米朝首脳会談の成果をめぐり、自民党から疑問が噴き出している。自民党は15日、外交・国防部会、拉致問題対策本部などの合同会議を党本部で開いた。共同声明に北朝鮮の非核化の期限などが盛り込まれなかったことに対し、出席議員から合意の実効性を疑問視する声が相次いだ。 共同声明では、北朝鮮の非核化について日米両国が求めてきた期限や「完全かつ検証可能、不可逆的な非核化」(CVID)の文言は明記されず、「完全な非核化」というあいまいな表現にとどまった。 安倍晋三首相は「諸懸案の包括的な解決に向けた一歩だ」として支持を表明。しかし、出席者によると、この日の自民党の会議では「CVIDの中身が全く述べられず、北朝鮮にとって満点の回答だった」「(非核化の)文言はトーンダウンしているのに、CVIDと同じと説明するのは現状を楽観している」などと批判的な発言が目立った。 北朝鮮の弾道ミサイルに対応するため、政府が導入を
安倍晋三首相は16日午前、読売テレビ番組「ウェークアップ!ぷらす」で、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、「金正恩(朝鮮労働党)委員長が大きな決断をすることが求められる」と述べた。そのうえで「相互不信という殻を破って一歩踏み出し、解決したい。信頼関係を醸成していきたい」と語り、北朝鮮との交渉に意欲を見せた。 首相は拉致問題は「(北朝鮮が)すべての拉致被害者を帰国させたときに初めて解決する」と強調。金氏との首脳会談に関し「やみくもに行うのではなく、拉致問題の解決に資する会談にしないといけない」と述べた。 首相は北朝鮮が完全な非核化を約束した米朝首脳会談を「非核化に向けて土台を作ることはできた」と評価し、金氏を「大きな決断ができる人物だ」とした。非核化への資金協力に関しては、費用を拠出する国際的枠組みを設ける可能性にも触れ「例えば、北朝鮮の核廃棄へ機構を作って進めることになる」と説明した。
米朝首脳会談で合意した北朝鮮の「完全な非核化」を巡り、米政府が北朝鮮に、核計画の全容を数週間以内に申告するよう求めていることが16日、わかった。米政府関係筋が読売新聞に明らかにした。ポンペオ米国務長官は、早ければ今週中にも行う予定の北朝鮮高官との協議の場で早期の申告を改めて迫る方針だ。 米政府関係筋は、今回の要求には「北朝鮮が非核化に迅速に取り組むつもりがあるかどうかを見極める判断材料とする狙いもある」としている。要求への北朝鮮の対応は明らかでない。 北朝鮮による核計画の全容申告は、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に向けた大前提となるもので、トランプ米政権は申告を受け、核施設や核物質の検証を含む工程表をまとめる。「2年半以内」(ポンペオ氏)の期限も設け、北朝鮮の非核化プロセスを進めていく考えだ。 ポンペオ氏は14日、北朝鮮の核計画について、「できる限り早く全容を把握することが極めて重
ワシントン(CNN) 駐韓米大使に指名されているハリス前太平洋軍司令官は14日、上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮は依然として核の脅威であり続けているとの認識を示した。大規模軍事演習については、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に交渉への真剣さを示す機会を与えるため、いったん中止すべきだとしている。 トランプ氏は先日ツイッターで、北朝鮮はもはや核の脅威ではないとし、米朝首脳会談を受けて米国の安全度は高まったと述べていた。 しかし上院外交委員会のメネンデス議員(民主党)は今回、北朝鮮が依然として核の脅威かどうかを質問。北朝鮮政府が今でもミサイルを保有し、核分裂過程などの管理を続けている点を指摘した。 これに対しハリス氏は「それに関しては引き続き警戒しなければならない」と言及。米国による韓国への対ミサイルシステムの配備について、「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が唯一の理由だ」と述べた。 トラン
明日12日、歴史的な米朝首脳会談がシンガポールで開催される。最大のテーマが「非核化」だ。アメリカは、完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄(CVID)を求める。一方、北朝鮮は「段階的な非核化」を主張している。両者の隔たりは大きいが、そもそも北朝鮮の非核化は可能なのか。 6月1日、金英哲朝鮮労働党副委員長とトランプ大統領が会談(写真ロイター/アフロ)今回の記事では、北朝鮮のこれまでの核開発と、仮に非核化となればどれくらいの期間を要するのかなどを専門家の分析を交えて徹底検証したい。 取材に応じてくれたのは、北朝鮮および日米韓の公式資料などをもとに、金正恩体制や国際社会の対北朝鮮政策を分析している聖学院大学政治経済学部の宮本悟教授。もう一人は、世界的にも最先端を走る素粒子物理学者として、独自に北朝鮮の核開発を分析する高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所の多田将准教授だ。 北朝鮮の核開発の実
シンガポールで行われた米朝首脳会談。会談とその後に出された共同声明をどう評価するか。今後の米朝対話の課題は何か。専門家に聞いた。 合意の文書化に意味 宮本悟氏 聖学院大教授(北朝鮮政治) 米朝が和解の方向に向かったこと自体が一つの成果で、合意を文書化しただけでも大きな意味がある。和解するからこそ非核化ができ、国交正常化ができる。まだ完全に和解したわけではないが、ターニングポイントを迎えたことは間違いない。北朝鮮の最高指導者として誰もできなかったことをやったという点で金正恩委員長にとっても大きな成果になったと言えるだろう。 トランプ米大統領は、対話継続中の米韓軍事演習の中止について言及した。北朝鮮に対し安全保障を与えるという米国側からのメッセージと言える。北朝鮮に体制保証の根拠を与えることで非核化の可能性は高まる。順調にいけば今後、首脳会談が重ねられ、非核化に向けた協議は、米朝だけでなく国際
安倍晋三首相は米朝首脳会談でトランプ米大統領が拉致問題を提起したことを受け、日朝首脳会談への意欲を重ねて示した。トランプ氏との「日米一致」を掲げてきただけに、非核化をめぐるあいまいな文書も評価せざるを得ない立場だが、日朝の対話は見通せない面もある。 首相は12日夕、シンガポールでトランプ氏の記者会見が続いている最中に、首相官邸で記者団の取材に応じた。「朝鮮半島の完全な非核化に向けた、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の意思を改めて文書の形で確認した。北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた一歩だと支持する」と語り、共同声明を高く評価した。さらに同日夜にトランプ氏と電話で約30分間協議し、米朝会談の説明を受け、今後の対応を協議した。 だが、首相が評価した共同声明には、肝心の非核化について、日本政府がこれまで主張してきた非核化の具体的な期限や「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CV
5月30日、会談実現に向けてニューヨークでポンペオ米国務長官と面会した金英哲 Brendan McDermid-REUTERS <根深い誤解と相互不信が交渉迷走の背景に......トランプと金正恩は会談でどこに妥協点を見いだすのか> 果たして、米朝首脳会談は行われるのか。世界がその行方を見守るなか、会談実現をめぐる駆け引きはまるでジェットコースターのように急激な動きを見せている。3月上旬にドナルド・トランプ米大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの首脳会談の申し出を受け入れたこと自体が驚きであったが、4月初めには当時のマイク・ポンペオCIA長官が訪朝し、4月27日の南北首脳会談を経て、米朝首脳会談に向け順調に調整が続いているかのように見えた。 しかし、「非核化を受け入れなければ北朝鮮はリビアの二の舞いになる」というマイク・ペンス米副大統領の発言に北朝鮮側が強く反発して会談の
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