◆私が国民投票で欧州連合(EU)残留に投じた理由は明白で、(英国は)今日まで約45年間、EUあるいはその前身の国際機関に加わることで、国として恩恵を受けてきたからだ。我々の経済の強さも欧州経済と密接に結びついてきた。今EUから離脱し、不確かな未来を選ぶのは非合理的だと思う。 <イアン・カーショー氏はヒトラー研究の世界的権威として知られるドイツ近現代史研究者。シェフィールド大名誉教授で英国学士院フェロー> ◆多数の人が離脱に投じたのには大きく二つの理由がある。まずEU内からの移民流入を鈍化させたい、止めたいというもの。次にナショナリズムと新自由主義が結びついたものだ。だが主には移民流入の停止や削減を望むことが推進力となったと思う。EUの「四つの自由」(人、モノ、資本、サービスの移動の自由)の下、EUの国から人々が英国に働きに来る。EUに残る限り、これらの人々の流入を止めたり削減したりすること