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ブックマーク / saebou.hatenablog.com (6)

  • 子供の世界と性愛の拒絶~『AKIRA』4Kリマスター版(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    大友克洋監督『AKIRA』の4Kリマスター版をIMAXで見てきた。今回初めてこの映画を見た。漫画のほうは全く読んだことがない。 www.youtube.com 舞台は第三次世界大戦から31年後、2019年のネオ東京である。オリンピックを控えているのにしょっちゅう抗議運動が起こっているという不穏な政情ではあるが、一応戦争による破壊からは街は再生している。そんな中、暴走族をしている少年である鉄雄がひょんなことから超能力を持つタカシと接触し、自らも超能力に目覚めてしまう。鉄男を助けようとする金田はいろいろあって反政府活動をしている若い女性ケイと組むことになる。 けっこう複雑な話なのだが、テーマとビジュアルがぴったりあうよう大変よく考えられている。この作品の大きなテーマのひとつとして子供の自我の肥大というのがある。超能力に目覚めた鉄男が暴れ始める原因が小さい頃から自分を助けてくれていた金田への漠然

    子供の世界と性愛の拒絶~『AKIRA』4Kリマスター版(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
  • 牧歌世界への旅立ち~『トイ・ストーリー4』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    機内で『トイ・ストーリー4』を見た。あの、ティーザーが『ヘレディタリー』みたいでやばかったやつである。 www.youtube.com 第三作でアンディの家を出てボニーの家で暮らすことになったウッディやバズたちが、ボニーの旅先で出会ういろいろな試練を描いたものである。ボニーは幼稚園でフォークを使った自作のおもちゃフォーキーを作るのだが、このフォーキーは自分をゴミだと信じていておもちゃとしてのアイデンティティがなく、目を離すとゴミ箱に飛び込みたがるのでウッディが常に監視していなければならない。さらにウッディは旅先で、かつてアンディの妹モリーが人に譲ったおもちゃで、昔のガールフレンドだったボー・ピープに出会う。 おもちゃの生き甲斐というのは子供の遊んでもらうことだというのが第三作までの重要なモチーフだったのだが、第四作では持ち主のないおもちゃとして自由に暮らしているボー・ピープが活躍し、さらに

    牧歌世界への旅立ち~『トイ・ストーリー4』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
  • 献血ポスター問題について - Commentarius Saevus

    ここ3週間近く議論が続いている『宇崎ちゃんは遊びたい!』献血ポスターについて、このようなtogetterまとめが投稿されました。 togetter.com これは吉峯耕平弁護士が私と行った議論をまとめたセルフまとめです。セルフまとめで相手の議論について「saebou先生の反倫理的な「すごく高い倫理」」などという中立性に欠けるタイトルをつけるのはどうかと思いますが、あまりにも偏ったまとめであること、またこの話が始まって以来、全く私がしている話を見ずにデマに近い内容を流してくるツイッターアカウントや嫌がらせをしてくるツイッターアカウントが後を絶たないため、自分の意見をまとめてここに書いておこうと思います。 1. どうして私が献血にこだわっているのか 2.理念をどう広告に出すか 3. 作品の倫理的側面について議論するのは法律でも、規制でもない 4. 広告は他の芸術と違う 5. オタク文化だけ攻撃

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  • 女王を称えてるだけ~『ボヘミアン・ラプソディ』における、クイーンの外に広がる闇 - Commentarius Saevus

    『ボヘミアン・ラプソディ』を見てきた。言わずと知れたクイーンの伝記映画である。 www.youtube.com 主人公であるザンジバル生まれのパールスィー家庭の息子フレディ(ラミ・マレック)がギターのブライアン(グウィリム・リー)とドラムのロジャー(ベン・ハーディ)のバンドに入り、ベースのジョン(ジョゼフ・マゼロ)も加入して大成功するが、やがてフレディは自分がゲイ(あるいはバイセクシュアル)だということを自覚しはじめ、恋人のメアリー(ルーシー・ボイントン)とも以前ほどうまくいかなくなってきたり、バンドとも亀裂が生じていろいろなトラブルを経験し、やがてエイズになったことがわかるが、ライヴエイドで奇跡の復活を…という話である。 とりあえず私のクイーンに対する思い入れが相当偏っているからかもしれないと思うのだが(初めて自分のお金で買ったシングル盤はフレディ追悼盤「ボヘミアン・ラプソディ」だった)

    女王を称えてるだけ~『ボヘミアン・ラプソディ』における、クイーンの外に広がる闇 - Commentarius Saevus
  • 二級市民には意見を伝える手段すらない〜『サフラジェット』(『未来を花束にして』) - Commentarius Saevus

    『サフラジェット』(『未来を花束にして』というタイトルだが、全く酷い日語タイトルである)を見てきた。1912年のロンドンを舞台に、洗濯工場でクズ上司のセクシャルハラスメントに苦しみながら働くモード(キャリー・マリガン)が女性参政権運動に参加するようになり、サフラジェットの闘士として戦う様子を描いた作品である。 全体としては、これまでミドルクラス以上の活動家が注目されがちだった女性参政権運動について、ワーキングクラスの女性たちに焦点をあてる近年の研究成果を反映した作品になっている(これについてはCarol Dyhouse, Girl Trouble: Panic and Progress in the History of Young Womenのレビューでちょっと触れたことがある)。サフラジェットというのはこの映画にも出てきたWSPUのメンバーを中心とする戦闘的な女性参政権活動家のことで

    二級市民には意見を伝える手段すらない〜『サフラジェット』(『未来を花束にして』) - Commentarius Saevus
  • 国会前抗議に行ってきた - Commentarius Saevus

    国会前の安保法制反対抗議に行ってきた。 前に反原発デモでちょっと不愉快な思いをしたことがあり(これはブログとかフェイスブックにも書いたはずだが)、元気がある時でないとちょっと日のデモに行く元気が出ないので、今回は学者の会に入るだけでプロテストには出かけていなかったのだが、首相のパフォーマンス等々があまりにもバカバカしいのと(なんだあの人魂は)、デモ参加者に対する性差別的な言動があまりにも目に付くので(学生団体のSEALDSに美人が多いことを売りにするとか)、学生時代に戻ってフェミニストっぽい簡易プラカードを作って行ってきた。 なお、マッドマックスのやつはともかく、裏側は日語のスローガンにしようと思ったのだが、漢字を使うと黒っぽくなってしまい、小さいプラカードだとかなり見栄えが悪くなるので、あきらめて両面英語にした。プラカードに英語が多いのを批判する向きもあるようだが、実際に作ると漢字を

    国会前抗議に行ってきた - Commentarius Saevus
    dimitrygorodok
    dimitrygorodok 2015/08/02
    他国を抑圧する目的での軍事力行使への反対と性的役割分業の押しつけに対する反対は人権侵害という点で通じてるのでこれは当然の批判
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