 正確な離着陸地点は不明だが、韓国政府は北朝鮮とウラジオストクを往復した可能性があるとみている。 正恩氏は5月に中国・大連、6月に北京をそれぞれ訪れた際、同型機を使った。北朝鮮は9月の会議に正恩氏が出席するかどうか明らかにしていない。(ソウル=牧野愛博)
米朝首脳会談から一夜明けた13日、北朝鮮の国営メディアが、トランプ米大統領が米韓合同軍事演習を中止する考えを会談で示したと報じた。演習が実際に中止され、それが長引けば、北朝鮮に対する抑止力は低下する。会談のあいまいな合意の「落とし穴」が早くも露呈した格好だ。 北朝鮮の労働新聞(電子版)は、前日の米朝首脳会談を伝える13日付の記事で、「米大統領は、朝米対話が行われる間、北朝鮮が挑発とみなす米韓合同軍事演習を中止する意向を示した」と伝えた。 米韓演習は、1978年に米韓連合軍司令部が創設されて以降に本格化した。毎夏に行う指揮所演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」では、新しい戦術などを確認。毎春の「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」の二つの演習で、米軍増派や野外戦闘について訓練している。 米韓演習は、朝鮮半島の有事に備える準備として進められてきた。また北朝鮮が核実験や弾道ミ
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