ベリヤ―スターリンに仕えた死刑執行人 ある出世主義者の末路 メディア: 単行本 ★きちんと調べたわけではないが、前に読んだタデシュ・ウィトリンの『ベリヤ 革命の粛清者』とこの本が、邦訳されて、なおかつ本屋や図書館手に入るベリヤ本ではなかろうか。 ★しかし、粛清者、死刑執行人、出世主義者とろくな形容はされない。「革命の大天使」サン=ジュストとは大違いだ。すばらしい。 ★ロマン・グーリの『アゼーフ』がウィトリンの『ベリヤ』なら、この本は 『大スパイ 革命のユダ』か。読み物としてはウィトリンの『ベリヤ』が面白い。 ★この本は共著というか、なんというか、ベリヤについて書かれたものを集めた本、だ。だから、フルシチョフやジューコフ、モスカレンコの回想録からの抜粋も入っている。実際にベリヤの取り調べを受けたブハーリンの奥さんの回顧なんかもある。前半の大部分を占めるA.アントーノフ=オフセーエンコの「出世