【ブラジリア=田中一世】ブラジルのルラ大統領は3日昼(日本時間4日未明)、岸田文雄首相との会談後の共同記者発表で、首相や同席していた日本企業幹部に対し、ブラジルへの投資やブラジル産農産物の輸入を拡大するよう、ジョークを交えながら情熱的に売り込んだ。 共同記者発表は通常、両首脳が並んで会談の成果や意義を説明する場だが、今回はさながらルラ氏の独演会のようになった。首相は成果の要点を説明し、発言時間は6分間。 ルラ氏は2・8倍の17分間におよんだ。首相が同国のサンパウロも訪問することに触れ、バーベキューを食べてほしいと提案。「次の週からブラジルの牛肉をぜひ輸入していただきたい。われわれの牛肉は質が良くて安い。首相が口にすれば、もう日本に帰りたくなくなると思う」と述べ、会場の記者、政府職員、企業関係者から笑いが起きた。 ルラ氏のセールスは止まらない。首相のブラジル訪問に同行している日本企業の幹部ら