(英エコノミスト誌 2014年11月29日号) 日本はドイツの再生可能エネルギーの混乱から学ばなかった。 福島の巨大な原発の廃墟から約130キロ北西に行った場所で、中小企業を営む佐藤弥右衛門氏が太陽光発電ビジネスに乗り出した。佐藤氏は土地を借り、人員を雇い、地元の投資家と銀行から8000万円の資本を調達した。 彼の会社は、およそ700世帯分の電力を生産できると話している。だが、地元の電力会社は同社の発電量の4分の1以上を買い取ることを拒否している。 日本は福島の惨事を受け、原子力のない暮らしを目指す取り組みの一環として、2012年に世界最高の部類に入る再生可能エネルギー買取価格を設定した。電力会社は佐藤氏のような新規生産者に対して、1キロワット時当たり42円支払うよう命じられた。これほど高い買取保証価格の約束に、120万件超の申請が殺到した。大半が太陽光発電の設備設置だ。 高額買取の保証で