BBCのプロデューサーのメグミ・インマンさん ジャニー喜多川氏の性加害問題が大々的に報じられるようになったのは、今年3月に放映された英放送局BBCのドキュメンタリー番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)」がきっかけだった。そして9月7日、ついにジャニーズ事務所は喜多川氏の性加害が事実であることを認めた。そして、10月2日には社名変更や具体的な被害者救済策を発表するとみられる記者会見も予定されている。番組の調査報道を行った中心人物であるBBCのプロデューサー・メグミ・インマンさんは、この間の動きをどう感じているのか。率直な思いを聞いた。 【写真】「ジャニーズタレントを一度も起用しなかった」と語るメーカー元社長はこの人 * * * ドキュメンタリー番組を制作中、ジャニーズ事務所はインマンさんらの取材
※この記事には性被害に関する記述があります。読まれる際は注意してください ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏による性加害を取材した、英BBCのドキュメンタリー「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(Predator: The Secret Scandal of J-Pop)」が、日本国内でも静かに波紋を広げています。 同番組は、ジャーナリストのモビーン・アザー氏が日本に訪れ、ジャニー氏による未成年の少年たちへの性加害とその背景について、関係者たちへ取材するというもの。ジャニー氏から性被害を受けたという元ジャニーズJr.の男性たちや、1999年11月~12月に問題について報じた『週刊文春』の記者(当時)たちなどに取材し、最後にはついにジャニーズ事務所に乗り込んでいきます。 アザー氏の取材に対し、元ジャニーズJr.の男性たちが明かした被害はさまざまですが、例えばハヤシ氏(仮名)は
カタルシスはなくても、現実の森友学園問題に即したドラマが作られたのは画期的(写真は2017年4月) Kim Kyung-Hoon-REUTERS <現実に即した結果、政府が正義と真実を曲げるだけ曲げて、最後までカタルシスがないドラマだが、事件の当事者たちは諦めずに真実を追求している> 2022年1月より、2019年に公開された映画『新聞記者』(藤井道人監督)のドラマ版がNetflix製作で配信され、話題を呼んでいる。今回のドラマは映画版とは異なるストーリーで展開している。どちらも政治腐敗とメディア統制を主題にしているのは一緒だが、映画版が加計学園問題を主題とし最終的には完全なファンタジーへと至るのに対し、ドラマ版では森友問題を中心に、より現実の不正事件をモデルとした物語を描こうとしている。 世間の評価 この物語は、日本のドラマにしては珍しくアクチュアルな政治問題を真正面から扱っており、主に
右京さんと亘さん、そして豪華なゲストの皆様の顔合わせで、お正月らしい、華やかなSPとなりました。脚本が撮影現場でかわっていくことはよるあることで、今回も楽しいアドリブ満載でした。 ただ、それとは全く別に一点だけ脚本家の立場から申し上げておきたいことがございます。 右京さんと亘さんが、鉄道会社の子会社であるデイリーハピネス本社で、プラカードを掲げた人々に取り囲まれるというシーンは脚本では存在しませんでした。 あの場面は、デイリーハピネス本社の男性平社員二名が、駅売店の店員さんたちが裁判に訴えた経緯を、思いを込めて語るシーンでした。現実にもよくあることですが、デイリーハピネスは親会社の鉄道会社の天下り先で、幹部職員は役員として五十代で入社し、三、四年で再び退職金を得て辞めていく。その一方で、ワンオペで水分を取るのもひかえて働き、それでもいつも笑顔で「いってらっしゃい」と言ってくれる駅売店のおば
放送法制定の歴史のススメ④では、国会審議での修正が番組編集準則に関係していることを見てきた。 informationlaw.hatenablog.com 今日は、電波三法が成立して新しい放送制度が始まった後わずか2年で起きた電波行政の大きな変化について考えてみることにする。電波監理委員会の廃止だ。 電波監理委員会とは 電波監理委員会の所掌事務 電波監理委員会の委員の組織 ”放送法を襲った悲劇” 行政委員会方式の先取り 行政委員会方針をめぐる攻防 電波監理委員会とは 電波監理委員会とは、電波行政をつかさどる行政委員会だった。行政委員会とは、複数の委員による合議制を採り、行政部門から独立した形で行政権を行使する行政庁のことをいう。準立法機能や準司法機能を有することが多い。公正取引委員会や労働委員会などを思い浮かべればイメージが沸くだろう。最近の例では、個人情報保護委員会がある。 電波監理委員会
放送法制定の歴史③では、放送法を含む電波三法が国会に提出されるところまで見てきた。 informationlaw.hatenablog.com この記事では、国会で行われた審議について確認してみたい。 国会に提出された電波三法 国会審議――公聴会 国会審議――番組編集準則の修正がのちのちまで尾を引く 国会に提出された電波三法 電波三法が国会に提出されたのは1949年12月22日だった。成立したのは1950年4月26日だ。5月2日に公布され、施行は6月1日。ちなみに、これを記念して6月1日は「電波の日」となり、毎年記念の式典などが行われている。 電波法は、無線全般に関する一般法である。放送は、電波法によって、無線局の免許、無線設備、無線従事者、運用、監督などの無線局の物理的な側面から規律されている。一方、放送法は、放送の普及、放送番組、放送局の運営のあり方という側面から放送を規律する法律だ(
放送法制定の歴史のススメ②の続きです。 放送法制定の歴史のススメ②では、ファイスナー・メモを参考にしながら第一次放送法案が作成されたものの、芦田内閣から吉田内閣に代わり、”行政委員会に反対”という理由から法案が撤回されたことや、GHQからも番組内容の規制に対して強い反対があったことを見てきた。 informationlaw.hatenablog.com さて、その後、放送法案はどのように国会に再度提出されたのだろうか。 第一次放送法案の修正 4つの重要点――GHQの勧告 電波監理委員会の設置――日本政府とGHQの攻防 マッカーサー元帥の書簡 第一次放送法案の修正 再度、放送法案が国会に提出されたのは、1949年12月22日のことだ。第一次放送法案が撤回されてから約1年超かかっている。その間に、いったい何があったのだろう。法案は何度か修正がなされている。 まず、最初の修正がなされた法案が19
放送法制定の歴史のススメ①の続きです。 放送法制定の歴史のススメ①では、憲法改正に伴ってGHQから放送法制定の示唆を受けて、GHQの方針であるファイスナー・メモが出されたことまでをまとめた。 informationlaw.hatenablog.com 放送法制定の歴史のススメ②では、ファイスナー・メモを参考にしながら放送法案が作成されていく過程を追ってみる。 第一次放送法案の国会提出 第一次放送法案の内容:ニュース放送に関する原則 第一次放送法案の廃案 ニュース放送に関する原則に対するGHQ法務局の意見 第一次放送法案の国会提出 逓信省は、1947年10月のファイスナー・メモを参考にしながら、放送法案の作成を進めていく。 1948年2月、取りまとめた放送法案を、逓信省はGHQ民間通信局に提出して助言を求め、民間通信局は、民間情報教育局(CIE:Information and Educati
放送法を考えるためには、放送法制定の歴史をよく知っておくことが大切だろう。どのような法律もその制定経過にさかのぼることによって、条文の意味を理解することができるからだ。何回かに分けてまとめてみたい。 日本国憲法の誕生 放送には無線電信法が適用されていた GHQから示唆 放送法ができたのは1950年。電波法と電波監理委員会の3つの法律がセットで作られたことから、あわせて「電波三法」と呼ばれている。第二次大戦の敗戦後のGHQによる占領期だった。放送法には日本を民主化しようと試みた工夫が随所にみられる。 制定の歴史にはいくつかの波がある。 日本国憲法の誕生から放送法の骨格が決まるまで 第一次放送法案の作成 現行放送法の案作成 国会審議 電波監理委員会の廃止 まず、日本国憲法の誕生から放送法の骨格が決まるまでを見てみよう。 日本国憲法の誕生 日本国憲法が国会で成立・公布されたのは、1946年11月
日本のドラマや映画に出てくる役者は何故あんなに演技が下手なのだろうか。 基本的に日本の役者は皆「\演技中です/」というマークを頭上に出っぱなしでセリフを喋っている。 たまに上手い人がいるが作中1人でもいればいい方で、殆ど全員が演技者としての最低限の役割程度しかこなせていない。 最低限とは「言葉が聞き取れて、その時の感情はどのようなものかが分かる状態」となる。 これはストーリが理解できるための最低条件だが、実際はこれでだけでは不十分だ。 上記を満たすだけなら基本的に誰でも出来る。 中学生のクラス演劇でも可能だからだ。 そして大概の演者の表情や抑揚は普通の人間よりどこかオーバーなものとなってしまう。 本来要求されるレベルは、そこで確かに生きていた人の姿として、ありのままに見せることだ。 これが難しいことはわかる。 ただ役者として仕事をしている以上、達成されるべき水準のはずだ。 少なくとも見てい
記事によれば、同じく番組に出演していた社会学者の古市憲寿さんが「見えにくい貧困」も問題であるとの主旨の発言をしてくれていることもあり、必ずしも番組全体の方向性として「ネットカフェ難民にちゃんと働いてほしい」というような意味づけをしているとは思いません。 また、実際に松本人志さんの発言に賛同する人もいるでしょうし、古市憲寿さんの発言に共感する人もいるでしょう。これ自体が一つの問題提起であるとも思います。 ですので、これを一つの契機として、ネットカフェ難民をはじめとする生活困窮者への支援、日本の貧困問題について取り組んでいる立場として、このネットカフェ難民の問題について書きたいと思います。 番組では限られた時間ですので、ネットカフェ難民の人たちの実態について、必ずしも伝えきれていないことも多いかと思います。 ここでは、ネットカフェ難民の実態について、彼らがネットカフェ難民でなくなることが困難な
荒唐無稽なデマを拡散 三浦の「根拠」はすべてガセネタ 『デビルマン』の悪魔狩り扇動を想起させる手法 マスメディアを使った大衆扇動を許してはならない 荒唐無稽なデマを拡散 2月11日のフジテレビ系「ワイドナショー」での三浦瑠麗発言。まさかと思って録画を確認したのだが、本当に北朝鮮のテロリストが国内に潜伏しており、それが金正恩政権崩壊と同時に動き出してテロ活動をすると発言している。しかも、何の留保もない断言である。 三浦 今回、核体制の見直し、NPRと呼ばれるものが更新されて、その中で、小型の核をたくさん作って、そして戦略核と呼ばれる、ソ連との間でやりとりしてたような大規模な核を減らしますという方針が出されたんですね。 三浦 そうすると、核兵器をより使える方向に舵を切ったんですけど、で、考えてみましょう。もしアメリカが北朝鮮に核を使ったら、アメリカ大丈夫でも我々けっこう反撃されそうじゃないです
さる3月4日に2本続けて放送された「証言記録 兵士たちの戦争」シリーズ、「フィリピン・ルソン島 補給なき永久抗戦 〜陸軍第23師団〜」、「台湾先住民“高砂族”の戦争」について。 フィリピン戦線は日本軍が最も多くの戦病死者(餓死者を含む)を出した戦線の一つで、この第23師団も補充された将兵を含む約3万人のうち、生きて復員したのは5千人ほどとされている。また番組中では触れられていなかったが、この師団はノモンハン事件でも大損害を出している。 きちんと数えたわけではなくこれまでシリーズを見てきての印象に過ぎないが、やはり大戦末期の戦いの証言者には元兵士だけでなく元将校も少なからずいて、斬り込み攻撃を命じた側と命じられた側の双方が紹介されているのが興味深い。 このシリーズでは以前に「朝鮮人皇軍兵士 遥かなる祖国」(10年3月27日)が、また「証言記録 市民たちの戦争」シリーズでは「“朝鮮人軍夫”の沖
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