京都大学(京大)は7月9日、長期宇宙滞在後の宇宙飛行士に見られる、眼球の後ろが平たくなる「眼球後部の平坦化」および眼球とつながる視神経を取り囲む「視神経鞘の拡大」について、本質的な病因を明らかにしたと発表した。 同成果は、京都大学大学院工学研究科の掛谷一弘 准教授、仏ラリボアジエール病院の篠島亜里 研究員、大阪大学大学院医学研究科の多田智 招聘教員らの研究グループによるもの。詳細はアメリカ医学会発行の学術誌「JAMA Ophthalmology」(オンライン版)に掲載された。 長期飛行を終えた帰還後の宇宙飛行士に、眼球後部平坦化(青矢印)や視神経鞘拡大(赤矢印)が、MRI画像で報告されている (出所:京都大学Webサイト) 宇宙空間では重力が地表の100分の1以下であるために、宇宙飛行士の身体にさまざまな変化が現れる。また地表で使用する足腰の筋力が衰えるのみならず、あまり影響がないと思われ