■労働問題への対処法を紹介 本紙夕刊(一部地域)で長く連載されている「働く人の法律相談」。著者は日本労働弁護団の17人の弁護士陣だが、彼らの連載が1冊にまとめられた。 本書では直近4年分の記事が基礎になっている。事例も数多く、労働法制や判例は現時点で有効。内容は実際に労働問題に役に立つ手引にもなるうえ、現代の労働問題をざっくり理解できる本でもある。 テーマ別に9章あるが、パワハラとセクハラ、有期雇用と派遣、リストラと解雇、賃金の四つは記事数が多い。それだけ事例も多いということだろう。残業代未払いなど定番の問題もあるが、新しいもめ事もふんだんに盛り込まれている。 「休職中に海水浴、SNSでばれたら」「ネットに仕事のグチを書いたら」などうかつな若者に起きがちな問題も取り上げられる一方、追い出し部屋や新型リストラのPIP(業務改善計画)など昨今中高年向けに広がる陰湿な手法も俎上(そじょう)に乗る