北朝鮮が自らの地を「地上の楽園」と称して行った帰国事業は国家による誘拐行為だとして、脱北者5人が8月20日、北朝鮮政府を相手取り、1人あたり1億円(計5億円)の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。 ●北朝鮮、異議あるなら堂々と反論を 訴状などによると、北朝鮮政府が1959年から1984年ごろにかけて行った帰国事業で、「地上の楽園」と虚偽の宣伝を行い、原告らを含む在日朝鮮人を錯誤に陥らせて北朝鮮に帰国させ、人が健康に生存するに足る食糧を与えなかったとしている。また、国家に抵抗しようとする人たちを政治犯収容所に送って弾圧し、北朝鮮からの出国を認めないなど、自由な往来も制限し、原告らの基本的人権を抑圧し続けたとしている。 東京・霞が関の司法記者クラブで同日開いた会見で、原告代理人の白木敦士弁護士は「内容に異議があれば、堂々と日本の法廷に争いに来てほしい。勝訴判決をもとに、北朝鮮政府が有する
中国の最高裁に当たる最高人民法院は今月1日、中国の「管轄海域」で違法漁労や領海侵入をした場合に刑事責任を追及できるとする「規定」を定めた。最高人民法院が海洋権益に関し具体的な条文で司法解釈を定めるのは初めて。規定の施行以降、中国は自国領海と主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での公船の活動を活発化させており、日本の排他的経済水域(EEZ)で公船から乗組員が中国漁船に行き来する「法執行」とみられる行動も確認されている。海事関係者は、背景に規定の施行があるとみて注視している。 最高人民法院が示したのは、「中国の管轄海域で発生する関係事案審理における若干の問題に関する最高人民法院規定(1)」と「同(2)」。今月2日に施行された。中国の海域での違法行為の内容と管轄権や違反の事例を詳細に示し厳格な法執行を明記している。 条文では海上の自国領域での環境汚染や、シャコやサンゴなどの生物、資源の違法採
スリランカ国籍の男性が、難民の認定を求めた裁判で勝訴したにもかかわらず、その後も法務省から認定されないのは不当だとして、再び難民の認定を求める、異例の裁判を起こすことになりました。 男性は少数派のタミル人で、激しい内戦が続いていた母国を離れ、日本で難民の認定を申請しましたが、法務省に認められなかったため、処分の取り消しを求める裁判を起こしました。 男性は4年前に勝訴し、国が控訴しなかったため、改めて審査が行われましたが、判決のおよそ8か月後に法務省から「内戦が終結し情勢が改善されている」として、再び認定しない決定を受けました。一方で、人道上の配慮として日本での在留が認められましたが、日本語学習や仕事の紹介など、難民としての支援を受けることはできません。 男性は「裁判所は内戦が終結したことも踏まえて難民に当たると判断したのに、法務省が認定しないのは不当だ」として、再び難民の認定を求める裁判を
高村正彦・自民党副総裁 最高裁の判決が、個別事件について示されたものだという憲法学者らの指摘はその通りだ。ただ、司法審査は個別事件についてやるものだということと、最高裁がそこに示した一般的法理を尊重するかしないかは別の話で、我々憲法尊重擁護義務を課せられた政治家が、一般的法理を尊重しなければいけないのは、ごくごく当たり前のことだ。 最高裁は「国の存立を全うするための必要な自衛の措置は講じうる」と一般的法理で示している。「国の存立を全うするための必要な自衛の措置」は政治家が考えなければいけないことだ。「必要な自衛の措置」の中に、国際法的には集団的自衛権とみられるものが含まれるのであれば、その限りで集団的自衛権も容認される、と当たり前のことを当たり前に素直に言っているだけだ。 学者は憲法尊重擁護義務を課せられてはいない。学問の自由があるから、最高裁が示した法理でも「それが間違っている」と言うこ
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