構造自体が「機密」とされる潜水艦 。海上自衛隊が南シナ海での訓練について異例の公表をしたことについて、防大卒の毎日新聞・滝野隆浩編集委員は驚きました。「ウラには何か大きな意図があるはずだ」。潜水艦乗りである伊藤俊幸元海将を訪ねました。 【写真特集】「くろしお」など海上自衛隊の潜水艦 そのニュースを最初にテレビで見かけたとき、思わず「へー」と漏らしてしまった。へーっ、そこまでやるようになったんだな、と。9月17日、海上自衛隊が南シナ海での潜水艦の訓練について公表した案件である。艦の構造自体が「機密」とされ、乗艦取材の際もハッチの厚さから性能がわかってしまうなどとして写真撮影が厳しく制限される。そんな潜水艦の行動について、訓練とはいえ「公表」することはふつうならありえないと感じた。だから、この公表のウラには何か大きな意図があるはずだ、と。 翌日になって、この案件はその日の朝刊1面で朝日新聞が報
防衛省が海上自衛隊の潜水艦を南シナ海へ極秘派遣し、東南アジア周辺を長期航海中の護衛艦の部隊と合流させて、13日に対潜水艦戦を想定した訓練を実施したことが分かった。海自の対潜戦訓練は通常、日本の周辺海域で行われており、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に潜水艦を派遣して実施したのは初めて。 複数の政府関係者が明らかにした。南シナ海は日本の商船も行き交う重要な海上交通路だが、中国が軍事力を背景に複数の岩礁を埋め立てて人工島を造成し、軍事拠点化や実効支配を強めている。今回の訓練は秘密裏に行われたが、事後的に実施を発表する方向で検討している。公海の「航行の自由」を強くアピールし、中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。 政府関係者によると、派遣したのは海自の潜水艦「くろしお」と、護衛艦「かが」「いなづま」「すずつき」の計4隻。 くろしおは8月27日に海自呉基地(広島県)を出港。東シナ海から台
先週、沖縄県の尖閣諸島沖の接続水域に入った潜水艦を、政府が中国海軍のものと断定し中国側に抗議したことについて、中国外務省の報道官は潜水艦に関する回答は避けつつ「日本には島の問題でもめごとを起こすのをやめるよう求める」と述べて、あくまで日本側の対応に問題があるとの姿勢を示しました。 これについて中国外務省の陸慷報道官は15日の記者会見で、「潜水艦の状況については把握していない」として回答を避けつつ「日本側の『抗議』は受け入れられない」と述べ、島は中国の固有の領土だとする従来の主張を繰り返しました。 そのうえで、陸報道官は「日本には島の問題でもめごとを起こすのをやめるよう求める」と述べて、あくまで日本側の対応に問題があるとの姿勢を示しました。 また、今回の問題をめぐり、中国側が海上自衛隊の艦船に対して中国海軍が監視を行ったと説明しているのに対して、日本側が「中国海軍の潜水艦が接続水域に入ったこ
10日から11日にかけて、沖縄県の宮古島や尖閣諸島の大正島の沖合で、外国の潜水艦が日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行したのを海上自衛隊が確認しました。大正島沖の接続水域では中国軍のフリゲート艦も確認されたということで、防衛省は、潜水艦は中国軍と見て情報収集と警戒監視に当たっています。 この潜水艦はその後も北西に航行を続け、接続水域から東シナ海に出ましたが、11日午前、尖閣諸島の大正島の北東で再び日本の接続水域に入ったいうことです。 また、大正島の沖合では、11日午前11時ごろ、中国海軍のフリゲート艦1隻が日本の接続水域に入り、いったん水域を出ましたが、その後、再び接続水域に入ったということです。 いずれも領海への侵入はないということですが、防衛省は、中国軍のフリゲート艦の動向などから潜水艦は中国軍と見て情報収集をするとともに警戒監視を続けています。 潜水艦がほかの国の沖合を航行する場
清原果耶「どうしても参加したいと思った」藤井道人監督による日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』2024年5月公開! 10-07 08:07
日本の防衛産業で異変が起こっている。 その一つが、昨年秋に実施された2020年に竣工予定の新型イージス艦(1番艦)の入札で本命視されていた三菱重工業がジャパンマリンユナイテッド(JMU)に敗れたのに続き、今夏に行われた2番艦(21年竣工予定)の入札でも同様に三菱重工がJMUに負けたことだ。 現在6隻就役しているイージス艦のうち5隻を三菱重工が建造している。残り1隻はIHI(石川島播磨重工業)製。JMUとは、IHI(石川島播磨重工業)、住友重機械工業、日立造船、旧日本鋼管の造船部門が統合して発足した造船会社である。 日本の防衛産業で圧倒的な存在感を誇ってきた三菱重工の凋落は、「異変」の大きな要因だ。 2015年度の防衛装備庁の「中央調達実績額」によると、三菱重工は、川崎重工に追い抜かれて2位に転落した。ちなみに川崎重工に対する調達額は2,778億円、三菱重工は1,998億円だった。防
北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験で技術的な進展を見せ、核弾頭の運搬手段として日米韓を脅かす可能性が現実味を帯びてきている。 SLBMが完成しても、発射実験に使われている「新浦級」(2000トン)潜水艦は小さすぎてミサイルを1発しか搭載できないため、戦力にはならない。そのため韓国では、かねてから北朝鮮がSLBMを3発搭載できる3000トン規模の新型ミサイル潜水艦を開発中であるとの見方が出ていた。 そして7月22日、軍事情報分析会社のIHSジェーンズ(英国)は22日、北朝鮮が現行より大型の潜水艦を隠せる新たなドックを建設している、とする衛星写真を公開した。韓国の見方は、当たっていた可能性が高い。 東京・杉並の会社もっとも、北朝鮮が弾道ミサイル潜水艦に対しどのような野心を燃やしてきたかをつぶさにウォッチしていれば、いずれこのような日がやってくるのを予想することは、さほど難しい
タイ国防大臣(副首相を兼任)であるプラウィット陸軍大将(退役)は、タイ海軍が中国から潜水艦を3隻購入するための予算案の認可を閣議に提出した。 タイ海軍は過去数年間にわたって潜水艦を購入する試みを続けており、2015年夏にも、プラウィット国防大臣が中国から潜水艦を購入する計画を決定している(本コラム2015年7月2日)。しかし、タイ軍事政権による最終認可を得ることができず、潜水艦購入計画は最終段階で“逆転撤回”という結果になったという経緯がある。 10年ローンで購入可能に 昨年の潜水艦購入決定をタイ政府が白紙にした最大の理由は、タイの国家予算にとって潜水艦はあまりに高額すぎるということであった。今回再びタイ海軍が購入する方針を打ちした中国の「元型S26T」潜水艦の価格は1隻120億バーツ(およそ342億円)とされており、高い買い物であることに変わりはない。 しかしプラウィット国防大臣は、中国
オバマ大統領が広島を訪問し、核兵器廃絶へ向けてのアピールをした。日本ではオバマ大統領の広島訪問が、あたかも“核廃絶に向けた世紀のイベント”であるかのごとく取り上げられていたようである。 しかし、それと平行して、アメリカをはじめとする国際軍事サークルで話題となっていたのは、「中国の報復核攻撃戦力が強化されている」という“核なき世界”とは隔絶した話題であった。 まもなく始動する核ミサイル搭載の中国戦略原潜 アメリカ国防総省が作成した2016年版『中国軍事レポート』では、「中国人民解放軍海軍は、戦略原潜による西太平洋海域での核抑止パトロールを2016年中には開始するであろう」との予測が述べられていた(「今年の『中国軍事レポート』はどこが不十分なのか」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46933)。それを受けてアメリカやイギリスなどのメディアや軍事関係者たち
かねてより史上最大級の武器取引として注目を浴びている、オーストラリア海軍次期潜水艦を選定する作業の結論が、数週間以内に出される見通しである。 選定の対象となっている潜水艦は、日本の「そうりゅう」(三菱重工・川崎重工)、ドイツの「タイプ216」(TKMS:ティッセンクルップ・マリン・システムズ)、それにフランスの「ショートフィン・バラクーダ」(DCNS:造船役務局)である。 「そうりゅう」採用派が唱える戦略的理由とは 日本の「そうりゅう」の採用を支持するオーストラリアの人々の多くは中国脅威論に立脚している。つまり、中国が南シナ海とりわけ南沙諸島に軍事拠点を設置することにより、オーストラリアと中国の間の軍事的緊張が高まった場合にはオーストラリアが利用しているシーレーンが脅威を受けるだけでなく、ダーウィン周辺地域は中国軍爆撃機の攻撃圏内にすっぽりと収まってしまうといった想定がベースにある。 この
【シドニー=吉村英輝】オーストラリア公共放送(ABC)は20日、主要閣僚らで構成する国家安全保障会議(NSC)が、次期潜水艦調達計画の共同開発相手をドイツとフランスに絞り込み、日本を除外する決定を下したもようだと伝えた。同放送は、決定内容は来週にも発表されるとしている。 同放送は、19日夜に開催されたNSCのこの決定が、「最終判断かは不明」ともしている。日本が脱落した根拠として、豪州政府担当者らが、入札で日本側に「熱意が欠けていた」ことを懸念したとした。 調達をめぐっては、米国政府の元高官らが、同じ同盟国である日本からの調達を推していた。だが、同放送は、オバマ米大統領が、調達は「主権」に従いなされるものだと、ターンブル豪首相に確約したことにも言及した。 日本、ドイツ、フランスが受注を目指す豪次期潜水艦12隻は、建造費だけで500億豪ドルかかる豪州史上最大の防衛装備品調達。豪国防省は各国提案
【シンガポール=吉村英輝】オーストラリアのターンブル首相は26日、記者会見し、日本、ドイツ、フランスが受注を争っていた次期潜水艦の共同開発相手について、フランス企業に決定したと発表した。日本は、官民を挙げて、通常動力型潜水艦では世界最高レベルとされる「そうりゅう型」を売り込んだが、選ばれなかった。 ターンブル氏は、造船業が集積する南部アデレードで会見し「フランスからの提案が豪州の独特なニーズに最もふさわしかった」と選考理由を述べた。さらに、海軍装備品の中でも最も技術レベルが必要とされる潜水艦が「ここ豪州で、豪州の労働者により、豪州の鉄鋼で、豪州の技術により造られるだろう」とし、豪州国内建造を優先した姿勢を強調。7月に実施する総選挙に向けてアピールした。
アメリカ軍関係者たちとの間で、近ごろ“解禁”になった日本の武器輸出が話題になった。その際、日本の状況に通じている海兵隊将校が“素朴”な疑問を口にした。 「安倍政権が武器輸出を解禁したとはいっても、たとえば海兵隊が使っているような装甲戦闘車や戦車などを海外に売り込もうとすると、いまだに日本のメディアや多くの世論が拒絶反応を示すと聞いている。 しかし、日本政府主導のオーストラリアに対する潜水艦の売り込みに関しては、ドイツやフランスとの競争に打ち勝って日本の売り込みが成功してほしいと言っている。 装甲戦闘車程度の“チャチな”武器に目くじらを立てて、新鋭潜水艦という“強力な殺人マシン”には無頓着なのは、なぜなのだろうか?」 たしかに、戦車や装甲戦闘車からは火砲が突き出しているから誰の目にも“殺人マシン”に映り、何をするのか分からない潜水艦は「どんどん輸出しろ」というのでは、まさに平和ボケここに極ま
現在、オーストラリア海軍の次期潜水艦計画は、日本の官民連合、ドイツ、フランス企業からの最終提案を受け、共同開発・生産のパートナーをいずれかに決定する段階にある。ターンブル豪首相は先週、就任後初の訪米を行ったが、豪メディアによると、その際行われたいくつかの会談でも次期潜水艦が話題に上ったそうだ。米政府の公式の立場は、豪政府の決定を尊重するというもので、オバマ大統領を始めとする政府要人はいずれかに肩入れする発言を控えている。だが、米政府高官や米軍幹部が日本の潜水艦の採用を望んでいることは、さまざまな形で表現されており、豪政府にとっても思案材料となっているようだ。 ◆米政府が日本の潜水艦の採用を望む4つの理由とは オーストラリアの次期潜水艦計画をめぐっては、日本、オーストラリア、アメリカそれぞれに思惑がある。日本にとっては、積極的平和主義を推進する上で、オーストラリアとの安全保障・防衛協力を深め
オーストラリア政府が計画する次期潜水艦の受注を目指す三菱重工業の宮永俊一社長は11日、シドニーで日本メディアの取材に応じ、「日本の防衛産業の技術力を維持するためにも、友好国との仕事や交流は非常に重要だ」と、受注に改めて強い意欲を示した。 宮永社長は8日からの豪州訪問で、西部パースや南部アデレードなどで潜水艦を建造する造船施設などを視察し、関係企業幹部らと会合。首都キャンベラでは、豪政府関係者や議員らへ「日本政府や企業と協力し、プロジェクトを成功させる決意や準備ができていると伝えた」という。 予算総額が4兆円を超えるとされる豪潜水艦計画では、共同開発相手としてドイツ、フランスの企業も名乗りを上げ、雇用創出などで地元経済に貢献するため「豪州国内での建造」をアピールしている。宮永社長によると、訪問中に関係者らから何度も「最初の潜水艦から豪州で建造する用意はあるか」と質問され、「要望があれば喜んで
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