オバマ政権は安倍首相の戦後70年談話に「お詫び」は求めていない。米ホワイトハウスで会見するバラク・オバマ大統領(2015年8月3日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News〕 だが、米国のオバマ政権は、「反省(Remorse)」の表明は期待はしても「謝罪(Apology)」の具体的な表明は求めてはいないことが、同政権当局者の8月7日の発言で明らかになった。 中国や韓国、そして日本の一部では、「米国政府が安倍首相の謝罪表明を求めている」として圧力をかけているが、どうも実態は異なるようだ。 「首相の発言を予断することはしない」 8月7日の定例会見におけるオバマ政権のマーク・トナー国務省報道官の発言を、質疑応答の原文のまま紹介しよう。政権全体の対外的な公式見解は、この国務省での報道官の発言に代表される。 戦後70年談話について質問したのは米国人記者だった。 記者 「国務省当
来年の米大統領選に共和党から名乗りを上げた不動産王、ドナルド・トランプ氏が、韓国をこき下ろしている。米韓の軍事協力に絡み、「米国は韓国を守る必要がない」などと繰り返し主張しているのだ。共和党の指名争いで台風の目となっている注目候補から「韓国放逐論」が飛び出した背景には、米中間で「二股外交」を繰り広げる韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権への、米国民の不信感が垣間見える。朴氏は中国の軍事パレードを参観する決断をしたが、怒りを倍増させかねない。 軍事境界線を挟んで、韓国と北朝鮮が一触即発の緊張状態にあった21日、トランプ氏は米国のラジオ番組に出演して、朝鮮半島情勢について、次のように語った。 「テレビ4000台を注文した。製品はみな韓国から来る。彼らは莫大な金を得る」「にもかかわらず、米国は軍隊を(韓国に)送り、そこで彼らを防衛する態勢を整える。しかし、米国が得るものは1つもない。これは話にならない
4月29日、安倍晋三首相が米議会で演説を行った。両院合同会議での英語のスピーチ、いずれも日本の首相としては初めてだ。練りに練った内容であることは分かっていたが、一抹の不安もあった。 一部邦字紙は「米で評価二分」などと批判していたが、実際の米国での評価は予想以上に高かったようだ。 こうした「米国の評価」と対照的だったのが中国と韓国の反応だ。中韓は対日政策で戦術転換を迫られるのか。今北京とソウルは一体何を考え、この日米蜜月にどう対応していくのか。 今回は、現時点での限られた情報の中から、中韓両国の今後の対日政策の行方について考えてみたい。 米国の評価 いつもの通り、関連報道をまとめてみよう。4月30日現在、欧米主要紙報道はまだ出揃っていないが、批判的論調は一部下院議員の発言を引用したものであり、どちらかと言えば好意的な論調の方が多いようだ。ここに代表的報道の一部を再録しよう。当然ながら、米政府
安倍首相は28日にワシントンで日米首脳会談に臨み、翌日、米議会の上下両院合同会議で演説を行う(写真は2014年4月のオバマ大統領来日時の共同記者会見)〔AFPBB News〕 米国政府と日本政府は生真面目に、仲間の民主主義国、市場経済国として両国が「共有する価値観」について語ることを好む。 だが、面白い言葉遣いがないにもかかわらず、日米関係は戦後の国家間関係として最も緊密で最も永続する関係の1つだ。 両国はテロリズムから知的財産に至るまで、大半の問題について一致協力している。 第2次世界大戦の灰の中で築かれたその親密さは、イデオロギーの枠にとどまらない。両国は具体的な形で互いに大きく依存している。 注目される安倍首相の米議会演説 米国は日本のことをアジアにおける自国の代理人と見なしている。債務を賄ううえでも日本を頼りにしている。米国債を最も多く保有している国は、僅差とはいえ、中国ではなく日
会談はサプライズか 今回は複数の記者から「突然の首脳会談に驚いたか」と問われた。どうやら、内外マスコミの一部にとって首脳会談の実現はサプライズだったらしい。 報道によれば、日中外交筋が(今回の首脳会談は)「短時間ならできるかもしれない」との見通しを示したのは会談前日だったそうだから、驚くのも無理はない。 しかし、会談実現には様々な仕かけがあったはずだ。常識的に考えれば、日本側はかなり前から中国側に会談を打診していたに違いないと思うのだが、いずれにせよ、当然、中国側はすぐにOKを出さない。 様々なやり取りを経た後ゴーサインが出たのは最後の段階だろう。これが中国側の常套手段である。 日本側は中国側からゴーサインが出ない限り情報をリークしない。確証のないまま「首脳会談の可能性」を表に出せば、会談が実現しなかった時のダメージが大き過ぎるからだ。 もちろん、中国側は中国側で、この種の情報はリークしな
安倍晋三首相は4月29日に日本の首相として初めて米上下両院合同会議で演説する。写真は都内で開かれた国連創設70周年記念シンポジウムで演説する安倍首相(2015年3月16日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News〕 安倍晋三首相の米国議会での演説に日本の戦争行動への謝罪は期待しないという向きが米国には確実に存在する――ワシントンの米国議会を実際に取材して、こんなことを痛感させられた。戦時の過去よりも戦後の日本の実績を優先して語ってほしいという議会側の意向を直接聞かされたのだ。 「安倍首相は、米国議会での演説について米側からの助言は特に必要としないでしょう。何を述べるべきか、彼自身に適切に判断する能力が十二分にあるからです」 ジム・タレント前上院議員は強い口調で答えた。まず、この発言が新鮮に響いた。安倍首相が4月29日に米国連邦議会上下両院合同会議で日本の首相とし
日本が謝罪を繰り返すことに反対する意見も オバマ政権周辺からは、安倍首相が「過去」に関して「植民地支配」「侵略」「謝罪」というような言葉を述べるべきだという要求や期待の情報が流れてくる。もし安倍首相がこの要求に従うと、戦後70年談話と合わせ、わずか3カ月あまりの間に2度も対外的な謝罪を繰り返すことになる。 だが、議会の絶対多数派の共和党議員の思考や言動を熟知するタレント前議員はまったく異なる期待を示す。日本に過去の戦争がらみの謝罪などを求めることはなく、過去に目を向けるのならば、戦後の早い時代の米国との協調を語ってほしい、というのである。日本の首相を戦争がらみの過去の事案を理由に非難するという姿勢はまったく見られない。 こうした態度は共和党政治家の多数に共通していると言ってよい。例えば上院共和党では、マケイン議員や、大統領選にも名乗りをあげそうな若手のマルコ・ルビオ議員が、安倍首相の靖国参
米国務省のラスキ副報道官代行は5日、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が、安倍晋三首相の米議会演説で歴史問題について謝罪がなかったと批判したことについて、直接の論評は避けつつ、「(首相の)訪問がとても成功だったことは明らかだ」と語った。朴大統領の批判には同調しなかった。 朴大統領は4日、安倍首相の米上下両院合同会議での演説について「慰安婦の被害者をはじめ歴史問題について真に謝罪することで、隣国の信頼を強化できる機会を生かせなかった」と批判。米国でも多くの批判があると語っていた。 これについて、ラスキ氏は「何度も述べたように首相の訪米は成功で、首相の(米国などとの)和解に対する前向きなメッセージに感謝する」と述べた。 米議員やメディアの一部には、… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
安倍総理大臣の演説について韓国政府は声明を出し、「正しい歴史認識も真の謝罪もなく、非常に遺憾だ」と述べて強く反発しました。 そのうえで、「日本は植民地支配と侵略の歴史、そして従軍慰安婦に対する残酷な人権じゅうりんの事実を直視して、周辺国と和解の道に進まなければならない」と述べました。 韓国では、先週、インドネシアで日中首脳会談が行われたのに続き、日米関係がさらに緊密になったことで外交的に孤立したとして対日政策を見直すべきだという声も上がっていましたが、今回の演説に対しては韓国メディアからも一斉に批判の声が上がるなど反発が起きています。 また、中国外務省の洪磊報道官は、30日の定例の記者会見で、「中国は日本政府や指導者に対して、歴史に対し責任ある態度で、村山談話を含め侵略の歴史を直視し、反省するという約束を守るよう、一貫して求めている」と述べ、中国政府としての従来の立場を繰り返しました。
【ワシントン=青木伸行】米下院が15日に可決した2014会計年度の歳出法案に、「解説書」という形で、慰安婦問題に対する正式な謝罪を日本政府に働きかけるよう求める項目が盛り込まれた。 中国、韓国系団体のロビー活動を背景に日系のマイク・ホンダ議員が主導したもので、カリフォルニア州での新たな「慰安婦」碑設置や、バージニア州における教科書への「東海」併記の動きと合わせ、日本の巻き返し戦略が改めて問われている。 法案に盛り込まれた解説書は、2007年にホンダ議員の主導で下院で可決された、慰安婦問題に関する対日非難決議の履行を日本に働きかけるよう、国務長官に促す内容。07年の決議は、「河野談話」をふまえて正式な謝罪を求めている。 解説書に法的拘束力はないが、今回、法案に実質的に中韓の主張と意向が反映される結果となったことは、河野談話が「負の遺産」として影響し続けていることを示している。また、官民挙げて
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