福岡市内の小さな神社の敷地にある防火水槽から3月下旬、不発の焼夷(しょうい)弾14本が見つかり、陸上自衛隊の不発弾処理隊が出動する騒ぎがあった。現場は地下鉄駅に近い幹線道路沿いで、周辺にはマンションなどが建ち並ぶ。幸い爆発せずに回収されたが、なぜ重い鉄製のふたで閉じられた地下水槽の中に不発弾があったのか。周辺で話を聞くと、空襲が激しさを増す太平洋戦争末期の暮らしとのつながりが見えてきた。 不発弾騒動があったのは同市中央区今川にある平野神社。きっかけは1本の電話だった。3月18日午後3時ごろ、市民から市消防局中央消防署に「平野神社の防火水槽に不発弾のようなものが沈んでいるのを思い出した」と通報があった。この市民は「地域の先輩からずいぶん昔に聞いた話で危険はない」と説明し、時間があれば確認するよう勧めたという。