北朝鮮の指導者たちは「狂っている」のか いまの状況は明らかに危険であり、週を追うごとに深刻化していると思われる。ただし、私が危険だと言っているのは、何も北朝鮮が突如核攻撃を仕掛けてくるということではない。 北朝鮮の指導者たちが常にリスクを計算してきたことは、歴史が物語っている。韓国に対して法外な挑発行為をくり返し、自国民に情け容赦ない態度で臨むのは、まさにそういう(リスクが低いと判断しての)ことだ。 一部の人たちが考えているのと違って、北朝鮮の指導者たちは「狂っている」わけではない。北朝鮮は「ならず者」国家であり、世界でもほとんど孤立しているが、それでも指導者たちの行動には確かなロジックがある。その根本にあるのは、体制維持が何より最優先という約束だ。要するに「金(キム)王朝」を存続させることである。実際、彼らは万難を排してそれを実現してきた。 その点で、北朝鮮はアルカーイダやイスラム国(I
破壊され尽くした沖縄を見たからこそ ウィリアム・J・ペリー。クリントン政権で国防長官を務め、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の核査察を拒否した際、北朝鮮の先制攻撃に対応する「作戦5027」の適用を提案した責任者であり、長官辞任後も北朝鮮の核実験を抑制するための交渉に当事者として関わった人物だ。 現在スタンフォード大学で教鞭をとるペリー氏は2年前に自伝を出版しているが、北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル実験による東アジア情勢の緊迫を憂慮した本人の強い要望により、その日本語版『核戦争の瀬戸際で』(東京堂出版)の刊行が決まった。 国防・外交の現場を離れたペリー氏が老境においてなお、東アジアの核危機に強いこだわりを見せるのは、彼自身の原初体験によるようだ。同書には次のような記述がある。 「一八歳になったばかりの一九四五年、私はアメリカ陸軍工兵隊に入隊した。工兵訓練学校で八か月間を過ごしたあと、日本占領軍
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