イギリスで起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件をめぐって、日本に駐在するロシアのガルージン大使は、日本が欧米などに追随せずロシアの外交官を追放する措置に踏み切っていないとして、日本政府の対応を評価する考えを示しました。 これについて、先月日本に着任したロシアのガルージン大使が3日記者会見を行い、「ロシアが事件を起こしたとするイギリスの主張は事実無根で、ロシアを孤立化させるのが狙いだ」と述べて、批判しました。 そのうえでガルージン大使は、日本がこれまで欧米などに追随せずロシアの外交官を追放する措置に踏み切っていないとして、「均衡の取れた態度を取っている日本政府に敬意を表したい。化学兵器の使用を非難し、まずは実態の解明を求めるとする日本の立場はロシアの立場と共通する」と述べ、この事件をめぐる日本政府の対応を評価する考えを示しました。 また、来月ロシアで行われる予定の日ロ首脳会談について、「平和
元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。 まるで残酷なスパイ映画のようだ。英国南西部の町のショッピングセンターで3月4日、ロシアの元情報機関員父娘が、意識不明になっているところを発見された。何者かに、筋肉の機能を阻害する神経剤の毒を盛られたとみられ、父親はいまなお生死の境をさまよっている。ロシアの関与が濃厚と断定した英国は直ちに外交官を追放し、米国やEU(欧州連合)各国もこれに呼応した。ロシアも対抗、派手な外交官の追放合戦に発展している。 米英同様G7(主要国首脳会議)の一員である日本は、事件を非難するものの、ロシアに対する一切の措置を控えている。このま
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