【読売新聞】 大阪と 平壌 ( ピョンヤン ) に住む家族を26年にわたり撮り続けた、在日コリアン2世の映画監督。3人の兄は10代の頃、両親に送り出され、北朝鮮に移住したまま戻れなくなった。その後悔を抱きつつ、北を祖国と選んだ人生を
在日朝鮮人の民族教育を目的につくられた朝鮮大学校が小説の舞台。著者のヤンさん自身も東京の郊外にあるキャンパスで青春時代を過ごした。 主人公のパク・ミヨンは在日コリアン2世。演劇の勉強を夢見て大阪から上京するが、大学校の生活指導員は「ここは日本ではありません」。民族主義を前面に押し出す教育に反発するようになり、北朝鮮を絶対視する先輩とも衝突する。ミヨンは言う。「なんでも従いますという無責任な人が賞賛されるなんて納得出来ません」 在日であることを気にしないという美大生の恋人の言葉にも違和感を覚える。「気にしない」というのは、「それ以上は知るつもりはないということ」。知識がないから差別や不寛容が生まれる。そんな思いを込めて描いた場面だ。 ヤンさんは「コリアタウン」がある大阪市生野区生まれ。父(故人)は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の幹部を務めていたという。帰国事業の旗振り役も務め、ヤンさんの兄
ヤン ヨンヒ監督の新作ドキュメンタリー「スープとイデオロギー」が評判である。2度、3度見たという人も少なくない。韓国でも10月から全国上映が続いている。何度も見たくなる映画というのはダシがよいからである。済州4.3事件、「総連バリバリの家庭」、北朝鮮に渡った3人の兄、新しい日本人の相棒、母の老い。そしてヤンさんの表現者としての葛藤と突破の覚悟も、ダシとなって染み出ている。「スープとイデオロギー」に至るまでに何があったのか? ◆朝鮮大学校の卒業生たち 私がヤン ヨンヒさんと初めて会ったのは1993年初めの寒い日の夕暮れ時だったと記憶している。朝鮮大学校の卒業生で構成する劇団「パランセ」(青い鳥の意)の大阪市内の稽古場を取材で訪れた時だった。中心俳優の一人だったヤンさんは、長い体躯を折りたたむようにして稽古に備えてストレッチをしていた。 稽古場には朝鮮語と日本語の混ざった、いわば「ちゃんぽん言
北朝鮮のミサイル発射実験が止まらない。2022年の発射数はこれまでの最多記録を更新し、合計100発近くにものぼる。11月18日に打ち上げられた最新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17型」はアメリカ全土を射程に収める可能性があり、金正恩総書記は「核兵器の先制使用も可能」と嘯く。 だが、厳しい経済制裁下にもかかわらず、北朝鮮はなぜ核・ミサイル開発を続けることができたのか?――その謎を解くカギになるのが、世界平和統一家庭連合(以下、統一教会)から北朝鮮への送金である。 米国防総省(ペンタゴン)情報局(DIA)は、統一教会が4500億円もの巨額の資金を北朝鮮に送金していたとの情報を掴んでいたことが、「文藝春秋」の調査で判明した。
Published 2022/09/17 06:01 (JST) Updated 2022/09/17 10:13 (JST) 日本政府が安倍政権当時の2014~15年ごろ、政府認定拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=と、拉致の可能性を排除できないとしている金田龍光さん=同(26)=の「一時帰国」に関する提案を、北朝鮮から受けていたことが16日、分かった。提案に応じれば拉致問題の幕引きを狙う北朝鮮のペースにはまりかねないと警戒し、拒否していた。複数の交渉関係者が明らかにした。拉致問題解決を目指した小泉純一郎首相(当時)の初訪朝から、17日で20年となった。 2人に関して「妻子と共に暮らしている」と北朝鮮が説明したことは判明しているが、一時帰国の提案が明らかになるのは初めて。
北朝鮮の体育省は、この夏の東京オリンピックについて、「新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機状況から選手たちを守るため」だとして参加しない方針を明らかにしました。 これは北朝鮮の体育省が運営するウェブサイト「朝鮮体育」が5日付けで明らかにしました。 それによりますと、「先月(3月)25日にピョンヤンで、オリンピック委員会の総会が開かれ、委員たちの提議にしたがって第32回のオリンピックに参加しないことを決めた」としていて、この夏の東京オリンピックに参加しない方針を明らかにしました。 理由について、「新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機状況から選手たちを守るため」だとしています。 北朝鮮の国営メディアは、オリンピック委員会の総会が先月25日に開かれたことは翌日、報道しましたが、東京オリンピックへの対応については触れていませんでした。 北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染者は国内に1人も
北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さんの母嘉代子さんの死去について記者団に語る安倍晋三首相=首相官邸で2020年2月6日午後2時27分、川田雅浩撮影 安倍晋三首相の辞任表明に、北朝鮮による拉致被害者の家族から驚きと不安の声が漏れた。 「突然のことで、どう言ったらいいか判断がつかない」。被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の兄で、拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(82)は戸惑いをあらわにした。 安倍首相は首相就任以降、すべての被害者の帰国に全力を尽くすと強調し続けてきたが、解決のめどは立っていない。一方で家族の高齢化は進み、今年2月には有本恵子さん(同23歳)の母嘉代子さんが94歳で、6月には横田めぐみさん(同13歳)の父滋さんが87歳で亡くなった。飯塚さん自身も体調が優れない日が続く。「焦りはある。このままではどんどん時が過ぎるだけだ」と語気を強め、安倍首相には「(後継に)しっかりし
朝鮮学校の子供たちの教育支援のため、ささやかな寄付をした。ショーヴィニスト政権の下で、補助金が打ち切られているからである。 彼らの祖国が、我々の安全にとって脅威や損害を与えているとしても、そのことは、我々の隣人の子供たちの教育を受ける権利が奪われてよい理由には少しもならない。また、彼らの受ける「民族教育」のある部分に批判的な人もいるかもしれないが、我々の友好的批判が少しでも 聴き届けられるのは、彼らの教育に対して我々が十分な支援と貢献をしている場合だけであろう。 私の立場を見て、政治的リアリズムの欠如とか融和主義と即断する向きもあろうから、「拉致問題」について表明した私のリアリズムについて、再度参照を乞いたい(2011年12月9日「脱北者」、2005年6月24日「スピノザ的政治」)。私は、スターリン主義者と対決する必要が時にあることを否定しない。ただ、その場合も、スターリン主義自体の中にも
横田滋さんが死去したことについて、記者の質問に答える安倍首相=東京都渋谷区の私邸前で2020年6月5日午後8時6分(代表撮影) 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、横田滋さん(87)が死去したことを受け、安倍晋三首相は5日、「(妻の)早紀江さんと共に、その手でめぐみさんを抱きしめる日が来るように全力を尽くしてきたが、実現できなかったことは断腸の思い、本当に申し訳ない思いでいっぱいだ」と目に涙を浮かべながら述べた。東京都内の私邸で記者団の取材に応じた。 首相が「政権の最重要課題」に掲げる拉致問題だが、日朝間の交渉は停滞し、首相が前提条件をつけずに呼びかけた金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談も実現の見通しが立っていない。
北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射のたびに、日本政府は北朝鮮に対して「抗議」をしている。その際に使う連絡手段として日本政府が必ず説明するのが、「北京の大使館ルート」だ。だが、その内容は秘密のベールに包まれている。一体どのように「抗議」しているのか――。 2日夕、自民党本部で急きょ開かれた北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部の会合。「抗議は本当に北朝鮮に伝わっているのか!」。出席議員が外務省の幹部らに、北朝鮮への抗議の手段を問い詰めていた。 この日朝、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下。弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会の決議違反でもあり、政府は「北京の大使館ルート」を通じて、北朝鮮に「厳重に抗議」をしたと表明していた。 非公開の会合の出席者によると、外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長が「どのような形で抗議したかは
山形県警は6日、1983年に行方不明となり、北朝鮮による拉致の疑いが否定できない特定失踪者とされた山形県出身の斎藤武さん=当時(38)=が、国内で遺体で見つかったと発表した。拉致の可能性はないとしている。
私は以前学生の頃、韓国の留学生と話していた時、この『アリランの歌』をぜひ読んでほしいと勧められたことがあった。そのころ手ごろに入手できなかったためか、長い間読まずにきた。 しかしこの度手にとってみて、これまで読まずにきたことが悔やまれる。そのとき彼がどんな気持ちで「読んで見てくれ」と話したのか、その気持ちをいまさら考えてしまうのである。 本書は、アメリカ人ジャーナリストのニム・ウェールズ(エドガー・スノーの元妻)が、中国革命の聖地延安に乗り込んでいたとき、偶然に巡り合った朝鮮革命の闘士の身の上話を聞き、それを克明に書き留めたものである(こんな所にもアメリカ人ジャーナリストたちの底力を見るべきだろう)。キム・サンというのはその闘士の偽名(のひとつ)である。 1919年3・1独立決起の時、キム・サンはわずか14歳の中学生だった。キリスト教系の学校に通っていたのだが、先生が突然ウィドロウ・ウィル
※本記事は『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」』に収録している文化放送「くにまるジャパン極」の放送内容(2019年7月5日)の一部抜粋です。野村邦丸氏は番組パーソナリティです。 「仕組まれた」米朝電撃会談 邦丸:6月28、29日に大阪でG20サミットが開かれました。その後にトランプ大統領が韓国を訪問して、38度境界線の板門店(パンムンジョム)に行くというところまでは、みな知っていたことなんですが。その後まさか北朝鮮の金正恩さんと会って、国境を超えて北朝鮮の領土内までに入るなんて、誰も考えてなかった。 映像をご覧になった方もいらっしゃると思いますけども、トランプ大統領に随行しているシークレットサービスから報道人まで、大混乱でしたよね。本当に急に行われたことは、ある程度映像を見ていれば手に取るようにわかったんですが、これ正直、日本の外務省としても相当びっくりしたんじゃないですか。 佐藤:相当
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