ウクライナの窒素肥料工場、操業再開 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
化学肥料は、今書いている論文の題材の一つなので、時々当ブログに登場する。 こちらの記事の要旨。ウクライナの一連の窒素肥料工場のうち、４箇所をオリガルヒのD.フィルタシ氏が経営するOstchemが傘下に収めている。そのうち３工場、チェルカスィ、リウネ、セヴェロドネツィクの各工場は、３ヵ月にわたって操業を停止していたが、このほど操業を再開した。同社の広報が発表した。現時点では、Ostchemが注力しているのはウクライナ国内市場であり、国内の農業生産者への供給を最優先している。３工場合計の生産能力は月産35万ｔであり、これは2017年の秋蒔き播種作業の需要を満たすのに充分である。今回の操業再開は、政府の国際貿易省庁間委員会が５月に、ロシア産の窒素肥料、尿素、尿素アンモニア混合にアンチダンピング関税を課す決定をしたことによって可能となった。 ブログランキングに参加しています １日１回クリックをお願
ウクライナ肥料業界、輸入代替を唱える : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
ウクライナのUNIAN通信のスマホアプリは、以前は「共有」ができず、情報の後処理にとって不便という欠陥があったが、久し振りに利用してみたら、「共有」できるようになっていた。そこで、改善記念に、UNIANの記事を使って１本お届けしたい。 こちらの記事によれば、ウクライナの化学産業業界団体である「化学同盟」は、化学肥料の輸入代替の必要性を唱えている。同団体によれば、2016年にウクライナは149.5万ｔの窒素肥料、139.9万ｔの硝酸ナトリウム、36.8万ｔのリン酸アンモニウムを輸入し、約305億グリブナの費用を費やした。このうち、窒素肥料の149.5万ｔは完全に自給して120億グリブナを節約することが可能だし、硝酸アンモニウムも90万ｔは国産化し90億グリブナの節約が可能である。つごう、210億グリブナをウクライナは節約できるのだ。しかも、輸入の70％はロシアからであり、それだけの資金が国外
ウラルカリの株20％をベラルーシ企業が取得 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
先の週末には、肥料産業についてのレポートのまとめ作業をやっていて、まとめ作業に没入するあまり、重要なニュースを見落としていた。こちらの記事などが伝えているとおり、ロシアのカリ肥料の最大手企業であるウラルカリ社の株式20％を、ベラルーシのユラス・オイル社が買い上げたということである。この20％は、ロシアのオネクシム・グループが保有してきたもので、ロシアの窒素肥料大手のウラルヒム社による買収が取り沙汰されていた。ドミトリー・マゼピン会長率いるウラルヒムは、すでにウラルカリの株19.99％を保有しており、ウラルカリと経営統合して経営の主導権を握る気満々でいた。ただし、現時点で株の取得に必要な資金が得られず、交渉が長引いていた経緯がある。そこに、突如ベラルーシのユラス・オイル社が買い手として現れたというわけである。ユラス・オイルはドミトリー・ロビャクという今のところ無名の実業家が経営し、ベラルーシ
ロシア系の肥料大手ユーロヒムがブラジル販社買収 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
こちらの記事によると、ロシア系の肥料大手「ユーロヒム（エヴロヒム）｣社はこのほど、ブラジルの販売会社Fertilizantes Tocantinsの株式の50％＋１株を取得した。ラテンアメリカ市場での販売強化に向けた措置。取引は、規制当局の許可を受けた上で、８月末に完了する。Fertilizantes Tocantinsは2003年に設立され、2015年の販売量は74万ｔだった。ユーロヒムは本部をスイスに置き、ロシアだけでなく、ベルギー、リトアニアでも肥料を生産している。ユーロヒムは世界市場で５位以内に入るという大胆な目標を掲げている。 ブログランキングに参加しています １日１回クリックをお願いします
専門家はグロドノアゾトのロシア資本への身売り提唱 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
ベラルーシにグロドノアゾトという窒素肥料メーカーがあり、以前からロシア資本の傘下に入り原料の天然ガスの供給を万全にすることが課題となっていたが、ルカシェンコ政権はロシア側の提示する買収額に難色を示して交渉が進展しないということが何年も続いてきた。ロシアのガスプロム子会社、フォスアグロ、エヴロヒムなどとの交渉が成果なく終わり、この５月にはグロドノアゾトが独自で10億ドル以上を投資し窒素肥料生産の新設備の導入に踏み切った。この問題に関し、こちらの記事によれば、ベラルーシの投資会社「ユニテル」のアンドレイ・デレフ会長が、ベラルーシはより柔軟に交渉に当たってロシア資本への身売りを進めるべきだという考えを表明した。先日開かれたサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの場でインタビューに応え、見解を述べたものらしい。以下はデレフ会長の発言要旨。 ベラルーシ政権は、危機的な状況下では、投資家に最大限の誠意
ウラルカリ社に関する話題いくつか : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
ロシア最大手のカリ肥料メーカー、ウラルカリ社に関する話題をいくつか。全般に経営状況が芳しくないようだ。 こちらの記事によれば、ウラルカリの純債務は2015年末時点で53億7,700万ドルで、これは年間EBITDAの2.8倍に相当する。そして、2016年６月末時点では、EBITDAの４倍にまで拡大する見通しである。下半期については、市況、中国およびインドとの関係などの要因に左右される。 こちらの記事によれば、ウラルカリは当初、2016年に400億～450億ルーブルの投資を予定していたが、その計画を220億ルーブルまで縮小することを決定した。 なお、以前ロシアのウラルカリ社とベラルーシのベラルーシカリ社は共同販売会社を設立して蜜月時代を築いていたが、2013年に破局した経緯がある。こちらの記事によれば、ベラルーシのルカシェンコ大統領はこのほど、ウラルカリと再び組むことはありうるが、我々の条件を
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東京都が下水汚泥から「リン」回収の専用プラント JA全農と協力し肥料の原料に…輸入頼みの脱却へ一歩：東京新聞 TOKYO Web
Albin Szakola on Twitter: "Russian military police arrested employees of Syria General Fertilizers Company in Homs after they angered Russian… https://t.co/lqCj8LuNcp"
High Time for Privatization in Ukraine : Atlantic Council
『Lithuania, Estonia Cut Russian Imports』へのコメント
Lithuania, Estonia Cut Russian Imports