【読売新聞】 大阪と 平壌 ( ピョンヤン ) に住む家族を26年にわたり撮り続けた、在日コリアン2世の映画監督。3人の兄は10代の頃、両親に送り出され、北朝鮮に移住したまま戻れなくなった。その後悔を抱きつつ、北を祖国と選んだ人生を
ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕百年記念講演会 「パゾリーニの究極の言葉」 四方田犬彦(映画史・比較文学研究者/近著『パゾリーニ』作品社刊行) イタリアの伝説的な映画作家ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-1975)の生誕百年を記念し、今秋、1100頁に及ぶ大著「パゾリーニ」(作品社)を上梓される四方田犬彦氏を講師に迎え、映画監督・劇作家・小説家・詩人・思想家として様々な問題を提起したパゾリーニについて論じていただきます。 日程:2022年11月17日(木)18:30 会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水) 東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F メッセージ 「パゾリーニは53歳の人生において、いくたびもアビューラを繰り返した」 四方田犬彦 「アビューラ」とは撤回、棄教、厳格なる否認と転位という意味だ。パゾリーニは53歳の人生において、いくたびもこのアビューラを繰り
批評家の蓮實重彥さんは、いままでにいくつも偉業を成し遂げてきた。『映画の神話学』(1979)や『監督 小津安二郎』(1983)によって日本の映画批評に革新をもたらし、『夏目漱石論』(1978)や『表層批評宣言』(1979)によって文芸批評界に波瀾を起こし、『「ボヴァリー夫人」論』(2014)というフランス文学研究の記念碑的著作を上梓したかと思いきや小説『伯爵夫人』(2016)の三島由紀夫賞受賞によって時の人となる──そんな蓮實さんが、この7月に新著『ジョン・フォード論』(文藝春秋)を刊行した。西部劇映画の監督として知られるジョン・フォードをとことん論じた同書は、蓮實さんの映画批評の金字塔として発売前から大きな期待を集めてきた。『ジョン・フォード論』に込められた思いについて、蓮實さんに話を聞いた。(入江)
もののけ姫 スタジオジブリを代表する国民的人気作品、満を持して登場! 生物学者の福岡伸一さんをナビゲーターに迎え、宮崎駿監督が構想16年、制作に3年をかけた超大作の魅力を読み解く! ジブリの教科書10 『もののけ姫』目次 ナビゲーター・福岡伸一 『もののけ姫』の生態史観 Part1 映画『もののけ姫』誕生 スタジオジブリ物語 未曾有の大作『もののけ姫』 鈴木敏夫 知恵と度胸の大博打! 未曾有の「もののけ」大作戦 宮崎 駿 荒ぶる神々と人間の戦い ~この映画の狙い~ 宮崎 駿イメージボードコレクション Part2 『もののけ姫』の制作現場 [原作・脚本・監督] 宮崎 駿 海外の記者が宮崎駿監督に問う、『もののけ姫』への四十四の質問 [作画監督] 安藤雅司 宮崎監督の隣で仕事がやれたというのは僕にとってとても勉強になりました。 [美術] 山本二三×田中直哉×武重洋二×黒田 聡×男鹿和雄 宮崎さ
POPなポイントを3行で 映画『るろうに剣心 最終章』和月伸宏インタビュー 原作者が実写『るろうに剣心』のすごい10年を振り返る 剣心役に佐藤健を推した理由やヒーロー像まで 1994年、今なお続く“神話”がはじまった──。和月伸宏さんによる大ヒット漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(以下『るろうに剣心』)の連載が、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で開始されたのだ。 かつて「伝説の人斬り」と呼ばれ、今は全国をさすらう流浪人(るろうに)となった男・緋村剣心。外見は少年のような優男だが、中身は癒えない過去を背負い、今なお罪の意識に苛まれる侍。彼の「闘いの人生」を描いた本作は、瞬く間にファンを獲得し、アニメ化やゲーム化、舞台化され知らぬ者のいない一大コンテンツへと成長を遂げた。 そして2012年。新たな“伝説”が幕を開けた。NHK大河ドラマ『龍馬伝』の大友啓史監督と俳優・佐藤健さんが組み実写映
内容紹介 東京の「上流階級」を舞台に描かれる、アラサー女子たちの葛藤と成長。 女性たちにかけられた呪いを解く、新たな物語 東京生まれの箱入り娘・華子は、20代後半で恋人に振られ、結婚を焦ってお見合いを重ねた末、ついにハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。一方、地方生まれの上京組・美紀は、猛勉強して入学した慶應大学を金欠で中退。夜の世界を経て、今はIT企業で働いている。腐れ縁の男友達「幸一郎」とのだらだらした関係に悩み中。生まれも育ちもまったく違う二人が、同じ男をきっかけに出会うとき、それぞれ新たな世界が拓けて──。 好評発売中 定価:本体640円+税 カバーデザイン:大島依提亜 イラストレーション:Janet Hill ”Mai.” ISBN:978-4-08-745875-6 〉購入はこちらから 〉試し読みはこちらから 著者紹介 山内マリコ(やまうち・まりこ) 1980年、富山県生まれ
空前絶後のアーカイブ本が発売日本を代表する映画監督・大島渚氏と、これまで手掛けてきた映画作品をめぐる記念碑的書籍ともいえる「大島渚全映画秘蔵資料集成」(国書刊行会)が、発売されることが明らかになった。 編著は、映画評論家で映画監督の樋口尚文氏。大島家、大島渚プロダクションの全面協力のもと、樋口氏が大島監督の書斎から保管庫、大島プロが管理する資料庫にいたるまで、膨大な量の資料を数カ月にわたり調査。初めて紹介する資料群を通して、大島監督の「創造」と「人間」の全貌に迫るもの。 500ページに及ぶという同書では、各所に秘蔵されていた写真、ノート類など製作時の資料図版を作品ごとに多数収録。そして、大島監督の映画製作過程、その人物像について時代背景を含めて詳細に解説していく。と同時に、大島監督本人の貴重な証言も時系列で並行して配し、激しくも豊穣な軌跡を立体的に浮き彫りにしていく。 松竹ヌーベルバーグを
2月11日に公開される映画『すばらしき世界』は、佐木隆三の小説『身分帳』をもとに、13年の刑期を終えて出所した元殺人犯・三上正夫(役所広司)が、社会でもがきながら懸命に生きる様を描いた問題作だ。この度、原案となった小説『身分帳』が復刊するにあたって、監督を務めた西川美和が作品への思いを綴った――。 初めて佐木作品に触れて 『身分帳』のことは知らなかった。 その題名も知らなければ、言葉の意味も知らない。佐木隆三さんの作品の中に、そういうものがあると知ったのは、新聞紙面に訃報が載った時だった。 「佐木さんというと『復讐するは我にあり』が有名ですし、代表作とされていますが、私としては伊藤整文学賞を受けた『身分帳』が彼の真骨頂だと思っています。犯罪者を見つめる目が温かい。犯罪を犯した人を人間として理解しようとするスタンスが彼の犯罪小説を文学たらしめたと思います」(二〇一五年十一月二日/読売新聞)と
著者:笠原 和夫出版社:新潮社装丁:単行本(223ページ)発売日:2003-06-01 ISBN-10:4104609013 ISBN-13:978-4104609017 90年代初頭、まだ新人映画監督であった北野武が『あの夏、いちばん静かな海。』を撮ったとき、まるで脚本の書き方がなってないと、11か条にわたってそれを具体的に批判した人物がいた。主人公は最初の登場で芝居が引立つようでなくてはいけない。なのに彼らが聾唖者であることすら、フィルムの中ほどにならないとわからない。映画には敵役がいる。なのにそれが明確に描かれていない。映画にはヤマ場が付き物だ。なのにそれがわからない……。要するに北野の作品には、強烈なドラマを強烈に見せるだけの配慮がないという論法である。 書いた人は笠原和夫。東映でひばりの時代劇から出発し、仁侠映画、実録路線、そして『二百三高地』や『大日本帝国』といった戦争大作の脚
著者:山口 猛,安藤 昇出版社:ワイズ出版装丁:文庫(443ページ)発売日:2015-06-01 ISBN-10:4898302890 ISBN-13:978-4898302897 内容紹介: 1960年代、70年代、男たちの血を熱くたぎらせた伝説の男・安藤昇。インタビュー、山口猛による評伝、フィルモグラフィーで構成。その俳優としての魅力を一冊に結集! 日本の映画界がヤクザと切っても切れない関係にあることは、ハリウッドがユダヤ人と密接な関係にあることと、はたして比較できるだろうか。いずれもが社会のなかで周縁に置かれ、けっして表にでない場所から映画界に大きな権能を振るってきた点で、共通するものをもっている。日本映画史の研究をしていたわたしは、その裏筋として、日本仁侠史を本格的に勉強しなければいけないと思いあたったことがあった。 思い出してみよう。戦前の日本映画の中心は制作ではなく興行であった
惜しくも急逝した御園生涼子の遺稿集。竹峰義和「編者あとがき」一部抜粋 御園生涼子『映画の声』 2016.10.26 『映画の声――戦後日本映画と私たち』は、2015年6月に惜しくも急逝した著者、御園生涼子の遺稿集です。著者の夫であり、本書の編者である竹峰義和さんの「編者あとがき」を、一部抜粋してここに掲載します。 竹峰義和 本書の著者である御園生涼子にとって、映画というメディアは声という形象と不可分に結びついていた。ここでの声とは、台詞や歌、ナレーションなども確かに含むが、しかしそれだけに還元できない一種の身体的な契機であり、視覚的イメージに随伴しつつも、ときに映像や物語に抗うかたちでスクリーンや画面から不意に立ち現れ、私たちに語りかけてくるような、ロラン・バルトであれば「プンクトゥム」と呼ぶであろう何かである。彼女がある映画作品について論じるとき、何よりもそれは、そこから発せられる声を受
「もし死刑という制度に例外事態が起こってしまったとするならば、すなわち、死刑の執行が失敗し、その後も被告人が生き延びてしまったとしたら、一体何が起きるのか? こうした一見、抽象的な思考実験とも思える問いを通して、大島は「国家」という制度の核心へと近づいてゆく」。 『日本の夜と霧』『絞死刑』『儀式』『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』『浮雲』『森と湖のまつり』『仁義なき戦い』『セーラー服と機関銃』——大島渚や木下恵介からメロドラマ、実録やくざ映画、角川映画まで、日本映画は戦後民主主義と大衆消費社会の結節点にありながら、国家と共同体の外へ追われた“他者の生”を描いてきた。 国民の物語と娯楽性の狭間にあって映画は、安保を、在日を、天皇を、戦争を、沖縄を、アイヌを、ふるさとを、恋愛を、少女を、いかに表象してきたのか。映像に固有の論理と緻密な分析によって、仮借なき暴力に彩られたそのさまざまな〈声〉を聴き取
(3)『大島渚著作集〈第3巻〉わが映画を解体する』四方田犬彦・平沢剛/編 (現代思潮新社) 待ちに待ったという思いと、こんな日が来るとは思わなかったという思いと共に購入した。今回の著作集を順に購入しているのは、第3巻のためといっても過言ではない。 それというのも、本書には巻末に『日本の黒幕』の脚本(大島渚と内藤誠の共同脚本)が掲載されているからだ。これは既に今年の映画書の中でも画期的な映画史的事件と言って良い。 『日本の黒幕』は、1979年に降旗康男監督、高田宏治脚本によって製作された東映映画だが、当初は大島渚の監督で準備が進められていた。この辺りの時系列については今度ちゃんと調べようと思うが、当時の『噂の真相』などを参照すると、高田宏治の脚本と、大島・内藤の脚本をドッキングさせようとしていたようだ。大島が高田宏治の脚本を面と向かって叩きつけたとも言う。当時の大島は『愛のコリーダ』と『愛の
著者:塚本晋也出版社:洋泉社装丁:単行本(ソフトカバー)(271ページ)発売日:2016-08-04 ISBN-10:4800310040 ISBN-13:978-4800310040 内容紹介: ヴェネチア国際映画祭、騒然!完全自主製作・自主配給映画のすべて。絵コンテ、メイキング写真、STAFFインタビュー全網羅。まずは戦略ありき、海外映画祭の回り方。日本全国『野火』劇場行脚を決行。 『野火』副読本の枠を越えて、物作りを志すすべての人にとって必読の名著塚本晋也のあまたある才能のなかでもっとも重要なのは、必要なときに、必要な相手と、出会う才能以前、この欄で『塚本晋也×野火』(游学社)を評したときに、「さまざまな要素を集めた本ではあるが、残念ながら『野火』の副読本としては物足りない」と書いた。その本が到来した。『塚本晋也「野火」全記録』(洋泉社)である。これはもちろん映画『野火』の副読本なの
文:ハコオトコ 写真:斉藤順子 スーザン・ネイピア米タフツ大学修辞学・日本研究コース教授 専門はアニメーションと日本文化。1955年生まれ。ハーバード大学で84年、三島由紀夫・大江健三郎研究で博士号取得。テキサス大学教授などを経て現職。著書に『現代日本のアニメ――「AKIRA」から「千と千尋の神隠し」まで』(神山京子訳、中公叢書)。 「ナウシカ」は大人向けの娯楽と気付いた ――本作では、宮崎アニメが生み出された背景や作品世界の裏にある監督の真意について、膨大な資料や宮崎駿本人へのインタビューを踏まえ、彼の個人史や時代背景についても緻密に分析しています。日本でもアニメを高度な文芸作品として研究するようになったのは比較的近年です。もともと米国で日本文学を専攻していたネイピアさんが日本アニメを研究するきっかけは何でしょうか? 私が若い時、米国では「アニメや漫画は一切研究する価値が無い」と言われて
ムック A5 ● 256ページ ISBN:978-4-309-98021-8 ● Cコード:9474 発売日:2020.11.25 この本の内容 日活での華々しいヒーロー像から石原プロ移籍と東映映画でみせた狂気、そして「西部警察」へ、陰と陽のヒーロー像を類まれな次元で演じた俳優の魅力に迫る総特集。 日活でデビューしアクションスターとして華々しく活躍した60年代、石原プロへ移籍ののち実録やくざ映画の極北「仁義の墓場」などで破滅的な魅力を放った70年代、そして「大都会」「西部警察」シリーズで刑事ドラマの金字塔を打ち立てた80年代……陰と陽のヒーロー像を峻烈に演じた俳優・渡哲也に迫る総特集。 ◎春日太一氏を責任編集に、共演者や映画監督、制作スタッフへの徹底した取材を通じて、俳優・渡哲也の魅力に迫る! ◎出演映画・TVドラマ作品に加え、ドラマ「大都会」「西部警察」の各話リスト、さらにはシングル・ア
HOME > シリーズ > フェミニスト批評の道はレオ様主演の『ロミオ+ジュリエット』がきっかけ!? 連載対談 中島京子の「扉をあけたら」 ゲスト:北村紗衣(武蔵大学准教授) フェミニスト批評の道はレオ様主演の『ロミオ+ジュリエット』がきっかけ!? 連載対談 中島京子の「扉をあけたら」 ゲスト:北村紗衣(武蔵大学准教授) 世の中は、いまだに男目線の考え方で溢れている。その歪みが社会をギクシャクさせているのではないか。でも、「フェミニスト批評」という手法で鮮やかに世の中を斬ってみせる北村紗衣さんとお話ししていると、ちょっぴり楽しい明日の予感がしてくるのです。 2019/12/20 連載対談 中島京子の「扉をあけたら」 第三十八回 批評眼を持つと 人生はもっと面白くなる。 ゲスト 北村紗衣 (武蔵大学准教授) Photograph:Hisaaki Mihara 北村紗衣(左)、中島京子(右)
観終わった後に、涙目の友人が「みんなひとりぼっちだった……。すごい孤独だった……」とうめいていた。 私は涙は流さなかったけど、泣いた友人の気持ちはわかった。これは心がぐちゃぐちゃに散らかる。 「ヤクザの日常を撮影する」という挑戦的な映画「ヤクザと憲法」。 そこに映し出された日常は、あまりに「お隣の地獄」だった。 ■ www.youtube.com 冒頭に「取材謝礼金を払わない、収録テープを事前に見せない、映像にモザイクは原則かけない」という取材時の取り決めが流され、カメラは古いビルの2階の組事務所を映し出す。取材対象は大阪の東組清勇会。小さな事務所は地域の集会所のようで、分厚い防弾扉や虎や龍を彫り込んだ巨大な彫刻、任侠道と彫り込まれた木の置物といった暴力団的なアイテムがむしろ大仰なもののように見えた。 暴対法の成立以降、ヤクザの生活も厳しいらしく、事務所は停滞した雰囲気に満ちている。構成員
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