今回の爆発事故を招いた「政治的責任問題」について、何か隠蔽されているのではないか。 中国の規則では、まず危険な化学薬品倉庫の周辺1キロに、公共インフラ施設や居民区があってはならない。だが、現実には事故現場の1キロ圏内に高速道路の高架やモノレール駅や大手デベロッパー「万科集団」が開発した高級マンション群がある。 また、天津安全管理当局は、倉庫の中身の化学薬品リストを把握しておらず、しかも倉庫内は認可の何十倍もの量の危険化学薬品が保管されていた。 こうした違法行為がまかり通る背景には、必ず企業と官僚の癒着・腐敗があるはずだ。目下、新華社などが報じているところでは、倉庫の所有者は「瑞海国際物流有限公司」という、2012年に出資金1億元で設立された民間物流企業で、株主として登録されている李亮、舒錚という二人の男は単に名義を貸していただけだ、とのことだ。 本当に出資し企業の実権を握っているのは、元天
厳しい情報統制と乱れ飛ぶデマ 2015年8月12日深夜、天津市の浜海新区で、死者・不明者200人、負傷者700人を超える大爆発が起きた。 天津港の埠頭に近い化学薬品倉庫で火災が発生、消防隊が消火活動にあたっていたところ、火柱とキノコ雲が立ち上るような大爆発が2分間の間に4回起き、その爆風は3キロ離れたマンションの窓や壁もぶち抜いた。 現場の倉庫には保管許可量24トンを30倍近く上回るシアン化ナトリウム700トンほか、硝酸アンモニウム800トン、硝酸ナトリウム500トンといった危険化学薬物が3000トン以上保管されていた。爆発後は周辺の水中のシアン化ナトリウム濃度は基準値の277倍となり、爆心地から6キロも離れた河の水面は死んだ魚に埋め尽くされた。 事件直後から厳しい報道統制が敷かれているため、正確な情報が伝わってこない。中国メディアは新華社の共通原稿を使用することしか許されず、独自取材を禁
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