広島の平和記念公園で、オバマ米大統領に原爆ドームの説明をしたのは岸田文雄外相だった。岸田氏は衆院広島1区選出。核軍縮・不拡散は外相に就任してから強いこだわりを持ってきた。この日はケネディ米駐日大使とともに慰霊碑前まで、安倍晋三首相とオバマ大統領をエスコートした。原爆ドームの大統領への説明役は松井一実・広島市長が務める案も検討されたが、岸田氏が自ら意欲を示した。通訳も交えずに熱心に説明して
2018年11月14日、安倍晋三首相(当時)とプーチン大統領がシンガポールで首脳会談を行い1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を進めることで一致したいわゆる「シンガポール合意」から、まる3年が経過した。安倍氏は「平和条約交渉を仕上げていく決意であります」と強い決意を表明したが、その後も領土交渉は一切行われず、今では取り上げるメディアもない。 日本政府はかたくなに認めないが、客観的に見れば、日本側から交渉の基礎を1993年の「東京宣言」から56年の「日ソ共同宣言」に事実上逆戻りさせる提案を行った事実は、否定的な意味で北方領土交渉の歴史上、深刻な意味をもつ。プーチン氏らは、約20年間かけて執拗に進めてきた東京宣言の死文化を目指す対日戦略がようやく実を結んだとして、自らの強硬路線の正しさに自信を深めたに違いない。 安倍政権は、希望的観測に基づき、歯舞、色丹の2島返還を一気に実現しようと狙ったが、
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