<中国の地方の経済成長率は誇大報告が多いことで知られるが、昨年の遼寧省の実質GDP成長率はマイナス2.5%、名目GDPは実に23.3%も減少した。これは「中国版ラストベルト」の景気低迷、そして積年の統計の誇大報告を解消しようとして起きたものだ> 1月末に2016年の中国の経済成長率が6.7%だったと速報されたが、同じころ各省の昨年の成長率の速報値も発表された。 そのなかで特に目を引くのが遼寧省のマイナス2.5%という数字である。中国の地方政府が成長率を誇大に報告する傾向があることはつとに知られており、現に2016年も国全体の成長率より低い数字を出したのは遼寧省以外には山西省(4.5%)と黒竜江省(6.1%)だけで、相変わらず誇大報告を続けている地方が多かった。そうした中で、成長率がマイナスというのは極めて異例である。これは遼寧省政府が正直者だというよりも、遼寧省から中央に対する何らかのメッ