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2009年、当時ロードアイランド州ニューポートの海軍大学校の教授だった歴史家のデイビッド・カイザーは、スティーブ・バノンと名乗る男からの電話を受け取った。 バノンは、自身が制作していたドキュメンタリー映画のため、カイザーにインタビューを求めた。バノンは、歴史家のウィリアム・ストラウスとニール・ハウの作品に基づいたドキュメンタリーを作っていた。ストラウスとハウを研究していたカイザーはバノンのことを全く知らなかったが、インタビューを受けることに同意した。カイザーは保守派活動グループ「シティズン・ユナイテッド」のワシントン本社に出向き、インタビューを受けた。当時バノンは、そこで働いていた。 カイザーは、ストラウスとハウについてバノンが豊富な知識を持っていたことに感銘を受けた。ストラウスとハウはアメリカの歴史は4つのサイクルを繰り返していて、重大危機から目覚めへ、そしてまた重大危機へとめぐっている
「オルタナ右翼(Alt-Right)」の論壇となったニュースサイト『ブライトバート・ニュース』は、トランプ政権の「黒幕」スティーブ・バノンが2007年の創設時から関わり、2012年から経営者となった。バノンと「オルタナ右翼」が結びつけられて語られるゆえんだ。だが、両者の結びつきは単純ではない。また、「オルタナ右翼」=「白人至上主義」ないし「白人民族主義」と一本線でつなぐのも、考えものだ。そこには複雑な経路がある。連載の(4)ではそのことを考えた。定義の難しい「オルタナ右翼」の内部の多様性についても、ブライトバートの編集幹部である若手論客ミロ・イァノプロスらの「主流派保守のためのオルタナ右翼ガイド」を手掛かりに探ってみた。【「トランプの黒幕『バノン』の世界観(4)『オルタナ右翼』の淵源と多様性」2017年2月17日】
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