安全保障問題専門家(元・国連安保理北朝鮮制裁専門家パネル委員)古川勝久さん 「こんにちは! 徐社長!」 2018年8月2日、大阪市西区にある美濃物流株式会社の徐正健社長は、中国・大連市所在の物流会社の中国人女性(A氏)からソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて初めて連絡を受けた。日本から酵素飲料を中国に輸入したいので、日本側で輸出代行業務をお願いしたいとの話だった。知人の紹介である。 「早く進めましょう」「今後、御社の取引量は増えますよ」 当時のSNSの通信記録を見ると、A氏は徐社長に取引を積極的に持ち掛けていたことがわかる。だが8月14日になると突然、話の流れが変わった。 「大連から日本向けの貨物輸送業務をお願いしたい」 コンテナでメルセデス・ベンツ2台を大連港から大阪港まで送るので、それを他の船に積み替えて中国に再度戻してほしいという。大連港では車両の積み替えが規制さ
朝中間の国境は、鴨緑江と豆満江の二本の河川を国境としている。その長さは合わせて約1400キロに及ぶ。12月末から3月中旬までの厳寒期、両河川はほぼ完全に凍結する。ダンプカーが通っても氷は割れないほどだ。国際社会による強力な経済制裁が続く中、国境地帯で密輸が大規模化していることが分かった。 中国吉林省に住む取材協力者は、昨年12月に鴨緑江の密輸状況について現地に赴いて調べ、次のように伝えてきた。 「中国から自動車をはじめとする密輸が続いている。米国が衛星で監視しているため当局の取り締まりが厳しくなり、(下流の)丹東、(豆満江沿いの)琿春付近で北朝鮮に密輸されていた物資が鴨緑江上流の長白県に集められている。中国人の貿易商たちも大勢集まってきている」 関連記事 <北朝鮮内部>困窮軍人が国家機関の密輸現場を襲う 下士官死亡の事故も 長白県の対岸は北朝鮮の両江道恵山(ヘサン)市だ。この付近は川幅が狭
◆早くも5月に100隻出没 日本海のイカ漁シーズンが幕を開けた。 石川、山形、北海道などの漁業者にとっては、昨年、北朝鮮のイカ漁船が日本の排他的経済水域の好漁場に押し寄せてきたことは記憶に新しい。 操業に支障が生じただけでなく、約100隻の漂流船が日本海沿岸に漂着、遺体も30体以上に上った。北海道松前市の無人島に上陸した北朝鮮漁民が施設を荒らす事件もあった。 【写真特集】 北朝鮮の船 海上保安庁の巡視船に放水される漁船など(15枚) これらの船は、一部の海洋学者が主張するような工作船の可能性はない。現金収入を得るために無理をして日本近海まで遠征してきたイカ漁船である。 イカ漁は儲かる。良質のイカは主に中国に輸出され貴重な外貨収入になっている。海産物は北朝鮮の2016年の輸出額3位で、200億円程度を稼いでいる。イカもその一翼を担う貴重な外貨稼ぎ源だ。 ◆経済制裁でイカ漁大打撃だったが 昨年
制裁解除に中国企業の期待も大きい。吉林省で長く朝中ビジネスの仲介をしてきた朝鮮族のAさんのもとには相談と依頼が殺到している。アジアプレスの電話取材に、Aさんは次のように答えた。 「制裁解除を今か今かと待つ中国企業が押し寄せている。貿易だけでなく、鉱山開発や建設投資の相談が多い。中国では工場稼働の環境基準が厳しくなったため、汚染物が出る鉱物の精錬工場を北朝鮮に移転したいという相談がいくつかあった。建設会社からは、北朝鮮にビルやアパートを建てて販売する事業のパートナーを紹介してほしいと頼まれている。 単発の貿易だけでなく、北朝鮮側との合弁事業を望む会社が多く、両国の担当者が往来して面談を続けている。だが、合弁は制裁が解けないとできないので、今のところはまだ相談だけだが、期待はとても大きい」 朝中国境貿易の最大の拠点、遼寧省の丹東市でも、制裁解除を当てにした動きが活発化している。アジアプレスの中
北朝鮮にシャンプーなどの日用品や調味料、ウイスキーなどの酒を不正に輸出したとして、大阪府警は17日、ともに中国籍で貿易会社経営の男(41)=東京都北区=と別の会社の役員の男(42)=埼玉県戸田市=を外国為替・外国貿易法違反(無承認輸出)の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。 北朝鮮では日本製の日用品が重宝され、府警は高値で取引された可能性があるとみている。1人は輸出したウイスキーなどの酒について「(故・金正日(キムジョンイル)総書記にちなんだ)北朝鮮の記念日に合わせて送って欲しいと依頼を受け、輸出した」と供述しているという。 捜査関係者によると2人は共謀し、2014年12月~16年1月、日本政府が経済制裁で輸出を禁じる北朝鮮に、横浜港から中国・大連の会社に輸出するよう装って、シャンプーやガスコンロ、とんかつソースやケチャップなど輸出申告額計約2400万円分を船で不正に輸出した
【瀋陽=中川孝之、ワシントン=大木聖馬】北朝鮮が石油精製品を公海上で積み替えて密輸している問題で、中国企業がロシア企業からの密輸を手助けしている実態が、読売新聞が入手した契約関連文書から明らかになった。 中露朝の密輸ネットワークは、北朝鮮への石油供給を制限する国連安全保障理事会の制裁の大きな抜け穴と言える。日米韓の当局も密輸網の存在を把握しており、監視を強化している。 中国企業は、北朝鮮がロシア産の石油精製品を洋上で受け取るタンカーを提供したり、代金決済を仲介したりするなど、ロシアと北朝鮮をつなぐ役割を果たしていた。 読売新聞が入手した文書や、北朝鮮関係筋の証言によると、中露企業が関与する密輸は、国連安保理が北朝鮮への石油精製品輸出に初めて上限を設けた2017年9月の制裁決議に先立ち、17年6月頃に始まった。
LONDON/MOSCOW (Reuters) - Russian tankers have supplied fuel to North Korea on at least three occasions in recent months by transferring cargoes at sea, according to two senior Western European security sources, providing an economic lifeline to the secretive Communist state. The sales of oil or oil products from Russia, the world’s second biggest oil exporter and a veto-wielding member of the Uni
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