1月22日に召集された第196回国会の初日、河野太郎外相が衆参両院に向けた外交演説を行った。【演説テキスト】【演説の映像】 「6本目」の柱に対中東外交が 演説は冒頭で、第2次世界大戦後のリベラル国際秩序が揺らぐ中、この国際秩序に裨益(ひえき)してきた日本が支えていくと宣言し、続いて北朝鮮に対する圧力強化を訴えるなど、安倍政権の基本姿勢を踏襲しているが、「河野色」が鮮明に出た部分がある。 (なお余談だが、リベラル国際秩序を支える主要な勢力としての安倍政権の役割は、リベラル国際主義の理論家ジョン・アイケンベリー・プリンストン大学教授によって『フォーリン・アフェアーズ』誌上で高く評価されているほどであり、国際的には安倍政権は外交的な「リベラル派」「国際主義」の残された数少ない孤塁として認識されている。G. John Ikenberry, "The Plot Against American Fo
「なぜ、中東外交に力を入れるのか」 去年8月に就任して以降、中東地域を頻繁に訪れている河野外務大臣には、たびたびこのような質問が向けられるそうです。そんな時、河野大臣は「中東が重要だからに決まっているじゃないか」と答えるといいます。 中東は、原油や天然ガスなど日本のエネルギーの主要な供給地域として重要だというのは疑問の余地はありません。しかし、エルサレムをめぐるイスラエルとパレスチナの問題のほか、サウジアラビアとイランの対立など、宗教や宗派、民族などが絡みあった問題がたくさんあります。いずれも、日本にとっては複雑すぎる問題のように思えます。 しかし、河野大臣は「日本だからこそできることがあるのだ」と胸を張ります。河野大臣がこだわるのはなぜか。また、日本だからできることはなにか、探ってみたいと思います。(政治部記者 辻浩平 石井寧) 「日本が中東に関与しないほうがリスクが大きい」 去年12月
1985年1月、イスラエルのペレス首相の「密使」が日本を訪れ、中曽根康弘首相と会談し、中東和平実現に向けた関与を働き掛けていた。20日公開の外交文書で確かめられた。石油購入などを通じ、イスラエルと対立するアラブ諸国との関係が深かった日本は、内政問題を抱えるペレス氏との個人的関係を軸に外交を展開するのはリスクが高いと判断。アラブ側の反発も懸念し、肩入れしない考えを伝えた。 今月上旬、エルサレムをイスラエルの首都に認定したトランプ米政権にアラブ側が強く反発する中、日本政府は懸念を表明しつつ米国への配慮も見せた。当時も今も中東外交でのバランス維持に腐心する日本の姿が浮かぶ。ペレス氏は93年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)の立役者の一人で94年にノーベル平和賞を受賞した。 「密使」は、イスラエル系米国人の時事漫画家でジャーナリストのラナン・ルリー氏。対アラブ強硬派として知られたイスラエルのシ
2017湾岸・アラビア半島地域バハレーンアラブ首長国連邦 公開日:2017/12/11 12月9日から10日、河野外相はバハレーンとUAEを訪問した。河野外相による中東諸国歴訪は9月に続き2回目。また、日本の外相がバハレーンを訪問するのは史上初となる。 河野外相は、バハレーンにおいて英国の国際戦略問題研究所(IISS)が主催するマナーマ・ダイアローグに出席し、日本による中東地域の平和と安定に向けた日本の政策・貢献について演説した。演説では、9月にエジプトで開催された第1回日アラブ政治対話で表明された「河野四箇条」(①知的・人的貢献、②「人」への投資、③息の長い取組、④政治的取組の強化)に基づき、中東地域の安定化に向けて積極的な役割を日本が果たすこと、「平和と繁栄の回廊」構想など日本ならではの中東貢献策を進めていくこと、中東を含むインド太平洋にて自由で開かれた海洋秩序を確保していくことなどが
2011.01.30 中近東の政権は、みんな正統性というアキレス腱を抱えている。 例えばレバノンは、各宗派が人口に応じて大統領、首相、国会議長といった役職を分け合っているが、かつて最も人口が多かったマロン派キリスト教徒とスンニ派のイスラム教徒の人口は既に逆転したと見られている。しかし、レバノンではこの数十年、国勢調査が行われていないため、役職の割り振りの見直しは行われていない。 シリアは、人口の約一割のアラウィ派出身のアサド大統領とアラウィ派が多数を占めるスンニ派他の民族を力で押さえつけている。 バーレーンでは、スンニ派の首長がシーア派が多数を占める国民を統治している。 サウジアラビアは、イスラムの中でも最も厳格なワッハーブ派を国教としているのに親米路線を取っていることに対して、宗教的な保守派から王家が批判されている。 ヨルダンは、伝統あるハシム家を王に抱くが、かつてパレスチナ難民が大量に
2017.10.15 外相就任以来、外相会談を60回、これに多国間会合等も含めると合計106回もの会合をこなしてきました。海外出張も、マニラでのASEAN関連外相会合、ワシントンでの日米外務・防衛大臣会合(2+2)、モザンビークのマプトでのアフリカ開発会議(TICAD)閣僚級会合、ウラジオストクでの東方経済フォーラム、中東訪問と日アラブ政治対話(カイロ)、そしてニューヨークでの国連総会と世界を駆け巡ってきました。 日本の外交が直面する課題のなかで、私が特に取り組みたいもの、取り組まなければならないものが六つあります。 第一は、もちろん北朝鮮の核とミサイルの問題の解決です。北朝鮮を核保有国として認めて、共存を図るために交渉すべきという意見もありますが、日、米、韓、中、露、すべての国が朝鮮半島の非核化を目指しています。 強固な日米同盟を基盤として、韓国や中国、ロシアとしっかり連携し、北朝鮮の核
ジョセフ・サミュエル・ナイ・ジュニア氏は、ハーバード大学特別功労教授で同大学ケネディ政治学大学院の元学長。同氏は国際安全保障問題担当国防次官補、国家情報会議議長、安全保障援助・科学技術担当次官代理などの要職を歴任してきた。 最近の著書 『Is the American Century Over? (米国の世紀は終わったのか)』はペーパーバックで発売されており、。ナイ教授は4月27日 、ハーバード大学ケネディ政治学大学院で行われたフォーラムにおいて、日本の安倍晋三首相を迎えるために尽力した。 同氏には東アジアの「リバランス政策」を中心に話を聞いた。インタビューの最後では沖縄普天間飛行場の辺野古移転問題に関して、個人的見解と断りながらも、きわめて重要な提案を行った。同氏はクリントン政権における国防次官補として、普天間飛行場返還の日米合意を主導した人物である。 米国は多くの国と協力をする必要があ
政治と経済 『【後藤さん殺害映像】人道支援演説めぐり共産「2人への危険、認識あったのか」vs首相「テロリストに気配り必要ない」 (1/2ページ) - 産経ニュース』へのコメント
安倍晋三首相が3日の参院予算委員会で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が日本人2人を殺害したとみられる事件をめぐり、共産党の小池晃政策委員長と“バトル”を繰り広げる一幕があった。 「最近も殺戮(さつりく)を行い批判を浴びているイスラエルと軍事協力をし、そのイスラエルの首相と肩を並べ『テロと戦う』と述べることが、中東諸国の人々にどう受け止められるのかを考慮したのか」 「拘束された日本人を危機にさらす危険性を考慮しなかったのか」 質問に立った小池氏はこうまくし立て、1月の中東訪問中の首相の言動を批判した。 これに対し首相は「今の小池さんの考え方は全く間違っている。私がイスラエルと関係を持ち、イスラエルにアラブの考え方を伝えることはアラブの国々が望んでいることだ」と反論。その上で、「エジプトでもヨルダンでもパレスチナでも私がイスラエル首相と会談して言うべきことを言い、中東和平に向けて進ん
安倍晋三首相は、1月17日〜21日にかけて中東歴訪を行なったが、出発前の1月7日にフランスで週刊紙銃撃テロ事件が起きると、外務省内から今回の首相の中東訪問は「タイミングが悪い」という声が上がった。 ところが、安倍首相の反応は逆だった。官邸関係者がこんな重大証言をした。 「総理は『フランスのテロ事件でイスラム国がクローズアップされている時に、ちょうど中東に行けるのだからオレはツイている』とうれしそうに語っていた。『世界が安倍を頼りにしているということじゃないか』ともいっていた」 周囲はその言葉を聞いてさすがに異様に感じたという。関係者が続ける。 「総理は総額25億ドル(約3000億円)の中東支援についても、『日本にとってはたいしたカネではないが、中東諸国にはたいへんな金額だ。今回の訪問はどの国でもありがたがられるだろう』と自信満々で、常人の感覚とは違うなと感じた」 テロは対岸の火事
国際石油開発帝石は21日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国に権益を持つ「上部ザクム油田」の権益期限が従来の2026年3月から41年末まで約15年延長されることが決定したと発表した。現地を訪問中の茂木敏充経済産業相が20日にアブダビのムハンマド皇太子と会談した際に両政府間で合意した。上部ザクム油田はアブダビ80キロメートル沖合のペルシャ湾にある大型油田で、1982年に操業を開始した。現在
安倍総理のトルコ訪問で、正式に日本がトルコの原発を建設することが、決定したようだ。それは、今後のトルコと日本との関係を考えた上で、大きな意味があろう。原発は3年や5年で廃棄になるようなものではなく、30〜50年と長期にわたるものだからだ。 エルドアン首相も安倍総理も、互いにこの契約で一蓮托生というか、戦略的パートナーになった、と自覚したのではないか。今回の原発受注については、中国や韓国もだいぶ本腰を入れていただけに、今後これらの国々の動きも、考慮しなければなるまい。 もう一つ考慮しなければならないのは、今回の日本の出した援助が、中国の半分であったことだ。したがって、それでも日本から受注したということでは、国民に説得できまい。そのためエルドアン首相は、それ以外の案件で日本の援助を、求めてくるものと思われる。 それらの計画は、イスタンブールに大空港を建設する計画であり、人工ボスポラス海峡の建設
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く